【メンタルヘルス】過去や未来への注意が心身の不調を生み出すという話
どうもみなさん! 臨床心理士・公認心理師のはしくれのおくけんです!
今回は、「過去や未来への注意が心身の不調を生み出すという話」について解説をしていきます!
人は思った以上に過去や未来に注意が行き、今の体験を感じることができないのです。
それがどのように心身の不調と繋がるのか?
それでは、今日も行ってみましょう!!
今日の『読む処方箋』
人は過去と未来に意識が集中していることがほとんどだ。
脳科学では、このことを「脳のデフォルト状態」ということで「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼んでいる。
デフォルト・モード・ネットワークは「思考」に意識が向いている状態だ。
思考とは、とてもエネルギー食いで、脳の60%~80%のエネルギーを使う。
このエネルギーを使って人は創造的なものを創り出すことができる。
しかし、思考は僕らの命を守る為に、常にリスクを想定する。
つまり、必要以上にネガティブ思考をする傾向にある。
このネガティブ思考が反芻している状態がエスカレートすると「うつ状態」になる。
精神医学の領域では、このことを「反すう思考」という。
つまり、うつ病とはネガティブ思考が頭の中で反芻し、脳が過剰にエネルギーを消費してオーバーヒートしている状態なのだ。
脳のエネルギーの最大80%がネガティブ思考の生成に費やされている。
どう考えても疲弊する。
疲弊するのは脳だ。
脳が疲弊すると、身体が疲弊する。身体が疲弊するとメンタルが疲弊する。
心身が常に疲弊していると免疫力が低下する。
免疫力が低下すると、様々な心身の不調が出やすくなる。
だるさ、イライラ、憂うつ、腹痛、頭痛、腰痛などなど
様々な不定愁訴の大きな要因の1つとなる。
うつ病とは、心身両方に症状がある病なのだ。
これらの要因の1つは、最初に言った「デフォルト・モード・ネットワーク」だ。
デフォルト・モード・ネットワークとは過去・未来の思考に注意が集中していることだ。
このことを僕が実践している心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)では【「今、この瞬間」からの遊離】という。
以下は「心の非柔軟性」の図である。
①が【「今、この瞬間」からの遊離】だ。
今から離れると、美味しいものを食べても「美味しい」と感じないし、USJにいても過去や未来に注意が行き、「楽しい」と感じることが出来ない。
どんなに状況が改善しても、幸せに感じることができにくくなるのだ。
では、どうすればいいのか?
「過去や未来」ではなく、「今」に注意を向けるのだ。
これを、僕が実践している心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)では【「今、この瞬間」との接触」】(タップしてリンク先へ)という。
次回はこのことついてのお話をしていく。
今回はここまで! 次回もお楽しみに😊