塩かげん

作家と名乗れば作家︱フリーランス︱ライター︱ディレクター︱編集者︱ウェブ・紙媒体多数︱著名人・タレント・経営者取材︱書くプロであり、読むプロであり、売るプロ︱通販カタログ元編集長︱猫2匹のいる自宅オフィス

塩かげん

作家と名乗れば作家︱フリーランス︱ライター︱ディレクター︱編集者︱ウェブ・紙媒体多数︱著名人・タレント・経営者取材︱書くプロであり、読むプロであり、売るプロ︱通販カタログ元編集長︱猫2匹のいる自宅オフィス

マガジン

  • 【ほっこり読める小説】塩のサジ

    オリジナルの小説を書こう!と長年の夢を形にしました。「塩かげんのサジかげん」と題し、省略して「塩のサジ」。10分程度で読めるショートショートをベースに書き連ねていきます。まずは、お時間ください。きっと満足していただけると思います。たぶん。

  • ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる

    ホームオフィス、平たく言うと、そりゃぁ自宅兼仕事場です。自宅を仕事場にしちゃった都合、うちの猫たちは“オフィスに住み着いている”ってことでもあります。昼間は僕と猫と原稿だけのじかん。誰とも話さずに仕事してると、猫たちにずっと話しかけています。すると、猫たちの「鳴き声、しぐさ、絡み方」で会話できてるような気が。そう、人間きぶんの猫2匹とフリーランスライターの僕との、なんてことない日常のおはなしです。どうぞよろしくお願いします。

  • 【完結】転職師リグレットは後悔させない

    各方面で勝手に連載小説を始めています。そのひとつ、転職師リグレットシリーズです。 【大まかなあらすじ】転職師リグレットはミニドラゴン・ガルフとともに、ある目的のために長い旅を重ねてきた。ガルフはドラゴンスレイヤーに転職しようとしたものの、当時未熟なリグレットの転職術により失敗。七つの龍の呪いがかけられてしまった。若干の責任を感じつつ、呪いを解くためにリグレットたちは解呪の旅に出たのだった。旅の途中で出会う、魔法剣士に憧れ夢を抱きすぎた戦士、カネもうけのために錬金術師への転職にあこがれる盗賊、アタッカーだからけのパーティーのバランスを考えずに侍に転職したがる僧侶など、転職失敗からの呪い必須な人たちとの出会い。転職とはいったい誰の為に、何のためにするのか?現代の転職スキルアップ社会にも当てはめて、クスリと笑えるような転職師の物語。

  • 【全16話・完結】蜘蛛の手を掴む

    立木陵介の妻、菜緒が失踪した。誘拐されているかもしれない。おそらく殺されている、菜緒を誘拐した方が。 菜緒は、日本国・諜報部・武威裁定Q課、通称ブサイクに所属する捜査員。あらゆる点において大きく権限委譲された組織であり、オカルト・サイコパス・テロあらゆる面倒な事案を解決することを目的としている。 銃の取り扱い、鍛え上げられた肉体、性別を超えた圧倒的な格闘術、犯罪者を察知する嗅覚、そして非情にして無情な残虐性。陵介の知らない菜緒が次々と明らかになっていく。 失踪したその日、神保町駅ビルでテロが発生。瓦礫の中に菜緒の左手が見つかる。その左手には、蜘蛛の巣のタトゥ―が。 菜緒とはいったい誰なのか?蜘蛛の巣のタトゥーが入った左手は?

  • 【全28話・完結】デバッグ・ワールド・レポート

    近くで戦闘勝利があるだけで経験値吸収。戦わずして最強になる見習い僧侶ジャンヌの成長物語。 オーガーやタイタン、サイクロプロス、ヘカトンケイレスなど巨人が治める隣国。その隣国と戦闘が絶えないウッドバルト王国に住むジャンヌ。まだ見習い僧兵としての彼は、祖父から譲り受けた「エクスペリエンスの指輪」により、100メートル以内で起こった戦闘勝利の経験値を吸収できるようになる。戦わずして、最強になるジャンヌ。いじめられっ子の彼が強さを手に入れていく。臆病なジャンヌが見習い僧兵から成長し、最後にはどんな姿になるのか?な第一章。 続く第二章からは、怒涛のミステリー展開。現実世界からの干渉が始まる!

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【エッセイ】本能寺の変と喜寿

 耳鼻科に行く機会が多い。朝から行ったり、夕方から行ったり。朝9時からの診察でも8時30分には受付をしていることもある。知らずに9時ピッタリに行くと、もう10人待ちぐらいのありさまだ。地元の耳鼻科はとにかく大盛況だ。  同じ耳鼻科にばかり行くのもなんだかねと、普段働かないポートフォリオ機能が脳内を暗躍。セカンドオピニオンシステムが作動した。ちょっと電車に乗って評判の耳鼻科へ。友人の紹介である。 9時診察開始の1時間も前に着いた。くぅ、近くの喫茶店で時間をつぶす。スポーツ新

    • 【短編】さようなら、殺人鬼

      来留聡一郎の渇望 パンを食べるか、ごはんを食べるか。ここのごはんとは、ライスのことだ。どっちを食べようが理由は後付けのようなもので、賞味期限が近いパンを、冷蔵庫に入ったままの冷えたごはんを、その程度のクソみたいな理由ぐらいで。確かに食べたいからという理由はないでもないが、理由にすらなっていない。理由というのは、動機だ。動機は渇望から生まれるものでなくてはならない。腹が減っている、これは渇望とは言えない。三日間何も食べていなくて空腹で、自分の指すら食ってしまいそうだ。舌が食える

      • パンとサーカスと、自転車に乗って【11】

        第十一話・絡み合う蔦と崩れる壁 正美の母、重野英子は金策に追われていた。家じゅうの金品を換金し、軽自動車も手放した。正美の入院費も虚偽申請により、保険金を保証額以上に受け取っていた。さすがに保険会社も無能ではない、英子は自身が勧誘する宗教団体の子会員、孫会員たちのなかに保険外交員がいないか入念に探した。それでは段取りが悪いと早々に気づき、保険の外交員たちが集まるセミナーに顔を出していた。ファイナンシャルプランナーの資格を持っていた英子は、いつしか自分でセミナーを開催し、保険外

        • パンとサーカスと、自転車に乗って【10】

          第十話・中田陽子の小さな決意 秀一は陽子の待つコミュニケーションルームへと急いでいた。一度すっぽかした、二度は無い。あの日、秀一が陽子との約束を守れず、夜学に一週間も行けなかったのは、シンプルな理由だった。シンプルすぎて、誰にも話す気がしなかった。入院していた正美が危篤状態だったからだ。正美の母英子から報せを受け、病院に駆け付けた時には正美は正美だったが、正美ではなかった。どんなに声をかけても、音楽を聞かせても、作った歌詞を歌ってみても、反応はなかった。一週間近く病院に通い詰

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        【エッセイ】本能寺の変と喜寿

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        • 【ほっこり読める小説】塩のサジ
          47本
        • ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる
          27本
        • 【完結】転職師リグレットは後悔させない
          4本
        • 【全16話・完結】蜘蛛の手を掴む
          16本
        • 【全28話・完結】デバッグ・ワールド・レポート
          28本
        • この映画アマプラで、観ましたけども(に改編)
          26本

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          パンとサーカスと、自転車に乗って【9】

          第九話・川村紗智の十五年前の記憶 川村紗智は、芽の出ない役者生活に見切りをつけるべく、退団届を劇団の主宰、合田に出した。かつては恋人の関係でもあったが、結局は合田が劇団員の若手俳優に手を出し、妊娠、結婚とお決まりのコースになったことで終止符を打った。身体だけの関係を継続しようと合田は紗智に頻繁に連絡を試みるも、紗智のガードは固かった。不倫はこりごりだからだ、紗智は過去の不倫で金銭的にも精神的にもダメージを負っていた。そして、それを十年以上経った今も引きずっていた。  合田は

          パンとサーカスと、自転車に乗って【9】

          パンとサーカスと、自転車に乗って【8】

          第八話・不安というものの柔らかい輪郭五時を過ぎたが秀一はコミュニケーションルームに現れなかった。陽子は授業が始まるギリギリまで待ってみたが、秀一から連絡もなかった。約束を忘れて教室にいるのかも、と陽子は思ったが教室にも秀一はいなかった。  出席を取る間、陽子は秀一にメッセージを送った。“今日はお休みですか?”シンプルに、かつ約束のことには触れずに。既読が付いたのは翌朝だった。  中田家の朝は早い、翔太が週に三度も一限の授業をとっているからだ。学校まで一時間半、地元の駅から京

          パンとサーカスと、自転車に乗って【8】

          パンとサーカスと、自転車に乗って【7】

          第七話・距離感のなかで数字を噛む 陽子は、昼間はビルの清掃、夜は学校とハードスケジュールを難なくこなしていた。学校より子育てのほうが肉体的にも精神的にもキツイ。息子が反抗期だったころは、いつもぶつかりすぎるから、もう一人の大人として対応しようと決めた。それが幸いした。放任主義とも違う、自由主義とも違う、もちろん過保護でもない、過干渉でもない。職場の大人と付き合うように、自分の都合だけで話をしない、そのルールだけを課した。するとうまくいった。  息子の翔太は今年の春大学を二回

          パンとサーカスと、自転車に乗って【7】

          書くことをやめない

          ひたすら小説を書く。もちろん仕事もしている。飽きっぽい性格なので、ひとつの話を書き始めたら別の話の続きを書き始めている。 合間に仕事をしている感じだ。僕の小説は誰にも認められてはいないので,便所の落書きと同じだ。お正月、へらへらとお酒を飲みながら今年は言い訳せずに生きよう。なぜなら51歳を迎える。51と言えばイチローだ。イチローと同い年でもある。イチローにとっての51歳ってのは何だろう、意味のある数字として考えているのかな。 ここでイチローの名言でも引用すれば、ほう、ナル

          書くことをやめない

          【連載小説】フラグ<最終話/第六話>

          CASE1:副島遥からの依頼<5> 俺はデュークにふたつ頼みごとをした。それは俺のフラグを育成することにつながる。死神への頼みごとは、早い話寿命と交換だ。デュークは快諾した。  頼みごとのひとつは、 ・副島夫妻の居場所を教えろというもの  もうひとつは、とっておきの秘策だ。俺のフラグ育成スピードが極端に早まるかもしれないとデュークは警告したが、俺は意に介さなかった。覚悟を決めている俺に、デュークはいつも支えてくれる。今回もそうだった。  デューク調べでわかった。副島夫妻は京都

          【連載小説】フラグ<最終話/第六話>

          【連載小説】フラグ<第五話>

          CASE1:副島遥からの依頼<4> 大吉の妻、遥は一年前に大吉に殺されている。理由は殺し屋を辞めたい“退場”を遥が申し出たから。大吉は業界の依頼を請け、躊躇なく遥を殺害。これが真田さんの話だ。  遥は死んだはずだが、業界から派遣された替え玉の女が、遥として大吉の殺害を俺に依頼。理由は大吉が“退場”を申し出たから。大吉自身、殺して欲しいと言っている。妻への贖罪といえば陳腐だが理解しやすい。だが引っかかる。 【なぜ、大吉は見えてもいない死神デュークを見えているフリをしたのか】

          【連載小説】フラグ<第五話>

          パンとサーカスと、自転車に乗って【6】

          第六話・祖母との鉢合わせと暗号 ノートに書き出している。ノートは腐るほどある。高校を辞めてしまったから。後悔はない。通信講座タイプの高校に編入することも咲江さんから勧められたが、正美のことを考えているとどうにも譲り受けた曲たちを形にせねばと思う気持ちが強くなった。そんなの高校の勉強しながらでもできるでしょうと咲江さんは言った。半ば根負けした形で、隣町の夜間に通うことにした。学校にはさまざまな経歴の人たちがいて驚いた。  母さんぐらいの年齢の人や、咲江さんぐらいのオバアサン、

          パンとサーカスと、自転車に乗って【6】

          【連載小説】やさしい首<第1話>

          第1話:汚名  楠木隆一郎は妻の富江と二人暮らしだ。息子三人は所帯を持ち、長男の真一には子ができた。孫だ、目に入れても痛くないと言うが、隆一郎も富江も孫のことをさほど可愛いと思ったことはない。人並みに孫の自慢話を老人会でするはするが、元左官屋の佐渡岡彰が我が孫を自慢してもさほど何も思わない。老人会仲間の元教師中本初枝は退職金やら株やら投資信託やらと、金回りの話ばかりしてくるが富江は何も思わない。  子どもも孫も、金もなにもかも楠木夫妻には関心ごとではなかった。このご時世目立

          【連載小説】やさしい首<第1話>

          【連載小説】フラグ<第四話>

          CASE1:副島遥からの依頼<3>依頼人の副島遥は一年前に死んでいる。死因は不明、司法解剖ナシ。明らかに、殺し屋にヤラレタバージョンだ。真田さんは俺の事務所にわざわざ来てくれた。独立祝いがてらということらしい。 「ねぇ、ここ、タバコ吸っていいの?」  真田さんは喫煙の確認をしながら、すでにタバコに火をつけていた。 「って、もう吸ってるじゃないですか」 「電子タバコってなんか味気なくて」  真田さんはショートホープをテーブルに置いた。俺はお気に入りのウェッジウッドのコーヒーソー

          【連載小説】フラグ<第四話>

          パンとサーカスと、自転車に乗って【5】

          第五話・日記とファイル名 英子は正美が三歳の頃離婚した。英子は正美が事故にあったのは、何か自分が憑き物に呪われているからではと悩んでいた。正美が五歳の頃にある集会に誘われた。友人がいない英子は、集会に参加した。地域ボランティアという名目だった。地元の子供たちを集めて、お楽しみ会をしたり、独居老人たちの話を聴いたり、地域の清掃活動も行っている団体だった。その団体が新興宗教だと気づいたのは正美だった。家じゅうのお金を浄化と称して献金する英子に、正美は抗うつもりで登校拒否になった。

          パンとサーカスと、自転車に乗って【5】

          【連載小説】フラグ<第三話>

          CASE1:副島遥からの依頼<2> 事務所の一階にある喫茶店「あらかわ」。店の前には多肉植物がずらりと並んでいる。まっすぐな枝みたいにしかみえない「カウボーイ」ってのが俺のお気に入りだ。多肉植物は人気があるらしく、店前に置いておくとよく盗まれるらしい。マスターの荒川さんが「身近に盗っ人がいるってことだろ」と不信感たっぷりの顔で珈琲を淹れていた。  盗っ人は、盗む人って書くからまぁ人なんだよな。殺し屋ってのは、屋だからな。店か?そんなことを考えながらマスターの話を聴いていた。

          【連載小説】フラグ<第三話>

          第28話・【最終話】ジャンヌ・ガーディクスの世界

           ウッドバルト学園での教育シーンはプログラミングされたものだが、NPCの呪縛から逃れたセイトンはいち早く生徒たちに「生」と「死」の概念について教えていた。ログデータの中から抽出されないようにと、いずきがアイソレーションエリアを設けて、制作陣営が干渉・読み込み・改変できないように設定していた。プログラマーたちも眠る、その隙を突くのはたやすかった。いずきが目指していたのはNPCの解放であり、ゲーム内での生をまっすぐに捉えるというものであった。  ウッドバルト魔法学院での道徳教育

          第28話・【最終話】ジャンヌ・ガーディクスの世界