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「生きづらい」のは甘えなのか?アラフォー世代の生きづらさの本質と向き合い方
こんにちは。心理カウンセラーの岩沢です。
この記事では30代から40代、アラフォー世代が「生きづらい」と感じること、それに対して「甘えでは?」と自分を責めてしまう心理の本質と向き合い方について解説していきます。
「仕事も家庭も、なんとかこなしているはずなのに。なぜこんなにも生きづらく感じるんだろう。でもこれって、単なる甘えなのかな...」
そんな思いを抱えているあなたへ。まずは、その正直な気持ちに耳を傾けてみましょう。
30代後半の男性が感じる「生きづらさ」の実態
「同期は管理職に昇進したのに、自分はまだ...」
「子どもの教育費、老後の準備、このままで大丈夫なのか…」
「家族を養うことはできているけれど、本当にこれでいいのか分からない…」
仕事をしている中で、あるいは家庭で、このような不安や焦りを感じることがあると思います。でも、その不安や焦りは、決して特別なものではありません。
実際、例えば厚生労働省による労働安全衛生調査(令和5年)によると、30代のうちの86%が仕事や職業生活に関する強い不安や悩みを感じていると報告されています。
また内閣府による世論調査(令和5年11月調査)においては、30代のうち約76%が、日常生活での悩みや不安を抱えている(悩みや不安を「感じている」「どちらかと言えば感じている」の合計)との報告もあります。
つまり30代の5人に4人は何かしらの悩みを抱えているといえるのです。
このとおり、あなたが生きづらいと思うことは甘えなんかではありません。多くの人にとって起こり得るものであり、経験されるものなのです。
にも関わらず、どうしても「生きづらい、そんなことを感じるのは甘えなのか…」と思って自分を責めてしまうのはどうしてなのでしょうか。
「甘え」と感じてしまう背後にあるもの
「周りは普通にやれているのに...」
「もっと頑張れるはずなのに...」
あなたが感じる不安や焦り、そういった悩みを抱えていると、誰でも弱音を吐きたくなることもあります。
にも関わらず、それらに対して「甘えてはいけない」「もっと頑張らなくてはいけない」と自分の気持ちを覆い隠したり否定したりして、自分を無理やり鼓舞しようとしてしまう。
そうやって自分の感情、自分の思いを「甘え」と否定してしまう背景には、日本特有の「頑張り文化」や「男らしさ」への固定観念が影響していると考えられます。
「男が社会に出て働き、大黒柱として家計を支える」という価値観もまだ残っているように感じますし、その一方で「男も子育てに参加すべき」という新たな価値観も生まれてきています。
こうした矛盾のもと、日々の生活の中で様々な悩みや不満、不安を感じます。
ですが「男は弱音を吐いてはいけない」という価値観もあり、行き詰まってしまうのです。
つまりは社会からのプレッシャーが強いせいで「生きづらい、そう感じることは甘えなのでは…」などと考えてしまうのです。
でも、そんな風に自分を追い込まなくていいんです。
30代で感じる生きづらさの本質とは
心理学者のダニエル・レビンソンによるライフサイクル理論によると、30代後半からの時期は「人生半ばの過渡期」と考えられます。
この時期の役割とは、これまでの過去を振り返ってできたこと、できなかったことに向き合いながら、次に向けての準備をする時期です。
いわば人生の棚卸し、といえる時期ですね。
また、特に人はネガティブな面に注意を向けてしまう「ネガティビティバイアス」という認知の偏りもあります。
ですので過去を振り返ると「できなかったこと」「うまくいかなかったこと」ばかりが目に見えてしまうということもあります。
この時期は、そんな自分自身の「できなかったこと」に目を向け直さなくてはいけないので、非常に辛い時期なんですよね。
それに加えて体力的な衰えを実感する時期でもあり、また子育てに伴い将来的な不安にも直面せざるを得ない時期でもあり…30代後半からの時期というのは、本当にストレスフルな時期といえます。
このように様々な面で悩みや不安、ストレスに直面せざるを得ない時期ですので、「甘え」などという個人的な要因に影響されるものではなく、この時期は生きづらさを感じて当然なのです。
とはいえ、この時期の役割はネガティブな意味合いだけではありません。この時期は次の世代や社会に対して自分が何を残せるのかを考える大切なプロセスでもあります。
つまり、あなたが感じている「生きづらさ」は、より充実した人生を求める健全な欲求の表れとも言えるのです。
ではそうした大切なこの時期の生きづらさに、どのように対処していけばよいのでしょうか。
生きづらさと向き合うための具体的なヒント
まずは、毎日の生活の中で、ほんの少しだけ自分に向き合う時間を作ってみましょう。たとえば通勤電車の中で、あるいは夜寝る前のほんの数分でいいのです。
そんな自分に向き合う時間の中で、その日にあった出来事や、感じた感情を静かに振り返ってみてください。
他の記事にも記載していますが、やはりこのような自分自身に向き合う時間を取るということは、とても大切なことです。
そしてそれら、あなたが感じたことや考えたことをノートに書いてみましょう。
これをジャーナリングと言い、自分の感情を整理するのに効果的です。
また、そのようにあなたが感じた気持ちを誰かに話してみるのもいいかもしれません。信頼できる友人や家族でも、カウンセラーのような専門家でも構いません。話すことで、気持ちが整理されていくはずです。
もしかすると「話したところで何も変わらないのでは…」そんな風に思うかもしれません。しかし、言葉にすることで自分の気持ちが明確になり、新たな気づきが生まれることもあります。
そして特にカウンセラーは、そうした作業に寄り添うプロです。ぜひ専門家の力を借りながら、これまでを整理し、これからに向けて目を向けてみましょう。
新たな一歩を踏み出すために
「でも、本当に変われるのだろうか...」
その不安な気持ち、とてもよく分かります。
でも、変化は必ずしも大きな行動を必要としません。
まずはあなたの生きづらさや感情を「甘え」と否定せず、あるがままに受け入れることから始めてみましょう。
あなたの「生きづらさ」は、より良い人生を求める気持ちの表れです。それは決して「甘え」ではなく、新しい可能性への第一歩なのです。今、この記事を読んでいるあなたは、すでに前に進もうとする勇気を持っています。
この記事があなたの新しい一歩を支える力になれば幸いです。
あなたは決して一人ではありません。一緒に、ゆっくりと前を向いていきましょう。
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以上、【「生きづらい」のは甘えなのか?アラフォー世代の生きづらさの本質と向き合い方】でした
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