高齢期の医療と意思表示を学ぶ【終活】
高齢期の身体の特徴と認知症
高齢期の病気の特徴と対応
高齢者(老年期)には
一般的に以下のような
身体的特徴があります。
これらの身体的特徴は
一般的な傾向ですが
個人によっては
異なる場合があります。
また
健康的な生活習慣や
適切なケア
医療の進歩により
これらの変化を
緩和することも可能です。
◆ 五感が鈍くなる
のどの渇きや暑さに気づかずに
熱中症になってしまう
◆ 体力や免疫力の低下により
軽い風邪がなかなか
治らなかったりする
このような高齢者が多いのも
上記のような
身体の変化があるためです。
加齢による身体の変化は
徐々に起こるため
自分自身で
気が付かない場合があります。
本人が体調管理に気を付けることは
もちろんですが
周りの人に
注意深く見守ってもらえる環境を
作ることも大事です。
認知症とは
認知症については
以下にまとめております。
あわせて
お読みいただければと思います。
以下概要...
▢ 認知症
頭痛や腹痛などと同じく
病気の症状を表す言葉です。
▢ 認知症の原因
認知症になると
記憶や思考などの能力が低下して
今まで通りに
日常生活を送ることが
難しくなります。
高齢者でなくとも
認知症になる可能性はあるが
高齢になるほど発症する人が増え
現在では85歳以上の4割が
認知症といわれています。
認知症の原因としては
脳の神経細胞が死ぬことにより
脳が委縮していく
アルツハイマー病が有名だが
脳梗塞や脳出血などの
脳血管障害も
認知症の大きな原因のひとつです。
高齢期を生き生きと
元気で過ごすためには
脳血管障害を
引き起こさないように
よく身体を動かして
バランスの良い食事を摂るなど
生活習慣に気を付けて
過ごすことも大切です。
▢ 認知症の症状と備え
認知症になると様々な症状が現れます。
脳の神経細胞が傷つくことによって
その患者にも現れる中核症状として
以下が挙げられます。
早期発見が大切
認知症を完全に治す方法は
まだありませんが
治療によって進行を
遅らせることは可能です。
治療は早く行うほど
効率的といわれているため
早期発見・早期治療が
大切です。
認知症が発症したら
認知症の人を
家族だけで支えることは大変です。
認知症高齢者の増加に対応するため
認知症の人とその家族を
地域全体で支える仕組みが
広がってきています。
厚生労働省が推進する
認知症サポーター養成の取り組みも
そのひとつです。
また、認知症に関する講座や
電話相談などを実施する
自治体もあります。
この他にも
認知症の人とその家族の集まりや
認知症カフェなど
様々な場が提供されています。
それに参加することで
介護の苦労をわかり合える仲間ができ
医療情報や介護費用の助成金などの
情報も入りやすくなります。
健康に関して準備できること
健康情報の管理
高齢期には
▢ 複数の病気を抱えてしまう
▢ 飲んでいる薬が多くなる
など
日頃から薬や健康に関する
情報の管理が重要になります。
また、
▢ 病院で初めて診察を受けるとき
▢ 入院・手術の際
などのときのために
これまでの
▢ 病歴
▢ 入院・手術歴
▢ 服薬記録
▢ アレルギーの有無
▢ 持病など
多くの情報が求められます。
正しい治療のためにも
一度以下のように
整理しておきましょう。
▢ エンディングノート
自分の健康に関する情報を
書いておくことで
入院や手術の際に役立ちます。
▢ お薬手帳
処方された薬の内容が書いてある
お薬シールを必ず貼っておくことです。
入院セット
突然の入院に備えて
必要なものをまとめた
入院セットを準備しておきましょう。
これに「水」「簡易食料」「モバイルバッテリー」を加えれば
災害時の非常用の持ち出しグッズとしても役立ちます。
また
エンディングノートに
親しい人や支えてくれる人の
連絡先を書いておけば
入院中でも連絡ができて
便利かと思います。
かかりつけ医・かかりつけ薬局
▢ かかりつけ医
風邪などの
日常的な病気の治療や
健康管理をしてくれる
身近なお医者さんのことです。
症状に応じて
専門病院を紹介してくれます。
健康管理を把握している
主治医として
介護保険申請のときの意見書や
成年後見の申立てのときの
診断書を書いてもらうことができます。
▢ かかりつけ薬局
患者が飲んでいる
薬の状況を把握し
薬の飲み合わせのチェックなどを
してくれる薬局のことです。
自宅などで医療や介護を受けるには
患者が
▢ できる限り自宅で療養したい
▢ 自宅で最期を迎えたい
などと
考えている場合や
▢ 病院に長く入院させてもらえず
退院を促された場合など
在宅医療が選択肢となります。
重度の認知症の場合の
入院治療にあたっては
▢ 家族の付き添いが求められる
▢ 入院を断られる
などの事態が発生するため
なにが必要で
どのように準備すればよいかが
肝心となります。
自宅で治療を受ける
病院には医師や看護師がいて
リハビリができる設備など
医療や介護の助けが揃っています。
その病院を退院して
自宅で療養するためには
▢ 医療関係者
▢ 介護関係者
▢ 家族など
多くの支援や連携が欠かせません。
患者が自宅で医療を受けるためには
次のような手順が必要となります。
▢ 治療の方針を決めて医師に伝える
◆ 完治を目指して
副作用を伴うような
積極的な治療を行うのか
あるいは
◆ 苦痛を取り除く治療を
優先するのか
などの方針を
本人と家族がよく話し合って
医師に伝えておくことです。
▢ 介護保険の申請をする
高齢期の在宅医療には
医療と介護の連携が欠かせません。
介護サービスを受けるには
まず介護保険の申請をして
要介護認定を受ける必要があります。
介護サービスを上手に利用することで
介護する家族などの
心身の負担を軽くすることができます。
▢ ケアチームを作る
自宅で医療を受けるには
地域の医療や介護の専門家が
連携して患者を支える
ケアチームが必要になります。
一般的には
次のような人たちが
チームを作って
治療や介護にあたり
本人や家族を支えていきます。
▢ 最期の時のことも考えておく
在宅で医療を受けるにあたっては
終末期の医療のことも
考えておかねばならないことです。
高齢者住宅・施設で医療を受ける
ひとり暮らしなどのため
自宅での治療が難しい場合には
医療対応型の
高齢者住宅・施設へ入ることも
選択肢となります。
これらの施設等で受ける医療も
在宅医療となり
ケアマネージャーを中心に
専門家が連携して
医療や介護にあたります。
施設内でケアチームのシステムが
出来上がっているところを
選ぶことが理想です。
既に、高齢者住宅・施設で
生活している人の場合
その施設等で
どの程度まで医療を受けられるかは
施設等の方針によって異なります。
緩和ケア
重病や末期の疾患を持つ患者に対して
▢ 痛みや不快感の緩和
▢ 心理的なサポート
▢ 総合的なケアを提供する
医療の分野であり
患者の生活の質を向上させ
苦痛を軽減することに
焦点を当てています。
緩和ケアの主な目的は
患者とその家族が
生活の最後の期間を
尊厳を持って過ごせるように
支援することにあります。
治療と同時に行う緩和ケア
以前は
病気を治すためには
痛みやつらさがあっても
仕方がないと考えられており
緩和ケアは
積極的な治療をしなくなった
終末期の治療とみなされていました。
いまでは
痛みやつらさを軽くすることは
療養生活の質を高めることに
つながると考えられており
緩和ケアは治療と並行して
行われるようになっています。
しかし
医師や患者の中には
いまだに緩和ケアは
最後の手段であると
考えている人もいます。
がんなどの病気になったとき
早くから緩和ケアを受けたい場合は
医師と相談することが大切です。
終末期の緩和ケア病棟(ホスピス)
緩和ケア病棟には
主にがんで
余命宣告された患者が入院します。
▢ 治療は患者や家族と話し合いながら
痛みや呼吸困難などの
症状を和らげる治療を中心に
進められます。
▢ 本人だけでなく
家族の心のケアを含めた
総合的なサポートを行っていきます。
また
自宅等で緩和ケアを受けている患者が
痛みがひどいときなどに
緩和ケア病棟に短期間入院して
痛みをコントロールし
落ち着いたら自宅に戻るという
利用法もあります。
ホスピスは
患者が最期の時を家族や愛する人と
ともに快適に過ごせるようにすることを
目的としています。
ホスピスは
末期の疾患を持つ患者と
その家族の苦痛を
最小限にすることを
主な目的とするケアのプログラム
またその概念を意味します。
この時期ともなると
最期の意思表示が展開される頃です。
意思表示やコミュニケーションは
最大限求められる環境に
なっていきます。
事前準備については
しっかり確認しておきましょう。
終末期の医療について希望を伝える
終活において
自分らしい最期を迎える準備は
とても大切なことです。
最期をどう迎えたいかという
自分の意思を表す方法について
確認しておきましょう。
延命治療と尊厳死
▢ 延命治療
回復する見込みのない患者に
生命を維持、延長させるために
人工呼吸器などによる
呼吸機能の補助などを施すこと。
点滴や胃ろうなどによる
栄養補給を行うこともあります。
▢ 尊厳死
延命治療を施さないで
人としての尊厳を保って
死を迎えること。
延命治療を望まない場合には
エンディングノートに
書いておくことに加えて
次のような方法で
自分の希望を
確実に伝えることができます。
延命治療を受けないことを
宣言する方法
▢ 公証役場で
尊厳死宣言公正証書を作成
▢ 行政書士などの専門家に依頼して
尊厳死宣言書を作成してもらう
▢ 自分で尊厳死宣言書を書く
事前指示書
▢ 事前指示書
意思表示が出来なくなったときの
治療に対する希望を
細かく指示しておく書類のこと
意識がなくなった後に
自分の代わりに
治療方針の相談を受ける
代理人も指定することも可能です。
最近では
「医療に対する希望の調査」などとして
通院や入院時に
調査票を渡す医療機関も
増えてきました。
自分の意思を伝えておく
意識がなくなったときに
延命治療をするかどうかの判断は
自分では出来ません。
最終的には
家族など見守ってくれた人が
その決定をすることになります。
家族はどのような選択をしたとしても
「これでよかったのだろうか」と
悩むかもしれません。
また
その判断を巡って
家族や親族で意見が分かれ
思わぬ争いになることもあります。
家族や周りを悩ませないために
自分が延命治療を
望むのか望まないのかという希望を
伝えておくことは
とても大事なことです。
そのうえで
▢ エンディングノート
▢ 尊厳死宣言
▢ 事前指示書
などを残しておくと
より確実に意志が伝わります。
遺された人たちに
迷いと悩みが生じないよう
最期の決定は
しっかり遺しておきましょう。
臓器提供と献体
自分の死を
誰かのために
役立てる方法として
臓器提供や献体があります。
これらは
あらかじめ意思表示をして
自分が死んだのちに
家族や周りの人が
実行してくれるように
依頼しておく必要があります。
臓器提供とは
▢ 臓器提供
自分が脳死した後
あるいは心臓が停止した後で
病気で苦しむ人に
移植するために
臓器を提供すること。
提供できる臓器は
法律で定められています。
提供できる臓器は
それぞれ状態で異なります。
▢ 脳死後に提供できる臓器
◆ 心臓
◆ 肺
◆ 肝臓
◆ 腎臓
◆ 膵臓
◆ 小腸
◆ 眼球
▢ 心臓が停止した死後に
提供できる臓器
◆ 腎臓
◆ 膵臓
◆ 眼球
臓器提供の意思表示をする方法
自分の臓器を提供してもいいと
意思表示をする方法として
次のようなものがあります。
▢ 公益社団法人日本臓器移植ネットワークに
インターネットから
臓器提供意思を登録する
▢ 健康保険証や
運転免許証の
裏面の意思表示欄に記載する
▢ エンディングノートや
臓器提供意思表示カードに記載する
献体
▢ 献体
医学部や歯学部の
解剖学の教育や研究のために
自分の身体(遺体)を
提供すること。
実習が終わった後では火葬されて
遺骨は遺族のもとに戻されます。
献体として遺体を提供することは
医学の発展のために
とても有意義なことです。
申し込みを決めたら
希望の病院等に問い合わせて
申込書を取り寄せてください。
まとめ
【終活】といえば、
今回のような内容を
イメージされる方が
多いのではないでしょうか。
幅広い【終活】のテーマの中で
着地点であることは
間違いありません。
最期をイメージすることは
「生きている」からこそできること。
最期をイメージすることは
自分が今生きていることを実感する
ひとつの方法かもしれません。
生きているからこそ
未来について考えたり
人生の終わりについて
想いを巡らせたりすることができるのです。
このような考え方は
日々の生活や選択に対する意識を高め
より充実した人生を送るための
ヒントになることでしょう。
【️終活アドバイザーつよし】
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