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10年経てば,武勇伝になります

私の失敗談です
ある意味,教師修業の原点の日かもしれません
なんだかクラスがうまくいかないなあ,とか,
授業が下手だなあと感じた方,
こんな人もいるのか……って,感じで,お読みください

28分間の沈黙

わたしが,教師経験7年目の時……
そこそこの学級力のあるクラスをつくっているなあと感じながら,
私自身,楽しく学校生活を送っていました
授業に対しても,うまくなりたいとの一心から,市の公的な研究グループに所属し,先輩の先生からたくさんのことを教えてもらい,実践していました


あるときの研究授業……

国語 「大造じいさんとガン」の授業です
市内の先生が集まってきての研究会での授業公開です

授業の序盤,何かしらの発問をしました
しかし,子どもたちは考え込んだり,反応がなかったり……
それを見て,わたしは,何度も何度も発問を繰り返しました

子どもたちは,それでも,考え込んだり,反応が無かったり……
机の横にかけている,帽子を触り出す子も現れ始めました

そしてこのやりとりは,28分間の沈黙に……
当然,授業としては???です
失敗した……と,授業中に落ち込みました

こんな先生,辞めた方がいい……

授業後の事後研修会では,わたしの振り返りの話が終わり,司会の他校の先生が,何かを発しようとするのを制してすぐ,指導助言の校長先生が,
「今日の授業は,本当にひどかった……
 こんな教師がいるから,日本の国語が衰退するんだ……
 こんな先生,やめた方が良い」

と発言されました
誤解が無いように綴りますが,この授業後も,ご指導を仰いだ素晴らしい先生です
厳しくも温かく,指導をしてくださいました

子どもたち,がんばっていましたよ

授業を見てくださっていた先輩の他校の先生が,子どもたちの頑張りを話してくれました
「私は,教室に早く着いたので,授業前でしたが,
 関田学級の教室へ入りました
 すると関田先生は教室にいないのに,次々とグループでの
 音読が始まりました
 ああ,子どもたち,早く勉強したいんだなって
 感じました 子どもたち,がんばっていましたよ」

確か,このような内容でした
しかし私は,指導助言の校長先生の言葉が頭の中で何度も繰り返され,子どもたちに申し訳ないという気持ちでいっぱいでした

気づいていましたか?

ある他校の先輩先生から,
「関田先生,気づいてましたか?
 何度も同じ発問をされたように思っているようですが……」
と,その先生は,授業記録を綴られていたノートを見ながら,私の発問を板書され始めました
黒板を見ると,発問は8つあり,すべて,微妙に違っていました
中には,聞いていることも違うものもあったのです

ある女の子の言葉

一週間ぐらいでしょうか。ずっとこの授業のことを引きずっていて,
何をやってもうまくいかず,
自然と笑顔も消えていたそうです
本気で教師をやめようかと悩んでいました
そのような時に,
私より少し背が低い女の子が,私の膝の上にぽんと座り,「先生,元気ないなあ
 なんか,言われたんやろう
 でもな,うちは,
 先生のこと好きやで」
と声をかけてくれました
そして,
「元気出さな!」
と,背中をパシーンと……(笑)
救われた一言でした
あっ,まだ教師,していいんや……と,思いました

SNSで,この子どもとつながったとき,エピソードを伝えました
「私に感謝せな,あかんな」と……
今その子は,教職の道に進んでいるとのことです

10年経てば武勇伝

若い先生が泣きながら,うまくいかない苦しい状況を話してくれることがあります
そのような時に話す一つが,上記のエピソードです
みんながみんな,始めからうまくいっていたわけでは無いという意味を込めて……

 そして,
「10年経てば,武勇伝になるよ
 しんどいときは,いつでも相談になるから,
 一つひとつ,いっしょに取り組んでいこう」

と伝えています

失敗も貴重な経験値
最後は,必ず笑顔で終わります
自分自身にとって,大切な一日一日
顔を上げて,
一呼吸ついて,
過ごしていきたいものです


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