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カレル橋を渡る
前回の投稿に「今回の旅では、初めてヴルタヴァ川右岸に宿泊した」と書きましたが、そのホテルはカレル橋(Karlův most)から徒歩3分ほどの場所に位置していました。その結果、滞在期間中は毎日カレル橋やその北と南に横たわる橋を渡ることになりました。訪れたい場所が反対岸(旧市街側)にあったからですが、それよりも欠かせない理由は、美味しいパン屋さんが左岸にあったからです。毎日夕方になると橋を渡り、夕食のパンを買いに行っていたのです。
ドイツにはAbendbrot(パン中心の簡単な夕食)という習慣があります。我が家でも夕食はほとんどの場合軽く済ませます。ドイツに移住して夫のこの習慣に従うことにより、「あとは寝るだけ」の夕食時にあまりお腹にモノを入れないほうがよく眠れることに気づきました。ですから、旅先でも変わらずこの習慣を踏襲しているのです(その代わり、お昼はレストランでデザートまで含めてシッカリ食べます)。したがって、1日の終わりの食事を楽しく済ませるため、おいしいパン屋をみつけることは重要な使命の一つであり、例えそのパン屋が片道15分以上離れていようとも、毎日厭わず通い続けました。
そんなこんなで、橋を渡る時にたくさん写真を撮りました。今日はその写真を投稿します。まずは、たぶん欧州で最も有名な橋の一つであるカレル橋(Karlův most)の写真から。今回は「これでもか、これでもか」と実にたくさんの写真を撮影しました。
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なお、前回投稿に書きましたが、1月6日以降の平日のプラハは驚くほど空いていました。しかし、このカレル橋の上だけは、それこそ朝から晩まで、いつ行っても賑やかで人影が絶えませんでした。…とはいえ、夏休みや年末年始などのハイシーズンのカレル橋は、それこそ橋が落ちるのではないかというくらい足の踏み場もないほど混んでいるため、これでも十分「いつもより空いている」とは思うのですが。
そして、夜間にも撮影してみました。撮影に使用したのは、コーブルク(Coburg)のクリスマスマーケットを撮影した時と同様、Rolleiflex 2.8F、フィルムはいつものとおりIlford HP5 Plusです。
ただし、今回はクリスマスマーケットを撮影した時と異なり、光源が遠かったので、同じ条件で撮影したにもかかわらず想像したよりも暗くなってしまいました。Rolleiflexを使い手持ちで完全に暗くなったあとに撮影するには、これが限界なのかもしれません。
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ところで、今回の旅ではカレル橋の北側と南側に横たわる橋も何回かわたりました。北側に位置するのがマネス橋(Mánesův most)、南側に位置するのがレギ橋(Most Legií)です。
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橋の下には川が流れています。そして橋の欄干には必ず人がもたれて、凍てつくような1月の空気に包まれたまま、その水面を何とはなしに眺めています。その人たちは、川の向こうに見えるプラハ城や旧市街の家並みを見ているというよりは、それらを背景に従えている水面をボンヤリと見つめているように思えました。
海、湖、川。大量の水の傍らは多くの人にとって特別な場所だと思います。私たちは何故これほどまでに水に惹かれるのでしょうか。もしかしたら、私たちの身体の半分以上を占めるその水が、大量の水を呼ぶのかもしれません。