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ソフトバンクは王朝を築けるのか。4年ぶりにパリーグⅤ。投打に圧倒。4月4日以来首位を渡さずに奪冠。強すぎることが仇になるかも

ソフトバンクは王朝を築けるのだろうか。4年ぶりにパリーグ優勝を果たした。今季は投打で圧倒し、4月4日以来首位を明け渡さずに奪冠した。ただ強すぎることが仇となるかもしれない。過去には強すぎるチームが日本シリーズであえなく敗退した歴史もある。ホークスは日本一となれるのか。なれないのか。それが問題だ。

ソフトバンクは今季、戦力補強や役割変更が奏功した。まずは、西武で活躍し続けた山川穂高選手をFA移籍で獲得。今季32本塁打、94打点でパリーグの打撃2部門でトップに立っている。攻撃力に厚みを増したホークス。山川選手の移籍は「大吉」だった。

一方、現有戦力の役割変更にも成功した。これまでクローザーなどリリーフで活躍してきたモイネロ投手を先発に配置転換。今季の防御率1.94はパリーグトップ。11勝は白星ランキングで3位タイにつけている。

そして、今季からソフトバンクの指揮官となった小久保裕紀監督の巧みな采配も光った。就任1年目はどの監督でも「自分で何とかしよう」と肩に力が入ってしまう。そこをコーチらと食事を交えたミーティングを密に行って、指導陣を一つにまとめ上げた。

戦力補強、配置転換、指導者間の連携。これらがチーム強化に機能した。今季は4月4日に首位に立つと、2位以下を大きく引き離し、9月23日にパリーグ優勝を決めた。

9月24日現在、ホークスは85勝47敗3分け。勝率は6割4分4厘。2位の日本ハムに11ゲーム差と引き離した。

近年、これの勝率以上で優勝したパリーグチームは2017年のソフトバンク(6割5分7厘)までさかのぼる。この年はソフトバンクが日本シリーズ4連覇を達成した年だった。

ただし、強すぎることが仇となるかもしれない。1990年の巨人がそうだった。このシーズン、巨人は88勝42敗で勝率6割7分7厘と驚異的な強さを見せつけた。

130試合制のシーズンで88勝を挙げた巨人だったが、日本シリーズでは西武に4連敗を喫して、日本一には届かなかった。

もちろん当時は日本シリーズ前のクライマックスシリーズがなかった時代。現代と単純比較はできないかもしれない。それでも長いシーズンで強かったチームが必ずしも短期決戦でも強いとは限らないのだ。

長いシーズンを通して活躍した選手が短期決戦で不調となることもある。打撃2部門でトップに立つ山川選手は6月、打率1割台、ホームランなしと低迷した。この不調が短期決戦でも出てしまうと、打線は迫力を失うだろう。

今季シーズン前半にケガで戦線を離脱した柳田悠岐選手はポストシーズンから復帰の予定だが、実戦間隔が開いたことはマイナスとならないか不安だ。

強すぎるソフトバンクは、ポストシーズンでも輝きを放ち続けられるだろうか。期待と不安を抱きながら見届けたい。

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