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大学入試/進路指導関連

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私が書いた入試や進路関係の記事のまとめ。九州の受験事情も。
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2022年11月の記事一覧

面接や志望理由書において見落としやすい「論理的整合性」

面接や志望理由書において見落としやすい「論理的整合性」

11月も後半に入り、大学入試では推薦、総合選抜型の試験が佳境を迎えています。

高校教員の多くは、推薦や総合選抜においての面接指導や志望理由書の指導を行っていることでしょう。

私もその例に漏れず、その手の指導が授業の合間に入っており、職業的な季節感ともなっています。

そうした指導においては、基本的には生徒が書いてきた原稿や素案に対し朱入れをしたり、文法的な誤りを指摘することが主になります。

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東工大の「女子枠」からアファーマティブアクションによる逆差別問題を考える

東工大の「女子枠」からアファーマティブアクションによる逆差別問題を考える

つい先日、東京医科歯科大学との統合が発表された東京工業大学が、今度は別の問題で話題になっています。

2024年度の入試から女子枠として、総合型や推薦型において女子枠を導入し、全体で10%強を女子枠を設定するというものです。

入試の概要以下は総合型の募集人員の一覧です。

理学院、工学院は男子は受験不可となっています。

また、もともと女子学生の志望者が少ない理学系や工学系の機械や電気を中心とし

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「共通テスト試作問題」公開

「共通テスト試作問題」公開

昨日、11月9日に共通テストの試作問題が公開されました。

私の担当する数学やそれ以外にも大きな変更点があり、かなり話題になっています。

数学Ⅰ・A数学Ⅰ・Aに関しては大きな変更点はなさそうです。

というのも、共通テストに名前が変わった2020年から時間が70分に延長、文章読解型の応用問題形式に変更しているため、今回の変更はそれほど無いように感じます。

ただ、整数が範囲から外れたことで選択問

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「大学全入時代」ではなく、「大学入試早期化時代」

「大学全入時代」ではなく、「大学入試早期化時代」

「大学全入時代」の到来が叫ばれて久しいですが、大学受験を間近に見る現場での感覚では全くそうした状況ではありません。

記事内でも河合塾の担当者が語る通り、受験者の希望の偏りを無視すればすでに全入させることは十分に可能でしょう。

「選ばなければ大学に入れる時代」が来たと結んでいます。

しかし、こうしたロジックは「独身男性と独身女性の数が等しいから選ばなければ誰でも結婚できる」といったものと同じレ

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