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【ほっこり読める小説】塩のサジ

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オリジナルの小説を書こう!と長年の夢を形にしました。「塩かげんのサジかげん」と題し、省略して「塩のサジ」。10分程度で読めるショートショートをベースに書き連ねていきます。まずは、…
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記事一覧

【短編】さようなら、殺人鬼

来留聡一郎の渇望 パンを食べるか、ごはんを食べるか。ここのごはんとは、ライスのことだ。ど…

塩かげん
2日前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【11】

第十一話・絡み合う蔦と崩れる壁 正美の母、重野英子は金策に追われていた。家じゅうの金品を…

塩かげん
10日前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【10】

第十話・中田陽子の小さな決意 秀一は陽子の待つコミュニケーションルームへと急いでいた。一…

塩かげん
12日前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【8】

第八話・不安というものの柔らかい輪郭五時を過ぎたが秀一はコミュニケーションルームに現れな…

塩かげん
2週間前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【7】

第七話・距離感のなかで数字を噛む 陽子は、昼間はビルの清掃、夜は学校とハードスケジュール…

塩かげん
2週間前
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【連載小説】フラグ<最終話/第六話>

CASE1:副島遥からの依頼<5> 俺はデュークにふたつ頼みごとをした。それは俺のフラグを育成…

塩かげん
2週間前
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【連載小説】フラグ<第五話>

CASE1:副島遥からの依頼<4> 大吉の妻、遥は一年前に大吉に殺されている。理由は殺し屋を辞めたい“退場”を遥が申し出たから。大吉は業界の依頼を請け、躊躇なく遥を殺害。これが真田さんの話だ。  遥は死んだはずだが、業界から派遣された替え玉の女が、遥として大吉の殺害を俺に依頼。理由は大吉が“退場”を申し出たから。大吉自身、殺して欲しいと言っている。妻への贖罪といえば陳腐だが理解しやすい。だが引っかかる。 【なぜ、大吉は見えてもいない死神デュークを見えているフリをしたのか】

パンとサーカスと、自転車に乗って【6】

第六話・祖母との鉢合わせと暗号 ノートに書き出している。ノートは腐るほどある。高校を辞め…

塩かげん
2週間前
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【連載小説】やさしい首<第1話>

第1話:汚名  楠木隆一郎は妻の富江と二人暮らしだ。息子三人は所帯を持ち、長男の真一には…

塩かげん
3週間前
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【連載小説】フラグ<第四話>

CASE1:副島遥からの依頼<3>依頼人の副島遥は一年前に死んでいる。死因は不明、司法解剖ナシ…

塩かげん
3週間前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【5】

第五話・日記とファイル名 英子は正美が三歳の頃離婚した。英子は正美が事故にあったのは、何…

塩かげん
3週間前
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【連載小説】フラグ<第三話>

CASE1:副島遥からの依頼<2> 事務所の一階にある喫茶店「あらかわ」。店の前には多肉植物が…

塩かげん
4週間前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【4】

第四話:思い出せない音を飲む  秀一が高校二年生になって高校を中退した頃、正美は病室には…

塩かげん
1か月前
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【連載小説】フラグ<第一話>

プロローグ:死神の少女と暗殺者 会社を辞めようといったのは、デュークからだった。辞めてどうするんだ?と訊いたら、独立するんだよ、とフリーランスの提案をしてきた。元妻に慰謝料は払いきったが、そんなあてもなく、フリーランスができるかよ、と突っぱねた。  神崎スガルはデュークの提案を一度は突っぱねたが悩んでいた。死神といってもアイツは給料なんて欲しがらないし、欲しいのは死ぬ予定の「フラグ」だけだ。頭の上にちょこんと旗が立っている。  まぁ、扶養するのは俺一人だし、アラフォー男一人