shinku | 読書ヒーリング

人生のプラスになり、良い言葉を信じて、自分のために一歩踏み出せる。そう感じた読書エッセイです。そして、日々忙しい中、読んでくださったみなさんの悩みが解消され、素敵な言葉に癒されるお手伝いができれば幸いです。

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最近の記事

「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子

「どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない、と今は思う。」 「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子 この物語の主人公・36歳、女性の「私」は、新卒で14年働いた会社でのストレスに耐え、燃え尽き症候群になってしまい会社を辞めました。 そして 職探しの相談員・正門さんにこのような条件を出したのです。 初老の相談員の女性・正門さんはその条件を聞くと、キラリと眼鏡を光らせます! その仕事とは 小説家・山本山江の行動

    • もしも本屋を創れたなら

      約1年前にこんな記事を投稿しました。 「やがて訪れる春のために」という本の感想と自分の思いを綴りました。 ❝ 本当に漠然とですが、退職してから「本に関わる何かをやりたいなぁ」とそのとき考えていました。いや、今でもそうなのかもしれません。ハーブが好きなので、本を読みながら、ちょっとしたハーブも鑑賞できるような。珈琲やハーブティーとともに……❞ 今回、メディアパル様の素敵な企画 ☞【募集企画】あなたもわたしも本屋さんになっちゃおう! #本屋さん開店します という記事を拝見

      • 【絵本】「いやだいやだ」 せなけいこ

        「そうしたら ルルちゃんは どうするの?」 「いやだいやだ」 せなけいこ 絵本作家のせなけいこさんが、お亡くなりになったということをネットニュースで知りました。 子どもが小さい頃、せなけいこさんの絵本を妻が買ってきて、子どもによく読み聞かせていたことを思い出しました。「ねないこだれだ」のおばけの表紙、なつかしいな~ 僕もこの絵本「いやだいやだ」を子どもに読んだことがあります。 そのときのことを書き記したものが残っていたので、それを基にNoteの記事として書いてみまし

        • 「ONLY PLACE WE CAN CRY」銀色夏生

          「ひとつのこらず君を   悲しませないものを   君の世界のすべてにすればいい   そして君は途方に暮れる」 「ONLY PLACE WE CAN CRY」銀色夏生 モノクロームの写真と銀色夏生さんの言葉の旋律が、自分の中に隠してきた淋しさとシンクロして、ため息ばかりついていたグレーの感情を琥珀色に染めてゆく「ONLY PLACE WE CAN CRY」 もう戻ることができない場所 もう出会うことはないきみ 成就しなかった想いは 美しい雨となり 乾いた過去を 湿らせます

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        • 本と本屋と読書のエッセイ
          42本
        • 絵本
          28本
        • 「本」の「本」
          21本
        • 芥川賞
          7本
        • 本屋大賞
          8本

        記事

          「スピリチュアル・サンクチュアリ 江原啓之神紀行」 江原啓之

          「この『スピリチュアル・サンクチュアリ』は、文字通り、スピリチュアルな視点をもって聖地を解説した、日本ではじめての本であると自負しています。」 「スピリチュアル・サンクチュアリ 江原啓之神紀行」 江原啓之 この本は、江原啓之さんがスピリチュアルな視点で解説した神社を紹介しています。 ですから、ガイドブックのようなスタイルでありながら、内容は、とてもスピリチュアルで本格的な神社の解説本であります。 僕は神社がとても好きで、旅行に行くと、神社によく立ち寄っています。 こ

          「スピリチュアル・サンクチュアリ 江原啓之神紀行」 江原啓之

          「秋田のターシャ」と呼ばれて」 佐々木利子

          「私が庭を通して伝えたいのは「命も花も永遠でない。だから今なんだよ」ということ。」 「秋田のターシャ」と呼ばれて」 佐々木利子 ターシャ・テューダーの本の言葉に癒され、ターシャのガーデンの写真を見た瞬間から、ターシャのガーデンに憧れるようになりました。 それ以来、ガーデン雑誌を見たり、園芸店にもよく足を運ぶようになりました。 そんな折に、「秋田のターシャ」というタイトルに惹かれて本書を購入、本を開くと、そこには素敵なガーデンが広がっていました。 まるで、ターシャの庭

          「秋田のターシャ」と呼ばれて」 佐々木利子

          本を読んでいて、「この本は自分に合わないなぁ」と思ったときのこと

          僕は、読んだ本のすべての感想をこのnoteに書けていません。 中には自分の考えと合わない本がありましたし、読んでいて気分が悪くなった本もありました。 その本についての感想をあえて書くつもりはないですし、本を読んでためになった考えや言葉だけを書いてきました。 限られた時間しかない人生、自分が良いと思った素敵な言葉を吸収できる本や、活かせる本の知恵を取り入れていきたいと思ったからです。 悪いところをいちいち考えたり、フォーカスしているほど時間は多くありませんし、スルーすれ

          本を読んでいて、「この本は自分に合わないなぁ」と思ったときのこと

          「心配事の9割は起こらない」 枡野俊明

          「ひた走る人生もそれはそれでかまわないと思いますが、禅語は、止まることは決して悪いことではない、むしろ、大事なことなんですよ、と教えています。」 「心配事の9割は起こらない」 枡野俊明 著者の枡野俊明さんは、お寺の住職。 枡野さんは、たくさんの人からさまざまな相談を受けるのだそうです。とくに不安や悩み、迷いといったもの。 相談者の話に耳を傾けていると、そのほとんどが「妄想」や「思い込み」「勘違い」「取り越し苦労」にすぎないというのですね。 僕は、事あるごとに落ち込む

          「心配事の9割は起こらない」 枡野俊明

          「電車のなかで本を読む」 島田潤一郎

          「本を読み、だれかの言葉を膨大に浴びることによって、読者はこころのなかの風景を塗り替えることができます。」 「電車のなかで本を読む」 島田潤一郎 ひとりで出版社を営んでいる島田潤一郎さんの読書エッセイ。 やわらかく、あたたかく、やさしい文章。 島田潤一郎さんの子どもの話や仕事の話、そして、本屋や本への思いなどを熱く語り、さらっと風が頬を撫でるようにご自身が読んだ本の紹介をしています。 紹介されている本のあらすじや感想は最小限に留められていて、くわしい内容はその本の頁

          「電車のなかで本を読む」 島田潤一郎

          【写真詩集】「いつか、晴れる日」写真 野寺治孝 詩 石井ゆかり

          「瞳も涙に洗われたぶんだけ輝きを増す」 「いつか、晴れる日」 写真 野寺治孝 詩 石井ゆかり 心が苦しいとき 海を見たくなります 「そういえば、最近海を見てないなぁ」 とふと思いました 時折 人の間にいると圧力に 打ちのめされるときがあります きっと まわりは僕がそう感じて いることには気づいていないでしょう 僕が異常に敏感だからなんです 僕もまわりには気づかれないように うまく取り繕っているつもりです けれども どうしようもなく 苦しくなるときが 突如襲っ

          【写真詩集】「いつか、晴れる日」写真 野寺治孝 詩 石井ゆかり

          「読書する人だけがたどり着ける場所」 齋藤 孝

          「「読書」は体験なのです。」 「読書する人だけがたどり着ける場所」 齋藤 孝 町の本屋が閉店している 本を読む人が減っている そんなニュースやネット記事をよく見ます。 僕が学生の頃にはいたるところに本屋があったので、実感として小さな町の本屋が減っている印象は受けますが、それに比して本を読む人は減っているのだろうか? 大型書店に行くと、本を求めて来られている人がたくさんいます。 棚から本をつかみ、パラパラと頁を捲り、真剣な表情で本との出会いを楽しんでいる、そんな風に

          「読書する人だけがたどり着ける場所」 齋藤 孝

          「幸せについて」 谷川俊太郎

          「過去が気にならない、未来も気にならないで、「いま・ここ」に在る。これが、ぼくの考える幸せの基本形です。 「幸せについて」 谷川俊太郎 僕は本の「あとがき」から読む習性がありまして、この本もいつものように「あとがき」から読んでいると、この言葉から目が動かせなくなっていました。 この本は、詩人の谷川俊太郎さんが「幸せ」について語った、詩のような哲学のような箴言のような、そんな言葉のつらなりを一冊にまとめています。 一冊丸ごと「幸せ」について、言葉を綴っています。 ふと

          「幸せについて」 谷川俊太郎

          「サラと魔女とハーブの庭」 七月隆文

          「来る人が癒される止まり木のような……」 「サラと魔女とハーブの庭」 七月隆文 前回ご紹介しました「西の魔女が死んだ」が好きな人でしたら、この物語は気に入っていただける作品ではないかと思いました。 由花は今年14歳になる女の子。 もう子どもではない年齢だと自覚していますが、由花の気持ちは子どもと大人のあいだで揺れています。 由花にはイマジナリーフレンド・サラという空想の友達がいました。 由花は大人になってしまうと、もうサラに会うことができなくなるのではないかと不安

          「サラと魔女とハーブの庭」 七月隆文

          本を読むというより、言葉をさがしている

          本を読んでいると、途中で「この本はnoteにUPできないかもしれない」と思いながら読んでいることがあります。 noteにUPできていない本は、結構あるのですが、読んだ本すべてをnoteに書くことは自分には難しいんです。 どうしても読むのが難解であったり、言葉・文体が合わなかったり、読後感が良くなかった本はUPできていません。(なので逆もしかり。ご紹介した本がみなさんに合わなかったりすることもあるのだと思います) また、内容が圧倒的すぎて、どのように解釈していいのかまった

          本を読むというより、言葉をさがしている

          「私訳 歎異抄」 五木寛之

          「わたしたち人間は、ただ生きるというそのことだけのためにも、他のいのちあるものたちのいのちをうばい、それを食することなしには生きえないという、根源的な悪をかかえた存在である。」 「私訳 歎異抄」 五木寛之 「歎異抄」は、根底から考えを変えられた本でした。 それでもまだまだ理解できそうにもなく、これからも読むたびに考えが変わっていくだろうと思われ、非常に短いのに深い教えは、この先、突如襲ってくる心の不安に確実に寄り添ってくれる書になるだろうと思いました。 歎異抄は、浄土

          「私訳 歎異抄」 五木寛之

          「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二

          「 何一つ 思い出せない 空白の日々だからこそ 心から 心から 『ありがとう』 本当に 『ありがとう』 」 「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二 noteをはじめる前に、いくつかホームページやブログをやっていました。 もう今はありませんが、その中の1つに、趣味のアコースティックギターを使って曲をつくり、音声のブログに載せていました。 歌はなく、曲のみです。 その曲に詩を作ってくださった方がいらっしゃいました。 その方が 本書の著者 佐野裕二さんでした。 驚きまし

          「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二