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遥か旅の記憶

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学生時代に訪れたヨーロッパ。 それはもう約40年も前の旅の記憶。
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遥か旅の記憶 1985.夏

遥か旅の記憶 1985.夏

プロローグ
1985年夏、
学生時代に訪れたヨーロッパ旅の記憶をたぐり寄せ、
ここnoteに残しておきたい。
それはもう約40年も前の旅。
情報は古過ぎて何の価値もないけれど、
私にとってはいつまでも色褪せない遥か旅の記憶だ。

夏の短期留学へ行くために大学2年の夏休み、
スペイン語学科だった私は、
夏の短期留学でスペインへ行くことに決めていた。
提携校のバジャドリ大学短期留学プログラムが大学主催

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遥か旅の記憶 1985.夏②

遥か旅の記憶 1985.夏②

1985年夏、
いよいよ始まるスペインバジャドリでのホームステイと短期留学。
40年前の記憶を手繰り寄せながら、またあの夏へとタイムスリップしてみたい。

イメージと違ったホームステイ私のホームステイ先のホストファミリーはかなりドライなタイプだった。

朝は誰もいないキッチンでルームメイトと2人でエスプレッソコーヒーを沸かし、
ガジェタと言って、マリーみたいな薄味のビスケットを5枚、
コーヒーにふ

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遥か旅の記憶 1985.夏③

遥か旅の記憶 1985.夏③

瞬く間に時は過ぎ、
スペインバジャドリでの短期留学もそろそろゴールに近づきつつあった。
残すはパリへの大移動だったのだが、ヨーロッパの鉄道にまんまとやられてしまった。

パエリア食べ過ぎ注意
そろそろゴールが見えてきたスペイン留学。
仲間同士の打ち上げとは別に、
ルームメイトとふたりでちょっと贅沢なごはんを食べに行こう、ということになった。

バジャドリで1番美味しいと評判のスペイン料理店を予約し

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遥か旅の記憶  1987.春①

遥か旅の記憶 1987.春①

プロローグ

1987年春。
大学卒業を目前に控えた2度目のヨーロッパ旅行。
所々あやふやになってしまった記憶をたぐり寄せ、ここnoteに残しておきたい。
それはもう約40年も前の旅。
情報は古過ぎて何の価値もないけれど、
私にとってはいつまでも色褪せない悠か旅の記憶だ。

逆ホームシック1985年夏、
スペイン短期留学とヨーロッパ旅行から戻った私とホームステイ先のルームメイトは、
日本に戻ってか

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遥か旅の記憶 1987.春②

遥か旅の記憶 1987.春②

1987.2.8.
いよいよ旅が始まった。
まずは成田に前入りし、
フィンエアでフィンランドのヘルシンキへ。
トランジットを経てポルトガルのリスボンまで。
11,190kmのロングフライトだ。

①オーロラを見たのは幻?成田発ヘルシンキ行きのフライトが午前便だったので、前入りして成田空港近くのホテルで一泊した。
ホテルから成田空港へはリムジンバスが出ていた。
バスに乗ったまま成田空港のゲートをくぐ

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遥か旅の記憶 1987.春③

遥か旅の記憶 1987.春③

リスボンで予約していたホテルがまさかの倒産で消滅していた。
そんないきなりのラテンの洗礼を経験したのち、
私たちはユーレールパスを使って列車でポルトに向かった。

①兵役中の軍人さんとの出会い次なる目的地のポルトはワインで有名な街だ。
私は飲めないのだが友達は大のワイン好き。
就職先も主にワイン輸入を手がける食材輸入会社に就職したほどなので、ぜひポルトには行ってみたかったらしい。

途中、長めの停

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遥か旅の記憶 1987.春④

遥か旅の記憶 1987.春④

いろいろな出会いがあったボルトガル。
出会った人はみんな親切で優しかった。
名残惜しい気持ちを残しつつ、
スペインへと列車の旅は続く。

①ガリシア地方の車窓から前回のスペイン旅では行かなかった北西部ガリシア地方からカスティーリャ地方を目指すことにした。
車窓からの風景はどことなく日本の山間の風景と似ている。

途中、長めの停車中に運転手が客席にやって来た。
「運転席を見せてあげるよ。」
運転中の

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遥か旅の記憶 1987.春⑤

遥か旅の記憶 1987.春⑤

バジャドリでセセとの再会を果たした私達は、ユーレールパスを使ってスペイン国有鉄道RENFEに乗って南下した。
マドリードからクエンカへと旅は続く。

①セゴビア城の白雪姫?バジャドリと首都マドリードの中程にセゴビアという町がある。
この町には水道橋とセゴビア城という2大観光名所があるので、途中下車して見ておくことにした。

水道橋は古代ローマ紀元1世紀頃に造られたスペイン最大の水道橋で全長728m

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遥か旅の記憶 1987.春⑥

遥か旅の記憶 1987.春⑥

素敵な出会いがあったクエンカを後にして、私たちは一旦南下してバレンシアに立ち寄り、その後いよいよスペイン最後の目的地バルセロナを目指して東へ向かう。

①バルセロナバルセロナはイベリア半島北東岸に位置し、地中海に面した平野にある。
カタルーニャ州の州都で、人口はマドリードに次いでスペイン第2位の都市だ。

②バルセロナ観光と近郊の町へバルセロナには見どころがたくさんある。

まずは美術館。
スペイ

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遥か旅の記憶 1987.春⑦

遥か旅の記憶 1987.春⑦

バルセロナを後にして、私達は夜行列車でスペイン国境を通過してフランスのリヨンに入った。
1985.夏の夜行列車国境超えの時のようなハプニングはなく、
無事にリヨンに到着することができた。

①数珠つなぎはまだ続いていたラテンのノリはスペインまでと思っていたら、リヨンに着いた瞬間、日本語で「日本人ですか?」と声をかけられた。
リヨン大学で日本語の勉強をしているモロッコの若者だった。
モロッコ人の公用

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遥か旅の記憶 1987.春⑧

遥か旅の記憶 1987.春⑧

ユーレイルパスを使って、この旅の西ヨーロッパ最後の国、ドイツへ。
スイスジュネーブからドイツミュンヘンへ入り、ハイデルベルク、フランクフルトへと向かう。

①呆気ない列車での国境超えヨーロッパでは、
ポルトガルからスペインへ、スペインからフランスへ、フランスからスイスへと列車での国境越えを体験した。
今回もスイスからドイツへの国境越え。
国境の町に入ると役人が列車に乗り込んで来て、パスポートにポン

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遥か旅の記憶 1987.春⑨

遥か旅の記憶 1987.春⑨

この旅で利用したフライト60日間オープンチケットには、成田〜ヘルシンキ往復、ヘルシンキ〜ヨーロッパ1都市、ヨーロッパ1都市〜ヘルシンキのチケットが付いていた。
私たちの鉄道旅の終点であるフランクフルトからフィンエアーで一路ヘルシンキへ飛んだ。
いよいよこの旅のフィナーレ。
フィランドヘルシンキに到着した。

①フィンランドは氷の世界だったフィランドに着いたのはもう3月も半ば。
これまでの私たちの旅

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