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ロミオとジュリエット 【心理学/ラジカル・アクセプタンス】

 ロミオとジュリエットはシェイクスピアの作品の中でも特に有名なものでしょう。レオナルド・ディカプリオ主演でのリメイク映画も記憶に新しく、ああ悲しくも美しい物語だと感動したものです。当時の彼は何処までも王子様でした。

 さて、ロミオとジュリエットと聞いて何か思い出しませんか?


 そう!!


 羽生結弦のソチ五輪・フリープログラムですね!!

 今年の北京五輪でも魅せてくれましたが、男子フィギュア界の中でもやはり屈指の美しさを放つ羽生結弦。彼の美しさと強さは一体どこから来るのでしょうか。バレンタインデーに妻に贈った羽生結弦・写真集を眺めながら、そんなことを考えます。

 ふと、ハーバード大学医学部の小児精神科医、内田舞先生の記事をみかけました。すると羽生結弦選手について興味深い考察がされています。

 曰く、彼のラジカル・アクセプタンスが素晴らしいと。

 ラジカル・アクセプタンス(Radical Acceptance)は心理学用語で、自分のコントロール下ではないことを(良いとも悪いとも)評価せずにただ受容(アクセプト)して前に進むことをいいます。起きた瞬間に受け止めて、それはそれとして自分にできることを見つけて取り組む。これがラジカル・アクセプタンスですが、言うほど簡単なことではありません。

 覆水盆に返らず。起きたことはもう変えられません。盆に返したいのが人情ですが、エントロピーは増大します。普通に生きている限り時間は逆行しませんから、ラジカル・アクセプタンスは実に合理的な取り組みでしょう。

 後悔もしたい、反省もしたい。しかしながら、過去に囚われていたのでは、ショートプログラムでジャンプの瞬間に溝に足をとられてクアッドサルコウがシングルになってしまった後に、残りのプログラムを完璧に滑ることなどできるはずもありません。瞬間的に事実をアクセプトし、気持ちを切り替えて、そこからできるベストを彼は成し遂げたのです。その後のフリープログラムでクアッドアクセルに挑戦するのは常人の精神力では不可能です。さらに転倒しながらも「クアッドアクセルだった」と判定されたことは、男子フィギュア界の伝説ともいえましょう。

 振り返って私たちはどうでしょうか。羽生結弦ほど素早い「アクセプト」でなくとも、起きたことを如何に早く「アクセプト」できるか。これは人生を前に進めるために極めて重要な要素であると考えます。良いとか悪いとか、そういう判断を保留にして、ただ事実として受け止めるというのがポイントです。今の状況を見極めて、これからどうするかを考えるということです。「どうなるか」よりも「どうするか」が大切です。

 さて、私はというと或る講演会で演者をしなければなりませんが、まだ資料が完成しておりません。こんなところでnoteの執筆をしている場合ではありません。

 しかし、しかしですよ。

 ここで「ラジカル・アクセプタンス」です。

 気持ちを切り替えましょう。
 書いてしまったものは仕方ない。このまま仕上げて公開してしまいましょう。それから講演のための資料作りに戻ります。

ラジカル・アクセプタンスの世界へ、ようこそ。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方が過去の呪縛から解き放たれ、今を未来に向かって歩き始められますように。


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