侍ジャパンはもっと強くなれる。プレミア12で連覇を逃し準優勝。この悔しさを今後の糧に。飛躍を遂げた選手もいた。収穫は多かったはずだ
侍ジャパンが国際大会のプレミア12で連覇を逃して準優勝となった。この悔しさを、今後の糧にしてほしい。今回のチームでは、飛躍を遂げた選手もいた。収穫は多かった。個人としての活躍、チームが準優勝に終わった悔しさ。この2つは得難い経験だ。侍ジャパンはもっと強くなれる。
24日に東京ドームで行われた決勝。これまで1次リーグから8戦全勝で勝ち上がってきた日本。対戦相手の台湾には1次リーグ、2次リーグ共に勝ってきた。
日本にとっては2019年大会に続く連覇がかかっている。一方で台湾も頂上決戦にかける意気込みは日本以上にあったかもしれない。
前日の2次リーグ最終戦も日本対台湾だった。この日の第1試合の結果で、日本と台湾の決勝進出が決まったため、台湾はエース格の投手を決勝に使うため、最終戦の予告先発を急きょ変更した。罰金を払ってでも決勝に勝とうという気迫があった。
その決勝戦。日本は台湾の先発リン・ユーミン投手から得点が奪えない。四回までに1安打のみ。
日本は戸郷翔征投手(巨人)も台湾打線に点を許さない。緊迫した投手戦になった。
このような展開で得点が入るパターンは?ホームランかミス絡みか。この試合では前者となった。五回表にこの回の先頭打者に先制ソロを浴びる。さらに3ランも喫して4失点。結局、この4点が侍ジャパンの唯一の失点だった。
打たれた戸郷投手は「今までにないぐらい緊張した。これが決勝」と振り返っている。悔しい結果となっても、この経験は今後に生きるはずだ。
一方、打線は台湾の継投に封じ込まれて、無得点。0-4で敗れて準優勝となった。日本の国際大会での連勝は「27」でストップした。
負けたことは残念だが、この大会で収穫も多かったように思える。今回のチームは故障による辞退者が相次いでいた。その分、代表初選出の選手たちが活躍した。
プロとして初の侍ジャパン入りした小園海斗選手(広島)は21日の米国戦では2発7打点の大当たり。同様にプロ初の代表入りの清宮幸太郎選手(日本ハム)も23日の台湾戦で、ライトフェンス直撃の2点適時三塁打を放っている。
チームとしては悔しい結果に終わったが、個人では飛躍を遂げた選手もいる。良い経験も悪い経験も糧にしてほしい。
2026年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が行われる。今回のプレミア12の経験を生かせば、侍ジャパンはもっと強くなれる。WBC連覇も十分に可能になってくる。今後の侍ジャパンに期待だ。