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プロ野球CSに改革を!セリーグ王者の巨人が最終ステージで敗退。メジャーリーグと異なるポストシーズンの環境。リーグ優勝チームにさらなるアドバンテージが必要では

プロ野球のポストシーズン「クライマックスシリーズ(CS)」を改革すべきという声が挙がっている。リーグ優勝チームへのアドバンテージを多くする案だ。私もその方向性に賛成だ。ポストシーズンについては、メジャーリーグと比べると、日本の場合、少ないチーム間で行われている。改革で、リーグⅤチーム同士の日本シリーズが行われやすくなってほしい。

CS改革案が出された舞台は、東京都内で行われた正力松太郎賞選考委員会。今年のプロ野球の貢献に発展した人物を表彰する。この委員会で、ヤクルトなどで監督を務めた高田繁さんがCSについての意見を述べた。

高田さんの案によると、レギュラーシーズンで、優勝チームが2位以下を5ゲーム以上離した場合、アドバンテージをもう一つ与えるべきという内容だ。

今年のセリーグの場合、優勝した巨人は2位の阪神に3.5ゲーム、3位のDeNAには8ゲーム差をつけている。

通常のCS最終ステージでは、優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられているが、5ゲーム差をつけた相手に対しては、アドバンテージを2勝とすべきというものだ。

私は、この方向性に賛成だ。むしろ高田さん案よりも、さらに優勝チームに有利となる運用にすべきと思っている。

5ゲーム差をつけた下位チームに対して優勝チームのアドバンテージを2勝とする。さらにはレギュラーシーズン3位のチームが最終ステージへ勝ち上がった場合は、自動的に優勝チームのアドバンテージを2勝とすべきと思う。

今季のDeNAのCS、日本シリーズの戦いぶりは見事だった。堂々と日本一を誇っていい。ただレギュラーシーズンはリーグ3位。貯金がわずか2だったことを思うと、最終ステージを戦う上で、相手のアドバンテージは1勝というのは少ない感じがする。

アメリカのメジャーリーグを例にしたい。ここではアリーグ、ナリーグにそれぞれ東、中、西の地区があり、それぞれの地区優勝チームが生まれる。

各リーグ6チームずつで行われるポストシーズンには、今年のアリーグのようにリーグ優勝決定シリーズで地区優勝チーム同士が戦うこともあれば、ナリーグのように地区優勝チームと、優勝を逃したチームが戦ったケースもある。

ただ今年のナリーグの場合、東地区3位だったメッツはポストシーズンで、中地区、東地区優勝チームを撃破して勝ち上がった。地区優勝チームを破っての勝ち上がりだけに、地区王者でなくてもリーグ優勝決定シリーズに参戦する意義は大きい。

日本の場合、各リーグに地区制度はない。そのため、CS最終ステージは優勝チームと下位チームの戦いという構図が鮮明となってしまう。

各リーグ6チームずつしかない状況では、日本に地区制度を設けるのは現実的ではない。そうなると、優勝チームが日本シリーズへ進出しやすくするしかないと思うのだ。

かつての日本では、優勝チームが早々に決まると、残りが消化試合となってしまった。レギュラーシーズンの盛り上げを持続するために設けられたのが、ポストシーズン制度だ。

それならば、ポストシーズンのCSはレギュラーシーズン優勝チームに、アドバンテージを多く与えてもいいような気がする。

「下剋上」という言葉は魅力的だ。しかし、頻繁に起きてしまうとレギュラーシーズンの価値が薄まってしまう。それを解消するには、リーグ優勝チームへのアドバンテージを多くして、下位チームは「一縷の望みにかける」状況にした方がいい。

日本のCSに改革を!優勝チームのアドバンテージを多くするからこそ、「下剋上」の味わいも濃くなるはずだ。

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