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教育問題に関する私見と雑観

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私が書いた記事のうち、教育全般に関する個人的な意見などのものをまとめています。
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2022年1月の記事一覧

なぜ「うちの子は小(中)学校まで勉強ができた」のか。

なぜ「うちの子は小(中)学校まで勉強ができた」のか。

私が勤務する私立高校に勤務しています。私は主には大学受験をする生徒を担当しています。

今まで担任をしたクラスも基本的に進学クラスです。

その時に保護者面談などでよく聞くのが「うちの子は小(中)学校まではすごく勉強ができた」という言葉です。

特に成績が伸び悩んでいる生徒の保護者ほど、このことを感じることが多いようです。

受験の構造を知っている人にとっては自明のことなのですが、この事について書

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学習の「習慣化」とその方法

学習の「習慣化」とその方法

私は学校の教員として受験指導を行っています。
もちろん私達の授業での教科指導もある程度は学力向上に寄与しないわけではありませんが、実際のところ学力は本人の努力に依るところが大きいのが現実です。

そして学力向上において最も重要なのは学習の継続化です。高校入学時点から考えると、高校1年生には1000日もの時間があります。この莫大な時間をどうやって学習に振り分けるか。この期間、学習を継続できれば大きく

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学習もまた、守破離を旨とすべし。

学習もまた、守破離を旨とすべし。

「守破離」という言葉をご存知でしょうか。

​剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

出典 コトバンク デジタル大辞泉

もとは茶道の言葉で、芸事の類においてよく

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手抜きのすゝめ

手抜きのすゝめ

学校の教員をしていて、沢山の生徒の自主学習の様子を見てきました。

自学が効率よく進む生徒がいる一方で、あまりはかどらない生徒もいます。

その傾向というのは一概に言えるものではありませんが、上手く回せている生徒の特徴にある一定の傾向があります。

それは「あえて手を抜く場所を作る」上手さ、です。

受験勉強における自学というのは、非常に長いスパンで取り組むプロジェクトになります。それこそ年単位で

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