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常識を超えた常識がある。日本ハム・新庄監督が仰天采配。短期決戦の投手起用。五回途中で守護神を起用した神がかり采配。CS最終ステージに進出

常識を超えた常識があった。日本ハムの新庄剛志監督の起用法に脱帽だ。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ最終戦。短期決戦において先発投手を早めに交代するのは常識だ。しかし2番手に守護神を送り込むとは。大胆采配が見事に的中。ロッテとの激戦を制して最終ステージへと駒を進めた。勢いに乗った新庄ハム。その先が楽しみだ。

14日にホームの北海道で行われたCSファーストステージ最終戦。パリーグ2位の日本ハムは前日にリーグ3位のロッテにサヨナラ勝ちを収めて1勝1敗のタイに持ち込んだ。上げ潮ムードだ。

勝てばその先へ。負ければシーズン終了の大一番。日本ハムは先発投手に北山亘基投手をマウンドに送った。北山投手は二回に2失点。味方打線が三回に追い付いて、2-2のイーブンで五回表に突入した。

2死を取った後、北山投手は相手の3番打者に四球を与えてしまう。この時点で93球を投じていた。2死一塁。ここで新庄監督は北山投手を交代させた。

ポストシーズンの短期決戦で、先発投手を早めに代えることが常識の範囲内だ。しかし新庄監督が2番手に送ったのは、なんとチームの守護神、田中正義投手だった。

五回途中でクローザーを送り込む仰天采配。しかし、相手の4番ソト選手に対して、田中投手はカウント0-2と追い込む。そして3球目。高めの156キロストレートで空振りを奪い三球三振。新庄流の大胆采配は的中した。

さらに新庄流のサプライズ采配は続く。六回のマウンドも田中投手を続投させた。田中投手にとって今季初のイニングまたぎ。ここでも田中投手はサードファールフライ、ショートゴロ、空振り三振の「ワン、ツー、スリー」で三者凡退に抑えた。

さらには、七回も続投。この回の先頭打者をサードゴロに打ち取って、田中投手はマウンドを下りた。2度のイニングまたぎ。田中投手は5者連続のアウトで期待に応えた。

クローザーを五回に登場させて2度のイニングまたぎ。新庄監督の大胆采配。田中投手の好ピッチング。これで完全に日本ハムが勢いに乗った。

直後の七回裏に、水野達稀選手が勝ち越しの2点適時三塁打を放った。八回にも1点を追加。5-2と競り勝った日本ハムが、CS最終ステージへと駒を進めた。

新庄監督の大胆采配。しかし本人にとって、田中投手の2度のイニングまたぎは常識だったのかもしれない。日本では一回から九回までのイニング単位でアウトを取ることに主眼を置く。しかしメジャーリーグでは、トータル27個のアウトを取ることに目を向ける。

メジャーを経験した新庄監督にとって、イニング単位よりも27個のアウトを取ることに主眼を置いていれば、田中投手の2度のイニングまたぎも想定にあったのだろう。

日本の野球に革命をもたらすだろう新庄流投手起用法。勢いに乗って、リーグ優勝のソフトバンクとの最終ステージに向かう。

ファーストステージでは最多勝と勝率の投手2冠に輝いた伊藤大海投手を温存した。最終ステージの初戦にぶつける予定だ。

勢いに乗った日本ハム。さらに新庄監督の「常識を超えた常識」を駆使した采配もある。最終ステージで、日本ハムがどんな戦いを見せるのか、新庄監督がどんな「サプライズ」を見せるのか、その先の戦いに注目だ。

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