美術館のように書店を歩く
小学生の頃、本を読むのが苦手でした。
でも
読むのが苦手なのに、本屋に行くのは大好きでした。
暇さえあれば本屋に行っていました。雑誌を見たり、漫画を見たり、当時小説は読めなかったけど、本棚に挿さっている単行本や文庫本を取り出しては、表紙を眺めるのが好きでした。
これは本屋だけに限らずレコード店でも同じで、ジャケットを見て楽しんでいました。
昔、本棚に並べられている本は、背表紙しか見えませんでした。本のタイトルと作家名という情報から感知して、ビビっときた本を手にしていました。
今の書店は、あらゆる角度から私たちを刺激します。もう見ているだけで楽しくて楽しくて。
そのひとつが、ディスプレイなんですね。
本を背表紙ではなく、表紙が全面に見えるように面押しでディスプレイしていますよね。
その数がとても多くて、本の装丁を楽しめます。それはアートであり、メッセージであり、癒しであり、発見であり、情報であり、探していた答えであります。
とても素敵な写真や、絵や、フォントから訴えかけられます。平積みではなく、棚に面で飾られている本からはとくに。
書店なのに、もはや美術館の中にいるかのような刺激を受けます。
そして
いろんなジャンルの本棚を歩きながら、見て楽しめます。
さらに
帯の言葉や、書店員さんの言葉(POP)が、心に突き刺さります。
本を読んでいなくても視覚だけで、身体のいろんな感覚を揺さぶられます。
本の表紙はとても深く考えられていて、それを見ているだけでも充分に貴重で価値あるものだと思います。何かが満たされていきます。
まるで、美術館の中を歩いているようなんです。
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