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旅について

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#わたしの旅行記

カレル橋を渡る

前回の投稿に「今回の旅では、初めてヴルタヴァ川右岸に宿泊した」と書きましたが、そのホテルはカレル橋(Karlův most)から徒歩3分ほどの場所に位置していました。その結果、滞在期間中は毎日カレル橋やその北と南に横たわる橋を渡ることになりました。訪れたい場所が反対岸(旧市街側)にあったからですが、それよりも欠かせない理由は、美味しいパン屋さんが左岸にあったからです。毎日夕方になると橋を渡り、夕食のパンを買いに行っていたのです。 ドイツにはAbendbrot(パン中心の簡単

ヴルタヴァ川左岸

今日はヴルタヴァ川左岸、Malá StranaとHradčanyと呼ばれるで撮影した写真を投稿します。

静かなプラハを旅する

欧州の冬休み。国によって事情は異なると思いますが、少なからずの国、特にカトリックが優勢な国では1月6日まで続くところが多いようです。この6日は、例えば英語ではEpiphanyと言う公現の祝日で、キリストの誕生を祝うためにMagiと呼ばれる東方の三博士がベツレヘムを訪れたことを祝う日なのです。 数年前、年始から1月7日までヴェニスに滞在したことがあります。この時、1月5日までは観光客であふれており狭い道を立ち止まらずに真っ直ぐ歩くことが出来なかったヴェニスが、1月6日には驚く

自転車が走る街

イタリア文学者・河島英昭はこのように書いています。これはイタリアでは案外珍しいことなのではないでしょうか。例えば、夫の親戚がいるため頻繁に訪れるフィレンツェでは、自転車より圧倒的にバイクのほうが優勢のように思います。 河島英昭がフェッラーラを訪れたのは約20年ほど前のことですが、今でもその時と変わらず自転車はたくさん走っていました。私が撮った写真にも、自転車が山のように写り込んでいます。 少々驚いたのは、旧ゲットーの道路脇にキーチェーンもなく無造作に置かれた自転車があった

愛と憎しみのフェッラーラ

愛と憎しみのフェッラーラ。 これはイタリア文学者でウンベルト・エーコ『薔薇の名前』の訳者でもある河島英昭(1933-2018年)のエッセイのタイトルです。このエッセイに惹かれた私は、夫を誘い、秋の終わりにエッセイの舞台である北イタリアの街・フェッラーラを訪れました。 河島英昭はこの『愛と憎しみのフェッラーラ』というエッセイにおいて、この街のゲットーに触れ、次いで作家として名を馳せたジョルジョ・バッサーニ(1916-2000年)という代々フェッラーラに住み続けてきたユダヤ人

プラハでFlexaretを買う

1. プラハ今年(2019年)2月、週末を利用してプラハに行くことになりました。 東京にいた頃は、仕事の合間を縫い、年に2回、3回と、たとえ数日間の短い休暇でも長時間飛行の労を惜しまず頻繁に訪れていたプラハ。それほど熱を上げていたプラハですが、ドイツに移住して以来、とんとご無沙汰していました。今回のプラハは、なんと、10年ぶり。ドイツに移住して以来、時間に余裕を持って旅行することができるようになったので、例えばピレネー山中の町とか、グレートブリテン島の最北端とか、たっぷり時間

Aschaffenburg

今年は9月以降もなかなか気温が下がらなかった中部ドイツ。しかし、先週末ひと雨降って最高気温が一気に10℃以上下りました。今週末からいよいよ秋らしく雨天が続く予報が出たため、一昨日の晴天が広がった日に日帰り旅行に出かけました。行き先はアシャッフェンブルク(Aschaffenburug)。バイエルン州に属する街です。 アシャッフェンブルクと言えば、ドイツ中部独特の薔薇色をした石で建てられた壮麗な城(Schloss Johannisburg)。内部は美術館になっています。実はこの

クアトロ・ラガッツィ

毎年2回は会いに行く夫の叔母。彼女はフィレンツェに住んでいます。今回も春に引き続き彼女に会うため彼の地へ赴き、その後ヴィチェンツァを回って帰ってきました。 世界に名だたる有名かつゴージャスな都市が国内にズラリと揃うイタリア。そのイタリアにあってはヴィチェンツァは目立たない地方都市ということになるのかもしれません。その名を初めて聞くという方も少なくないと思います。しかし、この都市には他にはない目玉があります。欧州史上最初期の職業建築家の一人とみなされているアンドレア・パラディ

Leicaで撮るヴェッツラー

Leitz-Park Ernst Leitz Hotel Ernst Leitz Museum

アンナのドレスデン

とても面白い本を読みました。『Dostojewski in Deutschland(ドイツのドストエフスキー)』(Karla Hielscher著)という本です。 正確に言うと最初から最後まで読み通したのではなく、今までに自分が訪れたことがある場所について書かれた章のみ読みました。すなわちヴィースバーデン、ホンブルク(現在のバート・ホンブルク)、そしてドレスデンです。このうちドストエフスキーが最も長く滞在したのがドレスデンで、その期間は延べにすると2年半に及ぶそうです。そし

Weimar

今日、ふとしたことで手にしたCandida Höferの写真集『Weimar』。彼女の写真集は何冊か持っていますが、各国の図書館の写真を集めた『Library』と並び、この『Weimar』は一番好きな写真集です。何度も見返しているので、既にカバーがヨレヨレ。 2件目の写真は、この写真集に収められている『Goethe-Nationalmuseum Weimar II』という写真です。この写真を見て私はどうしてもこの場所へ行きたくなり、何年か前にWeimarまで足を伸ばしたこと

Ulm

すでに約2年も前のことになりますが、2022年7月最後の週、ウルム(Ulm)というバーデン=ビュルテンベルク州にあるドナウ川沿いの中規模都市(日本の感覚からすると、小さな街)へ行きました。川を渡ればバイエルン州です。ここには教会建築の中では未だに世界で一番高いと言われれる塔を戴く大聖堂(Münster)があります。この「世界で一番高い」とは一体どのくらいの高さなのか、一度は自分の目で見てみたいと以前から思っていました。この頃はまだコロナウィルスの感染拡大傾向が安定しておらず、

Siena

夫にとっては母親代わり、私にとっては欧州の母である夫の遠縁の叔母が住むイタリアへ8日間ほど行ってきました。3月末のことです。叔母が住むのはフィレンツェですが、今回はその前にシエナに滞在しました。今日はその時撮影した写真を何件か選んで投稿しようと思います。 ギムナジウムの旅行で初めてイタリアに行って以来その魅力に取り憑かれ、その後何十年間にもわたり数えきれないほどイタリアを訪れている夫に「イタリアで最も美しい街」と言わせるシエナ。「シエナ」というその街の名からして、私には美し

Tübingen

今日はチュービンゲン(Tübingen)の写真を投稿します。仕事がある夫をシュトゥットガルト(Stuttgart)に残し、10年前の夏、一人で出かけた街です。写真はで全てRolleiflex 2.8FとPRO400Hで撮影しました。 チュービンゲンには1477年に創設された古い大学があり、その昔、私の古い友人がこの大学に留学していました。 「チュービンゲンってどんなところ?」 「すごい田舎だよ。けっこう方言がきつくて、大変だった」 かつてそんな言葉を交わしたことを、シュトゥ