シェア
コットンにのせた化粧水を頬から迎えに行き、優しく置く。右頬からはじめて左頬、鼻筋、額。…
激しい雨が降る。そんな夜がある。斜めになって細く。針のように。 鳥も虫もそれぞれの厚…
午前二時のロビーに集ふ六人の五人に影が無かつた話/石川美南 「あかりを、つけないで」 …
ちょうど目的地手前の電線に黒い血と膿の充実したイボに似たかたまりが寄り添って並んでいる…
表でかそけき音がして、なじみの野良猫だろうと玄関を開けたらカッパがいた。こうらをこちら…
あたたかい闇が揺れる、ゼリーのように凝っている。一定のリズム。 エネルギーが送り込ま…
もう握手やめよっか、とみざおりちゃんが言った。他の人とはしているのにって思ったけど、特別扱い感じたことも確か。おれたちはいつも手の甲でぽんぽんとお互い励まし合った。正直、羨ましがってるオタもいたしね。 騙されてるって思わないようにしてたかな。 ある日彼女がおれの袖にメモ用紙を滑り込ませてきた。そういうアイドルがいるとは聞いたことはあったけどまさかね。怒りと喜びで混乱しながらトイレで開いたけど、あったのは電話番号じゃなくて彼女の秘密だった。 霊みたいなものが見える
なんか呪術っぽいんですよね、動きが。というのが、わたしたちのダンスチームへのコメントで…
また賽賀(さいが)さんのところにお客さんが来ている。ポットもコーヒーも頂き物のカステラ…
善人のふりをするのはおよしなさいと、耳打ちされたことがある。驚いて振り返ると、知らない…
相談ドットコムには今日も面白い話がたくさん集まってくる。 ID制の掲示板で、相談者が…