「青い数珠を持った老女」(2622文字)
これはとある住宅街での話。
私が長期間の水道工事の警備員( 正しくは交通誘導警備員というが、ややこしいので、警備員とする )としてを配置されたときのことである。
その住宅街は小さな山を切り開いて作られており、そのせいで緩急様々な坂で囲まれている。
こういう住宅街ではわりとよく、その一角に小さな墓地があったりする。
おそらく、昔からそこに住んでいた人の墓地。
夜深くともあれば、不気味に映るかもしれない光景も、日中明るいところで見る分にはなんということはない。
ある同僚は「落ち着