見出し画像

この約束がマンだね!【 シン・ウルトラマン 】(2022)

シン・ゴジラから6年、ついに来たシン・ウルトラマン。
なんだかんだ個人的な思い入れはウルトラマンの方が深い。30分の中で始まるSFと人間ドラマ。子供向けと舐めたらそのテーマの深さに一日中考えさせられる作りには驚いてばかりである。そして今回満を持して庵野&樋口のコンビがウルトラマンに殴り込んできた。
少々不安も合ったが初日に見に行くのは我々の責務だ。見届けてやらねば。

そもそもが30分程度のSF特撮番組なだけあって、一体どんな「映画」になるかわからなかったが、出来上がったモノを見たら、お話の転換が自然で一件落着と更なるピンチが楽しかった。シンゴジラのシリアスな雰囲気とは違って、ちょっと抜けたユルい雰囲気も非常にらしさがあって嬉しい。

しかも話のディテールはオリジナルの雰囲気を保持しつつ「これは厄介な事になったな」と思わせる緊張感がまた上手い。メフィラスの件も怖いぞ。
にしてもお話のアレンジも意外性もありつつ、偽ウルトラマンに巨大な隊員、戦闘をやめるメフィラス星人にゼットンに勝つ人類、そして実相寺アングルといったオリジナルの肝心な部分は裏切らないのがとても嬉しい。
特にイデ隊員的役割を持つ隊員がしっかり自暴自棄になってくれた。このドラマこそウルトラマンだと僕は思うんだ。

小ネタも嬉しくウルトラQの怪獣が最初からドッ出てくるのには笑っちゃいました。(どうせだったらバルンガも出して欲しかった。)
最後の強敵もまさかの理由が面白くも恐ろしい。というかマルチバースは免罪符か何かなのか。
そして目玉であるバトルアクションシーンも素晴らしい。しかも結構たっぷり見せてくれるので満足ですよ。対ザラブ戦の都内のビル街の戦いも相当な大惨事だけど面白い!こりゃ劇場映えするぞ!

ただゾフィーの声が山ちゃんというのがなんとも山ちゃんで山ちゃんなのが山ちゃんだった。もっと得体の知れない声の方が個人的には嬉しかった。
それと映画としてゴージャスにするためにシン・ゴジラ同様ほぼCGを使っているため特撮模型といったものは使われていないのでその点ではちょっと寂しさを感じる。しかし見せ方はとても特撮チックなので嬉しいけどね!愛はある!

最後にまぁ「詰め込みすぎじゃね!?」って思うくらいの濃密な2時間でした。しかし足りない!バルタン星人に体を乗っ取られる長澤まさみとか、子供に石を投げられるウルトラマンとか!いろいろ彼らの活躍をもっと見たかった!
きっと彼もハヤタ同様記憶はない。
一番の主人公が記憶も力も全てを失う喪失感もウルトラマンな気がしなくもないが、ここは一つハッピーエンドでいっか。

あと盟友をスタッフロールの最後に持っていく庵野秀明の友情はいいもんですね。 


DATA

シン・ウルトラマン
公開年:2022年5月13日
製作国:日本
上映時間:113分
監督:樋口真嗣



いいなと思ったら応援しよう!

【ゲーム感想】えすえふ
映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん