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防災バッグ30と防災小説:中学探究授業 

中学1年生の3学期の探究授業(GL探究)の取り組み
テーマ:防災&震災学習
取り組み:
①防災バッグ30に1つ付け加えるなら何?
②そのアイテムで防災小説を書こう。
③販売会社の山善さんに案を送付&コメント

関連する取り組み:①学期 校外学習(人と未来防災センター)

本校は神戸にある。学校自体が阪神淡路大震災を経験している。そんな中で、防災意識を高め、震災のことを学んで欲しい。そんな目的の中で始めた取り組み。

最後には販売会社の山善様に案を送り、コメントを頂く。気分はまるで商品開発部門で、新しい商品を考えるようなもの。毎年、とても興味深い案がでてくる。今年度は、そこに防災小説をも考え、取り組んだ。

防災バッグ30とは?(山善HP)

では、生徒の作品紹介!

質問:上の防災バッグ30に1つ付けくわるなら何?
私の答えは、

著作権上からCanvaで編集(教員)、オリジナルはPPT

【ロープ】
 いつもと変わらない金曜日。家に帰り手を洗う。蛇口をひねった途端頭が真っ白になった。
「ガッシャーン!」まともに立てなくなり私は地面に崩れ落ちた。私はこの瞬間に悟った。地震だ。頭の中に真っ先に出てきたのは愛犬だ。急いでリビングに行くと私は衝撃を受けた。いろんなものがぐちゃぐちゃでガラスの破片や液体などが足に触れる。犬も鳴いている。急いで犬二匹を抱き上げて机の下に隠れた。地震がおさまった。私は犬を犬用の籠に入れ、防災バックを持ち外に出た。私は涙が出そうになった。今までずっと過ごしてきたこの町が一瞬で壊れてしまった。私は急いで家族との待ち合わせ場所の小学校に向かった。そこにつくと母がいた。私は安心して自然と涙を流した。私と母が抱き合っているすぐ横に小さい女の子とお母さんがいた。まだ小さかったため走ったりしてしまっている。そうだ。ロープを渡そう。そういえば前に防災バックにロープを入れていたのだ。私はその親子にカッターナイフで切ったロープを渡した。その親子はロープで繋がったまま2人で避難所に入っていった。私はホッとした。うれしくなった。その直後余震が起きた。みんなが悲鳴を上げた。4弱ほどだった。その30分後放送が鳴った。津波だ。非難しないと。山の上に登った。上から見る町は変わり果てていた。建物が崩れ落ち遠くからでもわかるほどの津波。高齢者の方が急な山を登れずにいた。私は近くにあった木にロープを結び高齢者の方に渡した。男性の方に頼みロープを持ちながら高齢者の方を押しあげてもらった。高齢者の方、そのご家族、周りの人から「ありがとう」という声をもらい防災バックにロープを入れていてよかったと思えた。普段からいつ地震が来てもいいように工夫することは自分のため、周りのためになると改めて感じた。

質問:上の防災バッグ30に1つ付けくわるなら何?
私の答えは、

著作権上からCanvaで編集(教員)、オリジナルはPPT

【浮き輪】
  いつも通りサッカーの練習をしていたら、「うわぁ!」地面が急にゆれて、自分はボールと一緒に地面にたたきつけられた。揺れが収まった瞬間、自分は家に飛び込んだ。母さんと父さんは無事。上に行ったら妹は机の下にうずくまっていた。犬を抱いて、妹と一階に駆け下りた。そして、家族で家の前の小学校に避難した。「・・・」「あん?」あっ。玲王。玲王ん家も避難してきたんだ。玲王は持っていた防災バッグの中から何かを取り出した。「これあげる。」「え?」浮き輪、ウキワ、うきわ。ん?「このバッグ役立つものが30個も入ってるんだけど、一つ追加してたんだ。使って。椅子代わりにも利用できるから。」あっ!なるほど。「玲王ありがとっ!」自分は家族の元に戻って「これ玲王からもらった。」と言うと母さんが浮き輪を膨らましてくれた。自分と妹は、そこに座って避難所でもらった晩ご飯を食べた。はぁ~。晩ご飯を終えた後、妹は、友達のところに行った。母さんと父さんは犬の世話をしている。自分も玲王のところに行ってたくさん話した。玲王は学校から家が少し遠いため、学校に来るまで結構大変だったらしい。崩れている家や、壁が倒れていて歩くのもやっとだったみたい。言い終わって玲王はペロッと舌を出した。何でそんな陽気なんだよっ!自分は少し顔をしかめた。
 玲王の話はこうだった。二階建てだった家の一階部分が潰れていたり、いつも通る通学路にひびが入っていたり、壁ががれきのように崩れていたりしたらしい。自分は、家の前がこの避難所だから街の様子はほとんど目に入っていなかった。陽気に話してくれたけど、きっとショックを隠しているんだなぁ。
 家族のいる場所に戻ると、妹と両親が浮き輪に頭を乗せて横になってくつろいでいた。なるほど、こういう使い方もできるんだ。こっちを見ている玲王も笑ってた。明日からにそなえてゆっくり休まなきゃ。そう思いながら、浮き輪に頭を乗せた。


【コメント】
小論文であるものを提案し、それに関係する小説を書く。担当の国語&美術の先生の案から始まったもの。2つを相関してみると、実際に起こる状況を想定しながら案を出しているのがよく分かる。

何より中学1年生でしっかりと小論文の型(序論本論結論)を押さえ、かつ防災小説で色んな感情を表現しながら文章を組みたてている。

入学1年で、ここまでPCを使いこなし、文章の書き方を学び、表現できるよう成長した生徒たちに感心。

今後もこの取り組みは続けていきたいと思います。

2023年3月11日 追記



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