高校の授業料無償化は、一体何を解決する手段なのか?
「今、日本の99.9パーセントの子供が高校へ進学していますので。私立・公立問わず授業料は無償化…を実現したいと思います」
昨日。
吉村洋文大阪府知事が、日本維新の会の代表選挙へ出馬をすると表明し記者会見をした。
その中で「高校の授業料無償化」を実現したい公約の1つに掲げて、実は今回の衆議院議員選挙で公約に入れてる党が殆どだったので、「できない理由がない」として、早期実現を目指すと話していた。
無償化。
さて、これは良い事なのだろうか?
そもそも「何の為に」学校へ行くのか?
そこから再定義が必要なのでは?
何でもYouTubeで調べるんです
長男のお友達に、小学校受験塾で知り合ったS君がいる。
S君はとても賢い子で、年長の春に入塾したにも関わらず数年通っている子供達よりも遥かにプリントや運動ができた。
短期間の通塾で、見事に「入試が小3レベル」と言われている難関私立小学校に合格し、入学後も算数オリンピックに出たりメキメキと実力を伸ばしている。
そんなS君だけど、実は「塾」の様なモノには一切通っていない。
家でお父さんと「数学」に関するTV番組を見たり、「東大王」を見てる。
大好きなルービックキューブはネットで攻略法を自ら調べて、どんどん覚えているので上達が速い。
ママは「何でもYouTubeで調べちゃうんで、驚く様な事を知っているんですよ」と話していた。
うーん、まさに令和の子。
元・広島県教育長の平川理恵さんもVoicyでこんな話をされていた。
そう。
子供達はスマホやネットを使いこなせる。
「何でもネットで調べられる」という事実を、大人以上に知っている。
現場と乖離していないか?
先日も触れたけど、不登校が過去最多を記録している。
私は、この不登校は「何でもスマホで調べられる」事と連動している部分がある気がしている。
勉強だけなら学校に行かなくても良いのに、多くの時間を受動的に過ごす事に疑問を感じているのではないだろうか?
更に深刻なのは、小学校の低学年での不登校が増えていると言う。
不登校にならなくても、子供の多くは「学校が面倒」と感じているのではないか?
それでも休むと親に負担がかかるとか、「行かなければいけない」という義務感で通っているのではないか?と思う。
小1の時点で「不登校」や「学校が嫌だ」と感じてしまった子にとっては、小学校6年間、中学校3年間を終えるだけでも精一杯じゃないだろうか?
子供は本当に高校に行きたいのか?
高校で学びたいと思っているのか?
ましてや「大学で勉強しよう」と思っているのだろうか?
就活の採用条件が「大卒」「高卒」「中卒」いずれも同じ扱いで、待遇にも差がなかったとしたら?
それでも大学まで行って勉強したいのだろうか?
多くの政治家が「無償化」を掲げても、「学校の中身」については語らない。
私はこれが残念で仕方がない。
唯一、現実味を帯びて「何かやってくれそう」と期待を込めているのは、芦屋市の高島市長だ。
教員不足も深刻化している。
文部科学省が残業代支給に向けて動いているけれど、根本的な解決にならないと思う。
無償化は歓迎される政策なのか?
少し話は逸れるが、皆さんの地域は「給食費無償化」だろうか?
実は、全国で40%超の市町村が「給食費無償化」に踏み切っているらしい。
でも、私の住む町では「無償化」どころか食品の原材料価格の高騰により値上げの検討を始めている。
数カ月前にアンケートが実施された。
その中で給食に臨む事として以下のような選択肢があった(少し記憶が曖昧)
他にも「給食に求めるものは?」等色々な質問があったけど、要は「値上げに賛成か?否か?」を聞きたいアンケートだった。
値上げと言っても、元々が1食辺り300円以下。
300円以下で栄養バランスの取れた給食を食べられていると思うと有難い。
他の多くの自治体では「給食費無償化」を大々的に選挙の公約に入れて首長選挙が行われているけど…と思いながらも。
そんな政策を打ち出さなくても勝手に人が集まってくる市町村なので、「子育て世帯向けアピール」をする必要がないという事なのだろう。
私は「値上げしても良い」にチェックを入れてアンケートを提出した。
ところが、つい最近。
PTAを経由して「給食費無償化を求める署名」というモノのWEB署名のリンクが送られてきた。
「賛同される方はこちらからどうぞ」という送り方だったので、決して強制でもない。
ただ、リンクを開いてみたら「実施団体の声」は中々強めのメッセージが書かれていた。
なるほどね。
確かに、言われてみればその通り。
早速夫にそういう署名が回ってきた…という話をした。
すると夫は
「無償化する事によって、結果的に中身の質が落ちるかもしれない。そうなる位なら保護者として相応の負担をした方が良い」と冷ややかな反応だった。
他にもう一人、同じ市に住む知人にも意見を聞いてみたが、同じく冷ややか。
「給食費に税金を投入する事で、他のサービスや利便性に影響が出たら困るので、無償化しなくても良い」
聞いた相手が2人共男性だったので、こんな感じなのかもしれない。
でも「無償化」は決して「無料」ではない。
当たり前だけど「無償」にする事で、「何か」を削っている。
それは給食であれば品数かもしれないし。
巡り巡って、消防車の数かもしれない。
今、当たり前にコストをかけて行っている「学校教育」は本当にこのままで良いのか?
6歳から22歳までの「学生期間」を、大人と同じような過ごし方をさせる事が本当に時代に合っているのか?
未来を生きる子供達にとってベストなのか?
いっそ、政治家の中に小学生から大学生までの子供を混ぜた方が良いのではないか?
大人は「今の子供」から学ばなければいけない事が沢山ある。
そんな気がするのは、私だけだろうか。
今日も有難うございました。
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