マガジンのカバー画像

SF的映画レビュー

116
ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
運営しているクリエイター

#映画

ドアン!?なぜ!?【 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 】(2022)

[注意:本文はネタバレを含みます] ドアン!?何故!?そんな当時のアニメでも相当異色の一本。本筋から離れたアムロが1人の戦士と心を通わせるエピソードの一つなのですが、まぁドアンの乗ったザクが投げた岩でミサイルを撃ち落としたり正拳突きでザクを倒したり、細長かったりでネタ扱いを受ける可哀想な一本です。そんなお話がなんと安彦良和の目に止まりました。何故。 どうやら漫画版オリジンでも扱われていないお話らしく、本筋からも影響が出ないし一本の映画を作る上で扱いやすかったのかもしれません

ゲェッ!乳首が三つ!【 007 黄金銃を持つ男 】(1974)

シリーズ随一の変なボンド映画ボンドに殺人予告をしたのは謎の殺し屋フランシスコ・スカラマンガ!殺されちゃたまらん!こうなりゃ返り討ちだ! まぁそんな歴代007映画のワーストを飾る事の多い本作ですが、改めて見るとこれが面白楽しい。 本作は変な映画です。しょっぱなからサイケな殺し屋バトル、そして謎の憎たらしい小男ニック・ナック。 そこからのボンドのアジア珍道中は山あり女あり力士ありで見応えたっぷり。バンコクでボンドが力士に苦しめられるんだから最高ですよ。なにも考えない方が良いです

この約束がマンだね!【 シン・ウルトラマン 】(2022)

シン・ゴジラから6年、ついに来たシン・ウルトラマン。 なんだかんだ個人的な思い入れはウルトラマンの方が深い。30分の中で始まるSFと人間ドラマ。子供向けと舐めたらそのテーマの深さに一日中考えさせられる作りには驚いてばかりである。そして今回満を持して庵野&樋口のコンビがウルトラマンに殴り込んできた。 少々不安も合ったが初日に見に行くのは我々の責務だ。見届けてやらねば。 そもそもが30分程度のSF特撮番組なだけあって、一体どんな「映画」になるかわからなかったが、出来上がったモノ

キングスマン誕生の物語へ【 キングスマン: ファースト・エージェント 】(2021)

[注意:本文はネタバレを含みます] 前日譚!ゼロ!それは飛ばしすぎた2作目をリセットするには良い口実だ。前作「キングスマン ゴールデンサークル」も嫌いじゃないけど、あの駄菓子はなんともクドすぎた。 そんな訳で今回はキングスマン誕生の物語へ。 舞台は20世紀初頭!日本人にはいささか馴染みのない第一次世界大戦真っ只中。英国崩壊を狙う魔の手からあの体たらくのM…ではなく、英国貴族オーランド・オックスフォード(レイフ・ファインズ)が仲間と共に頑張るスパイなストーリー。そして本作はレ

コングさんの頂上決戦!!!【 ゴジラvsコング 】(2021)

そりゃコングさんが勝つに決まってんだろ! 根拠はないけどあのコングさんだぞ![注意:本文はネタバレを含みます] ついに来てしまったモンスターバースの4部作目。 この頂上決戦の前では今までの映画は全て本作のためのお膳立てな気がしてくるくらいだ。 でも序盤から相変わらず人間サイドのお話がやっぱり退屈…。 そんな長〜い伴奏からのゴジラ対コングの初戦はまさかのTVエヴァの「アスカ、来日」(絵コンテ:樋口真嗣)チックな船上での豪快バトル!かっけー!船から船に飛び乗っての熱いバトルは

ドタバタ人類滅亡劇【 2012 】 (2009)

[注意:本文はネタバレを含みます] いやいや、もっと深刻で絶望的な崩壊黙示録ムービーだと思っていたんですよ…。でもあの生粋の花火職人であるローランド・エメリッヒ監督が辛気くさいスピルバーグの宇宙戦争みたいな事をする訳がなく、出てきたのは全力でエンタメしちゃってるおもしろムービーでした。 いやいやダニー・グローバーが大統領の時点で気づくべきでした。確実にこの映画を作っている本人達が一番この予言を鼻で笑っています。 そんな2009年というCG映画全盛期に出てきたこの映画、崩壊

Go!Go!ジェットジャガー! 【 ゴジラ対メガロ 】(1973)

[注意:本文はネタバレを含みます] 2021年4月から放送されたアニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」でなにかと話題の電子ロボット「ジェットジャガー」。そんな彼の原点を知る為に視聴。 まぁこんな見た目の奴が登場する時点で相当キてるゴジラ作品と覚悟していましたが、案外退屈せずに楽しく見る事が出来ました。 というか個人的には平成ゴジラより、ユルい昭和の方が好みなんですよね。 初っぱなから核実験で初っぱなからお顔がシリーズの中でもかなり可愛いゴジラが登場。もう深刻な訳

キアヌ X サイバーパンク【 JM 】(1995)

サイバーパンク!それは一時期廃れたムーブメントだったが、巷では今またゲーム「Cyber punk2077」などでスポットが当たっている。 そして本作は以前から僕もレンタルビデオ屋でパッケージは見ており存在は知っていたが、キアヌと北野武の惹かれないツーショットとネット上の評判の悪さでずっとスルーして来た映画だ。 けれど昨今、サイバーパンクな映画として本作が紹介されていたので今回見る事にした。 これが見るとどうですか!今僕が求めていたサイバーパンク観にビシっとハマるじゃないです

IMAXは鳥肌モノ【 AKIRA 】(1988)

今回IMAX版が上映されたので改めて見てみました。 いやいや、2020年にマジで東京オリンピックが開催される時期に本作を上映するなんて粋な事をしてくれますね。延期しちゃいましたが…。 まぁこちらの世界はオリンピックどころか開催地がまるごと崩壊する話。 そして実は僕この映画版の話をほぼ覚えていなかったので、改めて新鮮に見る事で来ました。 そして本作はやっぱりカッコいい。 AKIRAのタイトルロゴがバーン!と出る始まりからもう痺れますし、金田対クラウンのバイクバトルも鳥肌たちっ

俺の上司はアンドロイド【デンジャー・ゾーン】(2021)

注:本記事はネタバレを含みます。 予告でビシッと出てきたのはなんともメカメカしいロボット戦士!時は2038年、戦争は変わってこんなロボ戦士が主流なのか!一体どんな戦争映画なんだ!?とワクワクしていたら、そのメカメカしい連中も実はもう時代遅れで、今や人間と瓜二つのロボット戦士が最前線。でもそれってターミネーターじゃん! 核ミサイル発射の危機が迫り、画面の前だけで戦ってきたドローンパイロットと最前線に立つ無敵のメカ戦士との核攻撃を阻止するための二人だけのバディ任務が今始まる。

知ってるようで知らない音響世界!【 ようこそ映画音響の世界へ 】(2020)

録音、効果音、音楽。知ってるようでまるで知らない映画音響の世界。 本作はそんな映画と音響の歴史、そして役割を教えてくれるドキュメンタリーだ。 音響の重要性を語るルーカス、コッポラ、リンチ、ノーランと名のある名監督達と陰に隠れていた音響技師達の努力が見えてくる。 ジャズシンガーから市民ケーン、アラビアのロレンスからスターウォーズ、地獄の黙示録、ジュラシックパークにトイストーリーやインセプショなど名画たちを見ながら追っていく音響の歴史はとにかく楽しい。 いやいや、出てくる映画が

純度120%のキング映画【 地獄のデビル・トラック 】(1986)

ついにキング自らメガホンを取る!そんなスティーブン・キング原作のスティーブン・キング脚本のスティーブン・キング監督による純度120%のキング映画が本作『地獄のデビル・トラック』だ。 数々のキング映画がある中、ついに原作者本人がメガホンを取るのだからさぞかし凄いホラー作品になるのかと思いきや…う〜ん、怖くない。 罪なき人が自動販売機から勢い良く発射される缶で股間を攻撃されて理不尽に死ぬっぽいけど緊迫感は0。 他にもちょっとショッキングなシーンはあるけれど全く恐ろしくない…まぁ

ガッツリ系SFアクションお子様ランチ 【 ネメシス 】(1992)

最近アニメの見すぎでレンタル洋画を見ていない僕の前に現れたのは、TUTAYAのシブい映画セレクション『発掘良品』のシールが貼られたアクション映画。このシリーズは大作ではないけれどなんだかんだでいい映画が多いんですよね。まぁこんなパッケージ見せられたら借りない訳にはいかないじゃないですか。 サイボーグ美女軍団、二丁拳銃にアタッチメントが付きまくった銃、登場人物はほぼ全員サングラス、主人公はロングコートと初っぱなから飛ばす本作はカルビとステーキとしょうが焼きにラーメンまで付いた

新感覚パトレイバー【 4DX 機動警察パトレイバー 劇場版 】(2020)

なんだかんだその料金の高額さから登場して日が経つのに未だに体験していなかった4DX。 しかしそんな自分にも観念する時が来た。僕の最も好きなアニメの超名作な劇場版をやるのだから見に行くしかない。新型コロナの影響で公開が延期されていたが無事札幌でも上映されたのは嬉しい限りだ。 そんな揺れやフラッシュ、風、水しぶきなどの演出を加えてくれる4DXで名作 劇場版 機動警察パトレイバーがどのようになるかと思ったら、これがまさに親和性の塊のような体験! アバンタイトルの軍用レイバー暴走シ