『紅村帯』-1
1、このシリーズについて
京都の清水で四代にわたり、青磁・白磁を制作する窯元。その四代目 林侑子さんの作品デザインをモチーフに制作する帯です。
まだ仮称ですが、帯シリーズの名前は、窯元から頂き『紅村(こうそん)』帯と呼んでいます。はじまったばかりのモノづくり、作品の立体感や雰囲気をどう織物で表現していくのか?今後、楽しみしかないモノづくりです。
◆京の紅村窯◆
百年を超える長い歴史を持つ京焼の伝統の中で、四代にわたって培われた技術と格調を研磨しつつ、新しい息吹を盛り込んだ作品を制作。
中国の古窯で作られた白高麗(白磁)から発展した西施白磁の技法。それにより生み出される、まるで東洋美人の肌のように
なめらかな乳白色の白磁。
また、宋時代に豊穣な成熟を示した製法を
元に独自の色調を追求した青磁。
そして新しく生み出した鋏を使った装飾
「 土鋏 」。
古来の技術を踏襲しながらも独創的な表現を織り交ぜることで生み出される、新しい京焼の道を切り開く紅村窯の世界をお楽しみ頂ければ幸いです。
◆土鋏 (tsuchibasami) since 2016◆
京都で百年を超える歴史を持つ紅村窯、
受け継ぐのは西施白磁と青磁のうつわ。
その伝統の中から新しく四代目林侑子が
作り上げた作品は和菓子の伝統技法"はさみ菊"に
魅了されて生まれた"土鋏"(つちばさみ)。
鋏✂︎で磁器を切る新しい装飾の面白さに没頭し
技術を上げ精度を追求していけばいくほど
自身もこの装飾の美しさの虜となった。
この伝統の中から生み出した革新で歴史を守り、
更なる進化を繰り返しながら作品と共に
成長を続けていく。
2、デザイン面
そして帯の柄は、帯の元になるデザイン画を頂き、それを元に帯図案を制作。
(図案前、元のデザイン)
帯図案を元に意匠図づくり、試行錯誤をかなり沢山挟みながら(意匠図を制作しては試験織の繰返し)、最終的に形になったのは、鋏で作られた花弁の陰影をつくるため、御召緯の縮む作用をつかってボリュームを作り出しました。
(この地紋表現自体も、林さんの作品を元にしています。)
3、織りと染め/夏しぼ
最終的に、御召緯をつかったしぼ織『夏しぼ』帯で制作となりました。
今では楽しみと書けますが、モノづくりを進める上のスタートライン『作品・立体物を織物で表現するためには?』、そこからいきなり詰まっていました。
ただタイミングよく、日本画家 中野大輔さんとのモノづくりにおいて、しぼ織で帯を制作。そこでの技術技法を元に、鋏で切る部分は、帯地に箔を加えるなどでアレンジを加え、織物の帯として制作。
ここからは丸巻きとして織りあがった帯地を染めていきます。
広がりを持つように、筆で一つずつ花弁を拾っていきます。また、林さんの作品自体が光を感じさせるモノですので、この帯でも光を意識して制作。
作品にどの方向から光が当るのか?
その陰影を帯からも感じて頂けるように、一本ずつ帯によって変化させていく予定です。
※林裕子さんのInstagramでも帯をUPして頂いています。
4、着物と合わせてみました
◯となみ織物オリジナルの白恵泥の大島紬とコーディネート
こんな風に、一柄目の帯は織りと染めを融合させたモノづくりになりました。葉の部分をグリーンで染めたモノを制作。そして、こちらは上部写真お青い方とは、また少ししぼの付け方を変えています。
◯ハイブリッドタッサーとコーディネート
陶芸と帯・・・。
今後、着物とは異なる業種からの評判も楽しみにできそうです。
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もちろん、この次のモノづくりも手がけています。
それに関しても、新しいアイデアを入れた形でお見せできるとおもいます。
(今はそれように試験紋をつくっています。)
南蛮七宝紋様の塵よけをのせてみました。
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