
Photo by
miki_japanese
学習もまた、守破離を旨とすべし。
「守破離」という言葉をご存知でしょうか。
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
出典 コトバンク デジタル大辞泉
もとは茶道の言葉で、芸事の類においてよく使われる表現です。
最初は師匠のやり方(=型)をしっかりとトレースし、とにかく真似る。
そのうち、自分なりのカスタマイズの必要性に行き着き、工夫して改善を行う。
改善点から逆に、最適化を行い全体の流れを再構成する。
私はこのように「守破離」という概念を捉えています。
そしてこれはあらゆる学習活動ににおいても共通する考え方であると思います。
まずは基礎基本の徹底的な定着。ここがいわば先人の型を習得する段階です。
しかし、残念なことに最近の教育においてはこの後の「破」や「離」を重視するシーンが増えています。
具体的な例を出すと、昨今、学校現場では「みんなで考えよう」式の授業が増えています。トピックに対してグループで話し合いをして考え方の指針を探そうという試みです。
この形式は一見すると勉強ができる生徒もできない生徒も一緒に参加している用に見えます。しかし、地に足をつけて考えるためには最低限の知識や演習量という土台が必要不可欠です。
また、型を意識して学習を行うことで学習活動をメタ化して、より高次の段階で思考することもできるのでは、と考えます。
普段の学習から、守破離を意識して改めて見直していきたいところです。