マガジンのカバー画像

死にぞこないの趣味の世界

124
運営しているクリエイター

記事一覧

映画『人生、ブラボー!』(2011年)を観て ―男親の役割

映画『人生、ブラボー!』(2011年)を観て ―男親の役割

カナダのコメディ映画である。原題はStarbuck。アマゾンプライムで観た。

 

男親だからこそのコメディ若かったときに精子提供で500人の子供をつくった〈現在〉40代の主人公が、ハイティーンに成長した子供たちから認知を求められる話。
興味深いことに、映画の中では女親の影が薄い。
例えば、主人公には付き合っている警察官の女がいる。彼女は妊娠するが、主人公を困らせるだけの「うるさい女」にすぎない

もっとみる
映画『静かなふたり』を観て

映画『静かなふたり』を観て

原題はDrôles d’oiseaux。
2017年フランスの作品。アマゾンプライムで観た。
ひさびさにまともな邦題である。期待できる、そう思った。
 
監督はエリーズ・ジラールという女のひと。ヌーヴェルバーグの影響をとても受けている。
だからエンタメをエンジョイしたいひとには、オススメではない。
でも映画の魔法を楽しみたいひとには、オススメだ。
70分の小さな佳作だ。損をしたと思っても、たかが7

もっとみる

テレビで、リュック・ベッソンの『ニキータ』(1990年)をやっていた。
「泣き虫の殺し屋」。
スタイリッシュなアクション映画の顔をした、純愛映画。
フランスのBande Dessinéから生まれたポップな「画の美しさ」。

未見の若者は、どうせなら観てから死んだほうがいいと思う。

TVドラマ「特捜最前線」が好き

TVドラマ「特捜最前線」が好き

フォローしているnoterさんの連載推理小説がもうすぐ終わる。
ふと〈刑事もの〉について書きとめておきたくなった。

愛と死と憎悪が渦巻くメカニカルタウン
むかし、よく「特捜最前線」をテレビで見た。
所謂〈刑事もの〉だが、鉄砲バンバンや殴る蹴るの暴力シーンは少なく、むしろ人間ドラマに軸足を置いていた。東京を「メカニカルタウン」つまり機械の街だと認識すればこそ、「人間とはなんぞや」という問題意識が前

もっとみる
12月21日(土)備忘録

12月21日(土)備忘録

銀座へ。昔の教え子(現アラサー女子)に誘われて。
11月下旬なみの気温だということで、チロリアンジャケット、黒いタートルネックのセーター、黒いズボン、黒いハンチング帽、明るい真紅のマフラー、同じ色の靴下、黒い靴といういでたち。教え子に恥をかかせるわけにもいくまい。

中島通善回顧展16時、泰明小学校の前で待ち合わせ、画廊「銀座アートホール」に行く。
中島通善回顧展を観るためだ。
木版画。木目を活か

もっとみる
12月20日(金) 備忘録

12月20日(金) 備忘録

今日は朝早く目が覚める。
冷蔵庫をあけると、ほぼほぼ何もない。
卵とバターと砂糖が目に付く。
小麦粉はあるので、クッキーを作る。

クッキーを持って、大きな街の小さなローストチキンの店に行く。
お店はクリスマスシーズンで繁忙期。
だからおかみさんにクッキーの差し入れだ。
たまたま我が家にあったティファニーのブルーの袋に詰めて行く。
おかみさん、驚いていた。

ワインを飲みながら、おかみさんとおしゃ

もっとみる
国民民主党からタブレット純へ

国民民主党からタブレット純へ

寒い夜、布団の中でYouTubeを観ていた。

11月15日の記者会見にて
国民民主党の幹事長曰く、「我々もずっとタブレット純だったんですよ。全然売れずに」。
続けて「タブレット純の支援者はタブレット純に売れて欲しくないんだから。タブレット純も人気出なくていいって言っている。それが一気にここまできたんだから、しっかり頑張っていきたいとおもいます」と。
そして「純様のファンはタブレット純に人気出て欲

もっとみる
ドライフラワーと南インド家庭料理

ドライフラワーと南インド家庭料理

中途半端に時間が空いたので、南インド家庭料理のお店で、お昼ご飯を食べました。
昨年できたばかりの小さなお店です。

商店街から住宅街に入るところ、ちょっと隠れた、目立たない場所にあります。
上品なマダムがおひとりでなさっておいでで、基本、ランチ。
夜のめんどうくさい客を想えば、「基本、ランチ」は正解。

店内には、年季の入ったテーブルが、「わざと」雑然と置かれています。
椅子はどれもこれもバラバラ

もっとみる
オタク嫌いの、好きなアニソン

オタク嫌いの、好きなアニソン

僕はあまりヤマトとかガンダムとかに関心がない。
そもそもオタクの視野狭窄的性格になじめない。
「広望」だからだろうか、狭いよりも広いのが良いのだ。
けれどもテレビアニメは他人と共通の話題を持てる点が良いと思う。
例えば、アニソンはベタなテーマだ。
僕の好きなアニソンを、おそらく誰でも御存知だが、二曲、紹介しよう。

ラブスコールまずはルパン3世から、「ラブスコール」。

ちなみにルパン3世には、当

もっとみる
開高健『最後の晩餐』を読んで

開高健『最後の晩餐』を読んで


食と情報
開高健によれば、食を書くには、文章力が必要なのだそうだ。
たしかに「絶品」「筆舌に尽くせぬ」「おいしい」「とろける」ばかりでは、ダメである。

開高健の『最後の晩餐』は食に関するエッセイ集だ。
そのなかで開高は、一般人の口にはふつう入らないものを、読者になるべくわかりやすく伝えようとした。そして圧倒的な情報量を用いて、食材を、料理を、描写した。
本書『最後の晩餐』の最大の問題点は、まさ

もっとみる
映画『ジョーカー』を観て

映画『ジョーカー』を観て


ジョーカーと大衆運動映画『ジョーカー』(アメリカ、2019年)をアマゾンプライムで観た。
社会からの落ちこぼれがうまく描けていた。
面白いのは、落伍者の主人公が、同じような境遇のひとたちの共感を得て、最終的に落伍者たちによる暴動の象徴にまつりあげられるところである。
実際、近年欧米では、フランスの「黄色いベスト運動」のように、旧来の労働組合とは無縁のロンリーウルフたちが群れを成す暴動が活発化して

もっとみる
戦友の会話

戦友の会話



アクション映画
疲れているとき、ハイボールを飲みながらアクション映画を観る。
ダイナマイト大爆発~!みたいなシーンが、疲れた頭に心地よいのだ。

戦友が再会するシーンが好きだ。
堅苦しい礼儀作法は要らない。
むしろヅケヅケ突っ込む。

「遅いじゃないか」
「世話が焼けるぜ」
「懐かしいだろう」
「おまえひとりじゃあ、無理だな」
「おい、早くしろよ」
「うるせえ。紳士らしく感謝しな」
「いい女、

もっとみる
妄想喜劇映画「六本木のアントワネット」

妄想喜劇映画「六本木のアントワネット」


ものがたり
1793年10月16日、アントワネットがパリで処刑されようとしていた時だった。
突如、神風が吹いて、彼女は21世紀の東京六本木に、タイムスリップ!
「猿の惑星」に落ちたのかとふらふら徘徊しているところを、参議院議員広瀬ひろみが運転する赤いベンツに衝突。失神してしまう。
困ったひろみは、アントワネットを自分の家に連れて行く。

気がついたアントワネットは、ひろみを召使い扱いする。
最初

もっとみる
戦国鍋tv -パロディについて

戦国鍋tv -パロディについて

「戦国鍋テレビ」は、関東圏のローカル放送局が制作していたテレビ番組なので、地方の方は知らなかろうと、御紹介です。
もうかれこれ10年ぐらい前の番組です。
「楽しみながら歴史が学べる」がモットー。
ほんとうに歴史が学べるかどうかは別として、楽しめるのは確かです。
笑えました。例えば、アラフィフ抱腹絶倒確実の、これ。

 

まじめすぎて重すぎて背中の骨が折れそうな「原爆モノ」や「特攻隊モノ」に比べれ

もっとみる