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どんな自分・生き方でもいいんだと思える小説2冊
小説って面白い!!
ビジネス書・実用書もよく読むが、最近は小説がとにかく楽しい。
答え・事実がズバッと書いてあるビジネス書と比較すると、小説は楽しみのために読むイメージもある。
が、価値観・世界を広げるという点では、小説はビジネス書を上回ると感じる。
最近読んで良かったのは、この2冊。
・朝井リョウさん「正欲」
・凪良ゆうさん「星を編む」
上記はストーリーは全く異なる一方で、メッセージには近いものを感じた。
・正しい生き方なんて存在しない
・人は人、自分は自分
・ただ、どんな人でも「繋がり」だけは不可欠
というような・・・
明るいばかりではなくとも、生きていく希望を見いだせるような作品。
以下、2冊それぞれ、心に残った点を書きたい。
朝井リョウさん「正欲」
小説より先に、映画を観たことがきっかけ。
正直、映画は全然刺さらなかった・・・!
けれど、本屋大賞にノミネートされている作品。ということは、自分が面白さを理解できてないのでは・・・と思い、小説を読んでみた。
結果、読んで良かったーー!
映画では全然読み取れてなかった登場人物の考え方を理解しながら、読み進めると見え方が一変した。
現実世界でも人の考えがこんなに丁寧に言語化されていることはない。(自分の考えですら意識しないと難しい。)
ということは、人の考えは理解できていない前提でいた方が良いなとも思った。
また、朝井リョウさんの文章が哲学的にも思えて、何度も驚かされた。気がついたら、ビジネス書よりも線を引いていたくらい。
みんな本当は、気づいているのではないだろうか。 自分はまともである、正解であると思える唯一の依り所が〝多数派でいる〟ということの矛盾に。 三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、〝多数派にずっと立ち続ける〟ことは立派な少数派であることに。
凪良ゆうさん「星を編む」
第20回本屋大賞受賞作「汝、星のごとく」の続編。
なのに、こちらを先に読んでしまった。
おそらく、順番通り読んだほうが良いと思うが、
「星を編む」からでも問題なく読める。
読みながら、ふと「いわゆる”王道”と呼ばれるルートから外れたときから、本当の人生がはじまる」という言葉を思い出した。
王道(≒メジャー)だから良い悪い、という話でなく、
どんな道でも自分で選んだ・そうするしかなかった、という覚悟のような意味で理解している。
善し悪しではなく、是か非かでもなく、どれだけ誹りを受けようとも、自分でもどうしようもなく、そうとしかできないことがこの世にはあるのだと、大人になった今ならわかる。
また、2冊通じて、人が生きていくためには「繋がり」がキーワードになるとも感じた。
朝井リョウさんの言葉を借りると、人はそれぞれ「宗教」を持っている。
ここでいう「宗教」とは、
・同じ音楽を聴いてどう感じるかとか、
・犬を可愛いと思うかとか、そういう小さな場面の集大成。
宗教が同じ人が心身共に健康で生きているというだけで、手放しそうになる明日を手繰り寄せられるときがある。その人が生きている世界なら自分も生きていけるのかもしれないと、そう信じられる瞬間が確かにある。
うわあ〜たしかにそうかも知れない。
傲慢かもしれないが、ネットに意見を発信するにあたっても、同じ考えの人と繋がれたり、すこしでもポジティブなエネルギーになれたら嬉しいな、と感じた。
一方で、自分とは違う意見の人を安易に否定しないことも、すごく大事だと考えさせられた。
まとめると、小説の心情描写が秀逸すぎて、学びが大きい。
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