竹内真二@くじらキャピタル

くじらキャピタル株式会社代表取締役。2018年4月、日本初となる中小企業向けDXバイアウトファンドを立ち上げ。横浜生まれ、47歳。https://www.quzilla.co.jp/

竹内真二@くじらキャピタル

くじらキャピタル株式会社代表取締役。2018年4月、日本初となる中小企業向けDXバイアウトファンドを立ち上げ。横浜生まれ、47歳。https://www.quzilla.co.jp/

マガジン

  • くじらキャピタル創業記:「人を幸せにする資本」への挑戦

    「人を幸せにする資本」「世界を素敵な会社で埋め尽くす」を理念に立ち上げた新しいバイアウトファンド、くじらキャピタル。創業理念や日々の戦いをリアルタイムに発信していきます。

最近の記事

あなたの未来には一切興味がない。興味があるのは過去だけ。

久しぶり、というか3年以上ぶりにnoteを更新します。 最後に更新してからチーム体制が少し変わりました。死の影の谷を、でんぐり返しか匍匐前進で進んで命運が尽きかけた中、神様のようなLP投資家様が現れ、望外のファンドレイズを果たし、投資も3件実行できるまでになりました。 世界一運のいい男だな、と本気で思っています。 あの頃は何一つ人様にお見せできるようなファンド実態がなくて、いわば投資家・投資先・従業員に対する三方詐欺を働いていたような、人生でも指折りの苦しい期間でした。

    • それは、デザインとは言わない。

      金融畑であった自分にとって、「デザイン」は最も縁遠い存在でした。 デザインに関する教育を受けることなく、投資銀行でキャリアをスタートさせた自分にとって、「デザイン」とはあくまで「意匠」であり、見てくれを整えること、表面を美しく仕上げることに過ぎず、日常業務に置き換えると、資料をキレイに仕上げること、会社指定のデザインテンプレートやカラースキームを丁寧に踏襲することとほぼ同義でした。 もちろん資料はビジュアル的に美しいだけではダメで、伝えるべきメッセージが分かりやすく整理さ

      • くじら.make、始めました。

        くじらキャピタルでは、2019年最初の取り組みとして、「くじら.make」という活動を開始しました。(原型は、こちらの取り組みです。) 「make」の名前が示す通り、新しいデジタルのサービスを、自分たち自身の手でガンガン作っていこうという取り組みです。 モットーは「Bias for creation」。 これは、行動指向や行動へのこだわりを意味する「Bias for action」(よく英文の経歴書やカバーレターに書かれている言葉ですね。自分は論じるだけではなく手を動か

        • 明けましておめでとうございます。

          旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました。 昨年4月に「人を幸せにする資本」「デジタル時代のバイアウトファンド」を旗印に当社くじらキャピタルを立ち上げ、渋谷・宮益坂上にささやかなオフィスを構えて早8か月。 多くの方々のご支援と新たな素晴らしいご縁に恵まれ、お陰様でチームは少しだけ大きくなり、事業も徐々に形になりつつあります。 また、ほとんど誰にも知られずに細々と書いていたnoteのうち、昨年11月に書いたなぜデジタル変革はファンドの仕事なのか?というポストが一

        マガジン

        • くじらキャピタル創業記:「人を幸せにする資本」への挑戦
          38本

        記事

          なぜデジタル変革はファンドの仕事なのか?

          くじらキャピタルは、苦戦中の中堅中小企業の経営権を預かり、その再生・再成長を支援するファンドです。そして、その再生・再成長実現の中心的手段として「デジタル」を掲げている日本で唯一のバイアウトファンドであると自負しています。 なぜ、我々くじらキャピタルは、ファンドという立ち位置で中堅中小企業のデジタル変革のお手伝いをやろうと考えたのか。 理由は大きく2つあります。 理由1)デジタル変革は経営マターであり、その主導には全権を有する株主が最も適したポジションにあることデジタル

          なぜデジタル変革はファンドの仕事なのか?

          業績が改善しないのは、管理が不十分だから?

          業績が低迷を始めると、多くの会社が、コスト削減に加え、管理の強化に取り組み始めます。 例えば、メーカーであれば調達部門の管理を強化し、原価の引き下げに取り組むでしょう。標準調達価格を引き下げたり、相見積もり必須とする商材の範囲や金額の閾値を変えたり、承認権限者のレイヤーを上げたり、購買プロセスを厳格化するための新たな仕組みやルールが導入されるはずです。 場合によっては、そのための承認ツールが導入されることもあるでしょう。 購買プロセスは煩雑化・長期化しますが、規律と抑止

          業績が改善しないのは、管理が不十分だから?

          なぜ、あなたの会社は変われないのか?

          とある投資候補先の経営幹部から、「なんでうちの会社って、変われないんですかね?」と愚痴めいた相談を受けました。「もう何年も前から危機的状況にあるのに、経営陣は内輪揉めと小出しのリストラばかりで・・・」と。 自分の答えは、いつも同じです。 会社が変わらないのは、経営トップが「変える」という決断をしていないからですよ、と。 「変える決断をしていない」というのはどういう意味でしょうか。自分は、いつもこう答えています。 経営トップの決断が、具体的な理由・経験に基づいていない。

          なぜ、あなたの会社は変われないのか?

          「まず、作ってみる」重要性

          くじらキャピタルでは、デジタルでの事業再生を実現するため、新しいWEBサービスやアプリを「まず、作ってみる」ことを最重要視しています。 デジタルプロダクトの最大のメリットの1つは、すぐに作れ、修正しながら完成度を高められること。 事前にきっちり仕様や要件を固めてから動こうとすると、どんどん些末な論点に入り込む上に工数もかさむので、時間がかかる割に顧客体験軸での議論が放置されがちです。これでは、ちゃちゃっと作れるデジタルのメリットを活かしきれず、非常にもったいない。 「自

          「まず、作ってみる」重要性

          デジタルで小売は再生できるか(2/2)

          (前回の続き) ■出店者がリアルタイムで商品価格を変更できる機能もある。これによりキャンペーンの内容やフェーズに応じて価格を変えたり、正式発売前にリアル店舗での価格弾力性を試すこともできる。この実験機能は出店者に非常に好評で、これだけを試したいというブランドもあるくらい。 ■オンラインからオフラインへの送客効果測定は、大きな課題。その逆も然り。これは認めざるを得ない。プロモーションコードなどを使ったキャンペーンメールなど、従来型の仕組みに頼っているのが現実。 (竹内コメ

          デジタルで小売は再生できるか(2/2)

          デジタルで小売は再生できるか(1/2)

          NYで、今話題のb8ta(ベータ)の店舗を視察してきました。 日本でもアメリカでも小売業界は死屍累々で、アメリカでは今年に入ってからだけでもNine West, Claire's, Rockport, The Walking Company, Brookstoneなどが法的整理手続きに入り、さらにJ. CrewやNeiman Marcusの破綻も公然と噂されています。 いくら小売業の新陳代謝が激しいアメリカといえども、ここ数年の破綻数は異常です。特に、空前の好景気の最中に

          デジタルで小売は再生できるか(1/2)

          捨てる勇気

          「断つを決める」と書いて「決断」。経営に限りませんが、どんなことであれ成果を上げようとするのであれば、「やらないこと」を決めるのが最初の一歩になります。 成果のためにどこまで犠牲を払えるのか、何を捨てるのかを決めて腹をくくり、批判されてもぶれずに実際にそれを捨てきれば、大抵のことは実現できます。 経営でいうならば、例えば「利益率の低い売上ブロック」をどうするか、という問題がその典型例。 この点、「Dilutiveな(全体利益率が下がる)売上など意味がないから不要である、

          トップラインを上げるファンドでありたい

          くじらキャピタルは事業再生ファンドです。 経営不振に陥っている企業の過半数持分を取得し、事業を立て直し、上場または次の株主にお譲りすることで投下資本を回収し、LP投資家様にリターンをお返しする--。この点では他のバイアウトファンドと何ら変わりはありません。 くじらが他のバイアウトファンドと違うとすれば、継続的なトップライン(売上高)成長に強いこだわりを持っていること、そしてそれをデジタルxグローバルという軸で実現しようとしていること、でしょう。 バランスシートを最適化し

          トップラインを上げるファンドでありたい

          デジタルで、事業を作り替える

          くじらキャピタルは、「デジタルに精通した支配株主」として投資先企業のデジタル変革を牽引しますが、単に既存事業の顧客接点とバックオフィス業務を端から端までデジタル化するだけにとどまらず、「デジタルで事業を作り替える」ことにも取り組みます。 いわば、デジタルを使った事業のピボットです。 一般消費者、特に若い消費者の嗜好がモノの「所有」から「シェア」にシフトすることに伴い、顧客接点も「一過性の売買 + 散発的なアフターフォロー」から「反復継続的な提案・関与」に変わっていきます。

          デジタルで、事業を作り替える

          離職率を半減させた話

          とある会社の社長に就任した時、離職率を2年で半減させることができました。 理由についてのアンケートを取った訳ではないので断言はできませんが、多くの従業員と話した感覚でいうと、下記が大きく寄与したのではないかと考えています。 1)業績改善によりボーナスが大幅UPしたこと 2)実質的に凍結されていた昇給・昇格も復活し、給与水準が全体的に上昇基調になったこと 3)トップライン(売上高)急成長に伴う新卒・中途社員の大量採用により、部下や後輩が増えたこと(自分が面接・採用した多

          最初からグローバル(2/2)

          前回はこちら 「最初からグローバル」が成長に不可欠なことは、多くのデータが示すところです。 輸出で飯を食ってきたと自負している多くの日本人にとって、特に衝撃的なデータがあります。 日本の1人当たりの輸出額は世界44位(4914ドル、2015年)に過ぎず、シンガポールや香港の14分の1、台湾や韓国の半分にも満たない、という事実です。(「新・所得倍増論」デービッド・アトキンソン) 急激に人口が減っているとはいえまだ国内市場がそれなり大きいこと、EU諸国のような自由貿易圏に

          最初からグローバル(2/2)

          最初からグローバル(1/2)

          「100%デジタル」と並ぶ、くじらキャピタルのもう1つの再建理念が「最初からグローバル」です。 これは、最初からグローバルな顧客と投資家を想定し、そこから逆算して事業設計をすることで、国内市場の制約を超えた価値創造と成長を実現しよう、という考えです。 人口が激減し内需が縮小していく国内市場に頼っていては、衰退と破綻は避けられないので: 製造業であれば海外市場への輸出、あるいは海外生産・販売拠点の設置。 立地の制約がある商売であれば積極的かつ真っ当なインバウンド対応。

          最初からグローバル(1/2)