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#小説
「掌編」願いを叶える子「小説」
私には分からなかったのです。
「××ちゃん、そっちのやり方より、こっちの方がいいよ」
私はとても不器用な人間でした。靴紐も結べない子供でした。算数が苦手でした。スキー教室で山を滑ることすら、怖くてたまりませんでした。だけど、皆は優しくて、そんな私にアドバイスをくれたのです。
「そうやったら、危なくなっちゃうから……教えてあげるね」
私はその行為に常に感謝しました。私は駄目な子だからでしょう
「小説」代替品のセックスで「描写注意」
大人向けの描写があります。
良い子になりたいと思った。
本当にそう思っていたのです、お父さん。
荒い息が聞こえる。耳元でだ。まるで聴覚からでも犯したいというものを感じる。私の股を割入って、打ち付けているのは男だ。まるで救いを求めるように私にしがみついている。挿入された熱い男のそれは、私の中をぐちゃぐちゃのどろどろにしていく。最初に挿れた時は確かに押し入れたような気がしたのだ。だけど何度も何
君との「今」を切り取る(小説)
あと一週間で桜は東京に行く。季節は冬が終わり、春がはじまったばかり。服の隙間から入る風が、心なしか温かく感じる頃だ。
先々週まで僕と桜が高校三年生だった。
四月になれば僕は地元の地方大学に通い、桜は東京の専門学校に進むことになった。彼女はそこで美容師の資格をとるらしい。
「あー」
そう僕が言うと、桜は読んでいた文庫本を閉じて。
「どうしたの、そんなに気が抜けて……」といぶかしげに