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禅の教え

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「生きづらさ」や「苦しみ」を感じている人へ。 禅語や、禅の考え方から学んだことを自分なりに書いています。 あくまで私なりの考えですが、禅の教えに触れることで、「こだわらない」生…
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記事一覧

禅語6 無事是貴人(ぶじこれきにん)

すべての人は、仏と同じ純粋な心をもともと備えている。だから、自分の外にあるものを求めなくていい。それよりも自分が本来持つ純粋な心を掘り起こしてほしい。
ここの「無事」とは、あれこれ取り計らわないことをいいます。自然体の心こそが「貴人」です

足ることを知る

足ることを知る

中国前漢の時代、劉向(りゅうきょう、前77~前6)という大学者が著した書に、『説苑(ぜいえん)』という書物があります。その中に、

「富は足ることを知るに在り」

という言葉があります。これは文字通りの意味で、「真の富は財宝のたぐいを得ることではない。満足するところを知ることである」というものです。

僕はこの言葉を読んだとき、すぐに京都龍安寺にある「知足の蹲(つくばい)」を思い出しました。これは

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禅語5 曹源一滴水

禅語5 曹源一滴水

曹源一滴水(そうげんのいってきすい)

唐の時代の中国に、慧能(えのう)禅師(638〜713)という方がいました。
慧能禅師の教えは、やがて多くの禅師たちにうけつがれ、それは海を越えて日本へ。今の日本でも禅の宗派として名高い臨済宗・曹洞宗も、もとをたどれば慧能禅師までさかのぼることができます。

慧能禅師は、曹渓という川の上流に住んでいました。
川というものは、どんな大河であっても、最初は一滴の水

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「本来無一物」に学んだ生き方

「本来無一物」に学んだ生き方

今回は、数ある禅語・仏語の中で特に僕が好きな「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」という言葉について書きたいと思います。これは、僕の価値観の大黒柱ともいえます。

僕は、決して仏教や禅については専門家ではないので、自分が書いたことを決して「正しい」などとは考えません。しかし、この言葉について自分なりに思うところがあり、また、この言葉に出会ったことで僕は仏教が好きになったとも言えます。

もともと何も

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禅語3
喫茶去(きっさこ)

これは有名なことばだと思います。「お茶でも召し上がれ」という意味で使われます

大事なのは、「無心」でもてなしをすること。

相手のことが好きだからもてなすのではない、自分をよくみせたいからもてなすのではない

相手の状況に関係なくお茶を出すのです

禅語2
花枝おのづから短長

同じ木であっても枝の長さはそれぞれ違う。けれど、それが木全体の美しさを作る。

人間はみな、同じ地球の上で生きている。けれど、それぞれに違いがある。その個性こそが世界を豊かに調和させる。

個性を尊重することが自然の摂理に通じていると教えてくれる

禅語
「両忘」
「白」か「黒」か、「善い」か「悪い」か…
人の脳には、グレーゾーンを無視して二つの枠に当てはめようとする癖があるようです。
もちろん、人間何をしてもいいというわけではない。それでも、「枠」の存在に気付いて一旦捨ててみたなら、他人や自分を傷つける理由はなくなります