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着物/白恵泥 鹿児島の機屋 益田織物さんに制作を依頼し、織り上がってきた大島紬。 益田織物の白大島の特徴は、薩摩焼の泥を元に染められた白恵泥と言われる白泥で染められた『白色』にあります。 白よりも白く見える、地色は光や合わせる色によって、透け感と輝きがあり、本当に美しい織物となります。 今回は淡い緑と白泥を合わせて頂きました。 近くでみると、幾重にも色が重なり、白泥と共に地色を作っていることがわかります。 帯:松皮染(名古屋帯) 帯は松皮染めシリーズの名古屋帯。 ベ
ショーで登場した松皮染の絵羽柄。 →コレクションno,7 この着物のベース部分、白生地はハイブリッドタッサーの新柄をつかっています。 基本的にショーでは『地紋は目立たないモノ』だと、少し割り切っていましたが、リハーサル時、全くそうでないことに気がつきました。柄の無い部分、無地部分から柄へかけて、織りで表現している地紋の陰影、これが非常に美しかった。 そのため、次のモノづくりでは、無地に近い着物を制作しようと考えて、取り組んだのが染織工芸むつろさんとのコラボ、カゴ絞り+
1、デザイン、コンセプト 紅村帯-1の設計図(意匠図)を元に制作しているのが、このNo,2の帯になります。 この紅村帯では、林さんの作品から受ける『光』の印象を織・染めでどう表現するのか?がモノづくりのコンセプトとなっています。 No,1の帯では光の方向性を意識して、織と染めで制作しました。 (この帯では上の方向から、来る光が作品に当たる様子を表現。) そしてNo,2の今回は、重要な光を保ちつつも、全体的に織りで綴じ込め、フワッとした光を持った透明感や柔らかさを表現
1,デザインは、不思議の国のアリス そもそも、日本には昔から外から入ってきたモノをアレンジする能力に長けていると言われています。シルクロード、海を越え国内に入ってきたデザインを国内で昇華、日本の文様へとしてきたように。 それらが古典柄として、着物の中のベースなっています。今でも随時新しいデザインの帯や着物が日々作られています。 そんな中、新しい定番をつくろう。そんな気持ちで制作しているのが、作楽シリーズであり、下記のアリス帯でもあります。 英文を毛筆で一度和紙に描いた
◯キッカケ図案に出会った時、なにかを見た時、絵画なのか彫刻なのか、昔のハギレなのか、インスピレーションをもらった。そのとき、思い通りの図案があれば良いのですが、無い場合でも織物にしておきたいときがあります。 その場合は、地部分をつくる感じで織物をつくります。そしていくつかの色で試験織を織り、寝かして待つ。 それからしばらく時間が経ち、その織物を忘れていたとしても仕方ありません。なにかのキッカケ、たとえば新しいデザインや図案に出会った時にでも、そのつくっておいた織物や地紋を思
1、このシリーズについて京都の清水で四代にわたり、青磁・白磁を制作する窯元。その四代目 林侑子さんの作品デザインをモチーフに制作する帯です。 まだ仮称ですが、帯シリーズの名前は、窯元から頂き『紅村(こうそん)』帯と呼んでいます。はじまったばかりのモノづくり、作品の立体感や雰囲気をどう織物で表現していくのか?今後、楽しみしかないモノづくりです。 ◆京の紅村窯◆ 百年を超える長い歴史を持つ京焼の伝統の中で、四代にわたって培われた技術と格調を研磨しつつ、新しい息吹を盛り込んだ作
1、デザイン デザインは三日月。 今回のモノづくりでは、帯地の無地(空白)部分を意識したくなる。そんなデザインの帯を考えて制作しました。 無地を見ると、どうしても『柄が無い』とネガティブな方向で捉えられてしまいます。でも、帯地の場合、色はあるし、経糸と緯糸で作られる無地の地紋もあります。また無地と言っても、様々な織組織による風合い、見え方、光での変化など、表現されていることは本当にたくさんあります。 なかなかそれには気づかないため、今回は無地が活きるシンプルな三日月をス
2020.12.24〜2021.4.17 1、デザインづくり作楽シリーズ『アフリカの渦』のデザインをつかい、モノづくりを行なっています。 デザインは、アフリカの大地が持つ力強さを帯のデザインとしたもの。 紹巴織で緻密に織り、曲線を作りながら、銀糸で流れを作り出すように。渦をなぞっています。 2、制作 気づき難い部分ではありますが、渦と渦の間には氷割れの様な地紋を織で表現しています。写真で引いて撮ってしまうと、あまり目立たなく感じますが、実際にこれがあるのとの無いの
1、デザイン/渦 シンプルな文様、デザインは簡単そうに見えて、創造するのが難しい。。帯を制作していて、常に感じることです。原始的、根源的、プリミティブなモノというのは、シンプルでこれ以上差し引くことができない、だからこそ力強い。複雑なデザインを帯にする際も、その力強さが消えない様に、突き詰めていけば、シンプルに立ち帰れる様に意識して制作しています。 この渦柄も同様、全体に見ると、蕨の様な渦が複雑に絡み合っている様に見えますが、実際は地の濃い青が抜けた様に表現する渦と金銀糸
1,デザイン/弦月お太鼓にお月さま、というシンプルなデザインの袋帯。 むかしからお月さまをモチーフにした帯はやまほどあります。月は、女性・優しさ象徴、満ちていくことから成長を意味する、ツキを呼ぶなど。また昔は太陰暦を用いていたように、生活と密接に関わっていたため、意匠としても用いやすかったこともあります。 となみ織物でも、三日月、満月(大きな月から小さなモノまで)、下弦、上弦など様々織り帯として制作してきました。シンプルなモノから、ある程度リアルなお月さま、まで。
1,デザイン水滴、風、勾玉、たましいなど、見る人の想像をかき立てるデザインです。元々は、長艸さんのある作品(絵羽もの)から。刺繍で括られた中を金彩の金と銀で加工を施しています。 全体にバランス良く、刺繍を配置したようにも感じますが、よく見ると向かって右を少し重く配置し、帯としての安定感を作り出しました。 2,ベースは総紗縫 刺繍・金彩のベースとなったのは、『総紗縫』。 紗を細かく、『これでもか。』というほど細かく織り上げた織物。本来、夏の織物であるはずの紗、この緻密さ
1,デザイン デザインは名前の通り、星と月、それに太陽をモチーフに制作したもの。これらは、日本でも様々な帯や着物に使用されている柄。ただ、この星と月は西アジア、砂漠地方のものを元にしています。 文様が持つ意味としては、三日月は、進歩・発展。星は知識や希望を表す柄です。歴史上、現在もビザンチン、オスマン、ギリシア・・・などで大事にされている文様です。日本でも、月はいうまでもなく、星は五芒星として、魔除けとしても神聖に扱われてきました。 この帯では、左三分の一は星。右は三日
1,デザイン この名古屋帯の意匠は『henna(ヘナ)』をモチーフに制作しています。 ヘナというのは、元々は古代のハーブ。インドやアフリカの北部の乾燥した土地に育ちます。 歴史としては紀元前5000年ほど昔から、髪や爪、皮膚を染め宗教的な儀式に使用されていました。インドのヒンドゥー教では、幸運の神様ラクシュミがこのヘナを好んだため、結婚式などで、ヘナタトゥーをすることで、お祝い、長寿・子孫繁栄、豊穣などの幸せをもたらす印ともされています。 また、ヘナで描かれたデザイン
1,デザイン まだ、作楽がなかった時代のモノづくり。この帯は、図案家によって描かれた図案をベースにモノづくりしました。 デザインは、大きく広がった投網、それに掛かったか、掛かりそうになった鯉が一匹。着物・日本の文様で「鯉」といえば、「荒磯」(あらいそ、ありそ)柄が有名で、荒波に鯉が跳ねる文様を思い浮かべます。室町時代に大陸から伝わった名物裂の一種です。 「鯉」は登竜門の故事「黄河にある竜門というところには、激しい急流があり、そこはほとんどの鯉は遡ることができないが、さか