ドタバタ人類滅亡劇【 2012 】 (2009)
[注意:本文はネタバレを含みます]
いやいや、もっと深刻で絶望的な崩壊黙示録ムービーだと思っていたんですよ…。でもあの生粋の花火職人であるローランド・エメリッヒ監督が辛気くさいスピルバーグの宇宙戦争みたいな事をする訳がなく、出てきたのは全力でエンタメしちゃってるおもしろムービーでした。
いやいやダニー・グローバーが大統領の時点で気づくべきでした。確実にこの映画を作っている本人達が一番この予言を鼻で笑っています。
そんな2009年というCG映画全盛期に出てきたこの映画、崩壊の予兆まではかなり退屈ですが、崩壊したらもう最高ですよ。
CG映画だからこそ出来る、CGだから見れた、CGの全力をこれでもかと見せつけられる超派手な地盤大崩壊。
カッコ良く飛び出して爆発する地下鉄、派手にガラスをまき散らして崩れて行くビル、転がるデカいドーナツもう人間の力ではどうしようもない圧倒的パワーな地殻変動がとにかく絶望的で楽しく面白く描かれています。
更にどんなピンチでも小気味良く挟むしょーもないギャグがまた最高です。おかげでもう人の命が軽いのなんの。主演の雰囲気がニコラス・ケイジっぽい人もなんとも軽くて良いですね。もうどこまでも何もかも軽いです。
ですがラストのどうみても二年で完成するわけないカッコいいけどポンコツな箱船のすったもんだは正直スケールが小さすぎて退屈でした。いや、お前ら家族が悪いし、そもそもそういうのじゃないんだよ!
そんな最後の最後まで本作の大変な事が起きているにも関わらず、雰囲気は空気より軽いヘリウムのように軽くて、「あ〜これからも人間は争い続けるんだろうな〜」とかポップコーンとコーラを両手に持ちながらテキトーに1ミリくらい思わせてくれます。
そんなこんなで本作はとても視覚的に楽しめる良いエメ映画でした。
問題提起をしているようで、実は作っている本人達が一番そんな事どうでもいいと思ってそうな映画を見たい時はこの本作がオススメです!
あと灰まみれになるダニー・グローバー大統領のシーンは確実にプレデター2のオマージュですよ絶対!
DATA
2012
公開年:2009年
製作国:アメリカ
上映時間:158分
監督:ローランド・エメリッヒ
関連記事
(ディザスターものはバカ映画にかぎる)