見出し画像

「平気」ってそれ、「大丈夫」ですか?

 無理していませんか?

 分かりやすいのは身体の痛みで、私の経験では「(痛みの)具合はいかがですか?」と聞いたときに、「平気です。」と応える患者さんは大抵の場合、本当は大丈夫ではないです。

 よくよく聴いていくと、「痛みはあるけれど我慢できない程ではない」とか、「本当は不調で庭仕事ができなくて困っているけど、どうしてもやらなきゃいけないわけじゃないから」とか、「実は痛みのせいで眠れない日がある」とか。

 それって大丈夫じゃないですよね!?ってことを、結構我慢していることがあるんです。

 痛みの根本が解決できるものであればそれに努めますし、それが難しい場合でも鎮痛薬の選択肢はたくさんあります。EBMに基づいた西洋医学をベースに、東洋医学も組み合わせることで解決できる問題の幅はとても広いものです。もちろん、ブロック注射や手術等が必要な場合には外科や麻酔科(ペインクリニック)に紹介します。痛みから解放された患者さんは笑顔を取り戻し、「あぁ自分はツラかったんだ」と気付きます。

 このように痛みの診療には様々な手があるのですが、その人自身が困っていることに気付かなければ、全ての扉は閉じられたままです。痛みが日常になってしまっていて、困っていることに自分自身が気付かなくなってしまっている人もいます。ある種の諦めのようなものもあるのかもしれませんが、これはとても勿体ないことです。

 「平気」という言葉の裏には、「つらいけど我慢できないほどではない」という気持ちが隠れているように思います。

 身体の痛みだけではありません。哀しみも、苛立ちも、もどかしさも。いろいろな苦しみの感情を、「平気」と抑え込んで忘れようとしていませんか。

 問題の解決につながる第一歩は、その問題に自覚的になることです。

 もしかしたら、ひとつひとつの「平気」は、簡単に解決できる問題かもしれません。偽らず、苦痛を感じているという事実を受け入れたとき初めて、それを変えていくチャンスが訪れるのです。

 自分の心の声に耳を傾けて、「それって本当に大丈夫?」と、問いかけてみてはいかがでしょうか。

 知らないうちに「平気」を積み重ねて、心が限界を迎えてしまう前に。

#習慣にしていること
#眠れない夜に
#エッセイ #平気 #大丈夫 #生き方 #身体 #心 #心の声 #言葉 #言葉の裏 #痛み #苦痛 #西洋医学 #東洋医学 #ペインクリニック #健康 #幸せ #医療 #人生 #ライフスタイル #自己啓発 #自己分析 #ひとりごと
#無理してないですか

いいなと思ったら応援しよう!

渡邊惺仁
ご支援いただいたものは全て人の幸せに還元いたします。