【蒸留日記 vol.121】イングリッシュラベンダー 'トルー'の蒸留。
■Introduction -about cv. 'True'
かなり品種情報が少ないラベンダー品種です。
日本の園芸市場では広く流通している品種なのですが、海外のナーサリーカタログでは'True'(トルー)という品種を見たことがありません。
▶︎「トルー」の意味
トルー/トゥルー:Trueを和訳すると「真実の」「本当の」といった意味になりますが、、、
フランスに場所を変えると、コモンラベンダー/Lavandula angustifoliaのことをLavande Vraie/ラヴァンド・ヴレと呼びます。(ヒロハはアスピック、ラバンジンはラバンダン)
このヴレ/Vraieという単語こそ英語のTrueと同義の言葉であり、同じ意味をもちます。
True,Vraieはヒロハ/L. latifoliaやストエカス/Stoechasのように系統種コモンラベンダー/Lavandula angustifoliaを表す言葉であり、したがって品種名ではないのです。(あるいはコモンラベンダーの典型種という意味か?)
といったことから、日本で流通している品種'トルー'は品種名が付けられていなかったいずれかの英国生まれラベンダーなのではないか?という推論が立っています。
英語のTrueが充てられているので仮で英国品種、ということにしています。
Vraieだったらもれなくフランス産品種ということになっていたのでしょう。
▶︎品種'トルー'の外見特徴
さて、品種'トルー'は英国品種であると仮定のもと話を進めますが、英国品種の割には中咲きと思われる性質を持っています。
多くの英国品種は早咲き傾向があるのですが、トルーは7月の半ばに開花を迎えるようなのです。
株サイズは中柄で、比較的長めな花茎をつけ、中〜大柄に育つ品種となっています。
花穂の色自体は白っぽいかなり淡めの紫。
当初1株だけの栽培だったのですがどうも怪しく3株買い足したのですが結局同じ性状でした。トルーは薄色ラベンダーのようなのです。
7月半ばになり開花期が来ると明るい紫色の花を咲かせ、紫色のベールを被ったように一気に株全体の色彩が一変します。
この花色はNZ品種のブルーマウンテンや日本品種の2号はなもいわに似た印象を持ちます。
■Materials&Methods
収穫前のトルー花壇のようす。先代の1株だけ弱り気味です。
奥の花色が濃い子はラバンジン(品種不明)です。
トルーは4株だけなので15分ほどでサクサクっと収穫作業は完了します。
容器重量851gを引いてトルーラベンダー380グラムでの蒸留になります。
■Results
1.収油率 - EO Yield
英国品種っぽい収油率に落ち着きましたね。