作楽#22 Henna ichimatsu(ヘナ市松)
1,デザイン
この名古屋帯の意匠は『henna(ヘナ)』をモチーフに制作しています。
ヘナというのは、元々は古代のハーブ。インドやアフリカの北部の乾燥した土地に育ちます。
歴史としては紀元前5000年ほど昔から、髪や爪、皮膚を染め宗教的な儀式に使用されていました。インドのヒンドゥー教では、幸運の神様ラクシュミがこのヘナを好んだため、結婚式などで、ヘナタトゥーをすることで、お祝い、長寿・子孫繁栄、豊穣などの幸せをもたらす印ともされています。
また、ヘナで描かれたデザインは、日本の吉祥柄の様に一つ一つが縁起の良い意味を持っていますので、となみ織物では、そのヘナで描かれたデザインを元に、吉祥文様として帯のデザインとして用いています。
ちなみに、帯制作のはじめには、この帯デザインをともに制作して下さった方に、ヘナタトゥーを実際にして施して頂きました。
2,織組織/紹巴織
帯の織組織には、紹巴織を採用。
地色と絵緯をミックスしながら織り進めることで、筆で描かれたヘナの奥行きをつくっています。シンプルな文様にはなりますが、さらに紬糸を絡ませることで、合わせる着物や光の加減で、地の雰囲気が変わって見える。そんな効果もつくり出しました。
『八寸名古屋帯/作楽 henna』
⇒https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=2927
3,コーディネート
写真は、無地に使い藍色の大島紬とのコーディネート。
帯は着物の藍を受けて少し青みがかって見えてきます。着物が無地であれば、帯は前に。柄の着物であれば、うるさくならないように全体を調和してくれるデザインになっています。
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