この4月に教員になる人が今すべきこと
この記事は、この4月に大学を卒業して教員としてスタートする方に向けた内容です。基本的には新卒の大学生がメインになります。
本当に感謝
まずは本当にありがとうございます。
教員の志望者が年々減少する中で、あるいは教員の労働環境の悪さが露見しつつあるこのご時世に教員になろうと思った人、そして実際に一歩を踏み出した人には感謝の言葉しかありません。
私が勤務する私立の高校であっても教員不足のそれは変わらず、非常に深刻な問題です。
常に人手不足の中毎日の授業を回しているのは公私、校種を問いませんから。
準備しておくことは様々、一律には言えない
では今、あるいは4月の頭までに準備しておくことですが、これは学校や働き方に依る部分が大きいです。
ですから、一律にこれをすべき、なんて言えないのですよね。
それこそ、公私や校種、生徒層や地域性など様々ですから。
ただ、それを踏まえた上で、個人的に重要だと思うことを書いていきたいと思います。
準備すべきこと
労働法規をある程度頭に入れておく
銀行口座を複数準備する
積立NISAを口座開設まで済ませる
楽天モバイル or povo2.0で新規にスマホを契約する
教育系じゃない…
まず、初っ端から教育系じゃない、と思う方もいると思いますが、全く教育関係じゃない準備の話になります。
教育書を読め、教科書を読めといったアドバイスは多いのですが、おそらくは教員志望者でそれをしていない人は少ないのではないでしょうか。
それに、現場で仕事をすれば嫌でもすることになります。
仕事が始まると忙しくて読めない、なんて話も聞きますが、それならば今の時点で焦って読んで、詰め込んでも定着するわけがありません。
現場での経験を生かして読み直しをしなければ効果は薄いでしょうし。
ということで一つずつ順番に解説していきます。
1.労働法規をある程度頭に入れておく
現在、公立学校で問題になっているのが「給特法」の問題です。
教員志望者の方ならすでにご存知と思いますが、公立学校の教員は残業代が出ません。
また、これにより業務が際限なく増えるというサイクルが現在の労働問題となっています。
ネット上の様々な場所で説明があるので、そちらを参照してください。
ただ、重要なのは労働法規をしっかりと理解しておくことです。知っておけば、おかしいことにNOと言うことが出来ます。
性格的に難しい場合も、それがおかしいとわかっていれば別の道を選ぶためのきっかけにもなるでしょう。
ちなみに私学の場合は労働基準法がきちんと適用されます。しかし、悪質な学校の場合は残業代を全く支払わないまま長時間の残業を強いているようなケースもあるようです。
労働関係に関して、学校の先生達は疎い人が多いようですので、自分の身を守るという観点からもしっかりと読んでおく必要があると思います。
別にブラックな体制に今すぐ立ち向かいなさい、というわけではありません。
しかし、知識こそが自分を守る最も頼れる武器となると思います。
2.銀行口座を複数準備する
もうすでに、給与振込用の口座を一つは準備していると思いますが、出来る限りそれとは別に口座を作るべきです。
なぜならば、給与振込用の口座をそのまま普段から使うと全くお金が貯まらないからです。
特に新卒の場合はそれほど給与が高いわけではないので、別口座に自動送金をかけて、そちらを貯金用の口座とするなどの工夫をすると、数年で想像以上の金額が貯まります。
私の「20年前の自分に教えておきたいこと」の1位がこれですので、強く勧めます。
貯金用のお金を予め引いて、その残りで生活をする、というやり方を私は結婚後、妻から学びました。
もっと若いときからこれをしていれば…
最近はオンラインでの口座開設がスムーズですが、オンラインの場合には開設までに時間がかかります。逆に実店舗の場合は即日で開設できますが、その店舗まで行く手間がかかるので、時間のあるうちにしておくことをおすすめします。
(ちなみに、銀行口座は自宅もしくは勤め先の近隣の支店でないと開設できないことがあるのでまだ転居前の方は注意したほうがよいでしょう)
3.積立NISAを口座開設まで済ませる
積立NISAは非課税で株式投資を行える制度です。
制度そのものや口座開設に関しては金融関係に疎い方(おそらく多くの教員はそうなのだろうと思います)はすぐには理解できないと思います。
時間があるときにしっかりと調べて、口座開設と初期設定まで行っておけば、ある程度は放置できます。
2.と3.に共通しますが、金銭的に余裕があるといつでも教職を辞めることが出来ます。
教員はやりがいのある仕事ということを否定はしませんが、毎年多くの方が心や体を病んで現場を離れていきます。
金銭的なゆとりをもつことは、いつでも辞めれるという精神的な拠り所ともなるのではないでしょうか。
4.楽天モバイル or povo2.0で新規にスマホを契約する
残念ながら、学校の教員は携帯電話の支給がされません。そのため、学校からの連絡も個人の携帯電話に直接電話がかかってきます。
また、保護者や各種部活動団体などで連絡先を求められるケースもあり、この辺りの対応は自治体や学校法人で変わりますが、おそらく自分の携帯番号を全く非公開にすることはできません。
そこで、維持費が無料である楽天モバイルや AUのpovo2.0などに契約し、昔使っていた端末や、安く売っている中古のスマホ等にsimを指しておくことをおすすめします。
(MVNOの最安のプランなどでももちろん構わないのですが、維持費がかからないので楽天や povo2.0としています)
ちなみに中古のiphone7ならば1万円強で、外装などもかなりきれいなものが購入可能です。
サブ端末を1台持つだけで、プライベートの携帯電話に連絡があるという精神的に追い詰められる状況を避けることができます。
とにかく逃げ場を作っておこう
以上が私が考える「この4月に教員になる人」が今すべきこと4点です。
法律やお金のことなどは教員志望の人があまり興味や関心の無いことだと思います。だからこそ、あえて「教員になる人」向けにこれらを上げました。
生徒、教科指導のことはどうせ4月が始まれば嫌でも向き合うことになりますから。
正直なところ、初任者に私が望むのは「とにかく1年間を無事に終えて欲しい」ということだけです。
そのために、逃げ場をうまく作ることという観点からのアドバイスでもあります。
さて、参考となるかどうか…気になる人はお試しください。
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