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全国自然博物館の旅【51】横須賀市自然・人文博物館

近代から港街として栄えてきた横須賀。三浦半島の大自然へ繰り出す際、ここは生物マニアにとって重要な拠点となります。ただ、その前に街の中にある学術施設にてたっぷりと自然学習をしましょう。
横須賀の見どころは、海上自衛隊の護衛艦や横須賀海軍カレーだけではありません。なんと、入館無料の超ハイクオリティ自然博物館があるのです!


大自然のロマンと平和への願いが満ちる横須賀

東京都心から容易にアクセスできる横須賀は、生物マニアにとってはお馴染みの地域なのではないでしょうか。港街から足を伸ばせば、三浦半島の壮美な大自然が待っているーー本当に素敵な環境だと思います。筆者の目当ては自然環境と生き物ですので、まずは横須賀の街を通り越して浦賀に向かいました。

生物観察をしたい人は、横須賀の街を通り越して、浦賀方面へ行きましょう。三浦半島の豊かな海と緑の中、たくさんの生命と出会ってください。

海と山にて自然学習を満喫した後、Uターンして京急電鉄の横須賀中央駅に戻ってまいりました。その理由はただ1つ、憧れの横須賀市自然・人文博物館を訪れるためです。

軍港都市の歴史を受け継ぐ横須賀は、海上自衛隊の拠点の1つ。博物館の観覧前後で、かっこいい護衛艦を拝むのもいいと思います。ただ、護衛艦の停泊地に行くなら、横須賀中央駅よりもJR横須賀駅の方が近いです
浦賀での生物観察を楽しんだら、いよいよ博物館のある横須賀の市街地へ。最寄り駅は京急電鉄の横須賀中央駅となります。
横須賀中央駅の西口を出たら、坂を登って商店街の方面へ歩いていきます。商店街の近くの平和中央公園の中に、自然人文博物館があります。

横須賀中央駅の西口から坂を上がり、徒歩10分ほどで平和中央公園に到着。旧日本軍の演習砲台跡を利用して造られた公園であり、戦没者の方々の慰霊碑が立っています。高台に位置してるため眺望は抜群で、東京湾や対岸の房総半島まで拝めます。
世界平和を標榜する元軍港都市・横須賀ならではの素敵な公園。ここに目的の博物館が座しています。

平和中央公園に到着。学術施設や文化会館、世界平和を願うモニュメントが立つ都市公園です。
公園の高台から眺める横須賀の港街。かつて軍港都市だったこともあり、街には海軍関係の歴史的資料がたくさんあります。

園内にはサクラやアジサイなど麗しい花木、丘陵や海岸でみられる植物などが植栽管理されています。彩り豊かな植生を求めて、昆虫などの小動物も集まってくるので、横須賀市民の方々にとっては身近に自然を感じられる場所となっています。
ぜひとも、美しい緑の景観と海の眺めを楽しみながら、園内をじっくり散歩してみましょう。あらゆる角度に視点を向けてみれば、意外な生き物との出会いがあるかもしれません。

公園内では、木本植物に紹介プレートが添えられています。小動物も季節によって様々な種類が見られますので、まったり散策してみてはいかがでしょうか。
公園内の動植物の生息状況に関しては、自然博物館の学芸員さんが定期的にモニタリングされています。どんな生き物が棲んでいるのか、博物館のスタッフさんに訊いてみるのもとっても勉強になると思います。

生物観察しながら園内を一周したら、満を持して博物館へと向かいましょう。横須賀市自然・人文博物館は、その名の通り、自然博物館と人文博物館の2本柱で構成されています。今回ご紹介するのは自然博物館ですので、1階のエントランスに入って、左方向へ進んだ展示エリアをご案内していきます。

三浦半島と東京湾、そして世界の生命の真理に触れられる学術施設。超ハイクオリティな展示が盛りだくさんでありながら、なんと入館無料です。ありがたく、全力でたっぷり深く勉強させていただきましょう!

博物館に到着。とっても素晴らしい学術施設であり、無料で入館させていただくのは申し訳ない心地になります。
エントランスホール。左側に進めば、自然博物館の常設展示エリアとなります。
2階にも入口があります。公園内の2方向から入館できるので、来館者にとってはリーズナブルですね。

横須賀地域と地球の大自然が博物館に濃縮!

三浦半島の陸と水に広がる生命の楽園

それでは、横須賀が誇る究極の博物館を1階から観覧していきたいと思います。1つのフロアごとの展示空間はとても広く、標本や解説資料は膨大な数にのぼります。筋金入りのマニアなら、どっぷり浸って幸せな時間を過ごせるでしょう。

1階の展示室。膨大な数の現生動植物・古生物の標本が展示されています。

館内に特に順路は決まっていませんが、筆者は左回りのルートで観覧していくことにしました。まずは、古生物ファン垂涎の化石展示からです。
本館で筆者が強く関心をそそられたのは、ジュラ紀前期の恐竜たちの足跡です。グララターやユーブロンテスなど、レプリカとはいえ非常にマニアックな肉食恐竜の足跡が拝めるのは貴重な体験です。

古生物展示物コーナー。古生代から新生代まで、非常に幅広い時代の化石標本が目白押しです。
岩手県産のレプトドゥスの化石。貝に似ていますが、腕足類という別の生き物です。
肉食恐竜グララターの足跡化石レプリカ。ジュラ紀前期の北アメリカにおいて、彼らの足跡が大地に刻まれたのです。
ユーブロンテスの足跡。グララターよりも大きな肉食恐竜だったと考えられます。
新生代の動植物の化石たち。ナガスクジラ類の椎骨のボリューム感はすさまじいですね。

続いて現生動植物の展示を見ていきましょう。美しい海と豊かな緑を擁する三浦半島には、たくさんの海浜植物が生息しています。「横須賀の花」と呼ばれるハマオモトも、海岸性の草本植物です。本館で濃密学習しておけば、三浦半島の散策時の植物観察がとっても楽しくなると思います。

「横須賀の花」であるハマオモト。海岸性の植物であり、夏に白くてきれいな花を咲かせます。
生息環境ごとに、写真とキャプションで植物の特徴を解説。海浜植物にも様々なタイプがあるとわかります。
たくさんの植物の乾燥標本。植物の特徴が観察しやすいので、非常に有用な標本です。

海と山林が広がる三浦半島では、陸棲・水棲問わず多くの貝類徒出会うことができます。貝類コレクターにとって、本館の標本展示はとっても魅力的に感じられることでしょう。陸でも水でも大繁栄している貝類は、本当に興味深い動物群ですね。

陸棲貝類オオケマイマイ。その名の通り、殻には毛状の突起が生えています。
マツカワガイ。漸深海に棲む貝類です。
独特なクロアワビの殻。潮間帯に生息する貝類です。
オキナエビスの殻。彼らの殻の構造は巻貝の中で最も原始的であると言われており、オキナエビスは貝類の進化を考えるうえで重要な「生きている化石」なのです。
三浦半島沿岸に棲む貝類の垂直分布図。他にも解説資料はたくさんありますので、隅々まで目を通し、三浦半島の貝類相を理解しましょう。

水棲貝類に引き続き、本館の水棲生物の標本展示は超豪華! 海洋生物の生息状況を、標本と地形図の組み合わせでわかりやすく解説してくれています。

水域環境の図に合わせて、標本や写真を配置。どのような環境にどのような生き物が棲んでいるのか、視覚的に理解できます。
干潟の土壌は、甲殻類のパラダイス。様々な種類のカニたちが棲んでいます。
タコノマクラの殻。こう見えてウニの仲間です
標本とイラストで海浜性の昆虫を紹介。昆虫たちは海辺でも暮らしているのです
漁師さんによって捕らえられる海洋生物たちを、漁の手法ごとに分けて展示。イセエビの刺網では、これほど多くの生き物たちが採集されているのです。

そして、もちろん水の生き物として忘れてはならないのが魚です。横須賀地域では、海水域・淡水域共に豊かで魅力的な生態系が存在しています。
本展示では、魚たちの種類や生息状況について学べるうえに、水域環境が直面する問題に関しても解説してくれています。横須賀地域の生態系と保全への課題、本館でどちらも深く学習しましょう。

三浦半島の海水魚の剥製展示。シノノメサカタザメの存在感が圧倒的ですね!
クロウシノシタ。独特な形態の魚たちも多数展示されていて、とても楽しく学べます。
三浦半島の淡水魚保全への啓発キャプション。横須賀地域に残された貴重な自然を守るため、現状を理解することから始めましょう。
立派なシーラカンスにびっくり。化石標本をはじめ、古代魚の展示コーナーも充実しています。

続いては、壮麗で力強い鳥たちの展示です。水環境と緑が豊富な三浦半島には、四季を通じて様々な鳥たちが現れます。ずっと横須賀地域に留まる鳥もいれば、夏や冬に地域外から渡ってくる鳥もいます。かっこいい剥製に魅了されながら、彼らの生態を詳しく学んでください。

鳥類展示コーナー。多数の剥製や解説資料によって、三浦半島の鳥たちの生態を詳しく学べます。
複数のミズナギドリ類の剥製を展示。沿岸に巣を作り、沖合で狩りをする海鳥です。
アオバズク。人間にとっては可愛いですが、小動物たちからすれば恐るべき捕食者です。
ウミウとクロサギの剥製。三浦半島には彼らの群生地が存在し、当地は神奈川県の天然記念物に指定されています。

爬虫類・両生類たちからも目が離せません。三浦半島の山林には数多くの貴重な種類が生息していて、生態系の中で重要な役割を担っています。かっこいい模型や剥製、濃密な解説資料にあふれていて、見ごたえ抜群です!

模型や剥製を用いて、活き活きとしたポージングで展示。こちらのアオダイショウは日本で最も長いヘビであり、小型の鳥(卵を含む)や哺乳類を捕食します。
トウキョウサンショウウオ。関東地方に分布する平地止水性の両生類です。
外来種のカメ類の分布に関する資料。不幸な外来生物を増やさないために、一度飼った生き物は何があっても最後まで面倒を見なければなりません
マムシの頭の断面図。白い部分は「毒腺」であり、牙とつながっていて、噛みついたときに相手に毒を注入します。

超特化型の濃密展示! 世界の発光生物が大集合!!

そして、本館の大きな強みの1つが、種族・生息環境の垣根を越えた発光生物たちの一大展示コーナーです。1つのテーマでこれほど大きく濃密な区画が作れるとは、博物館のスタッフさんの創意工夫と努力に大尊敬の念を覚えます。
まさに自然界の神秘とも言うべき生物発光。その奇跡のメカニズムと、光る生き物たちの驚きの生態を心ゆくまで探究してみましょう。

発光する腔腸動物ウミエラ類の液浸標本。海底で群体を形成して暮らしています。
ヒカリクモヒトデ。発光する棘皮動物の一種です。
光る節足動物ウミボタル類の殻。見たことのある人も多いと思いますが、夜の海の青白い光は、彼らの生物発光です。
生物たちの発光生態について、写真とキャプションで解説。ユニークな生き物のオンパレードに、マニアは超大興奮します!

優秀な発光生物として名高いのが、イカの仲間です。日本人にお馴染みのホタルイカをはじめ、深海には光るイカがたくさん生息しています。
皮膚の広範囲に発光器官を備えていたり、目眩ましとして発光液を吐くイカたちは、まさに光の忍者。その不思議な生態を学べば、彼らの神秘性にますます魅せられていくことでしょう。

大きなユウレイイカの液浸標本。発光するイカたちは、体の至るところに発光器官を備えています。
ヒスチオトウチスの一種。深海性のイカたちには、発光する種類が数多く知られています。
「発光液を放出するイカ」の解説資料。暗黒の深海では、発光液が強烈な目眩ましとして機能します。

無脊椎動物に続き、魚たちも優雅でミステリアスな発光を見せてくれます。特に深海魚は、様々な用途や目的で発光を駆使してくれます。本展示を通して、魚たちが魅せる深海世界のイルミネーションを強くイメージできます。

セイタカヒイラギの解剖模型。緑色の部分が発光器官です。
マツカサウオの一種の模型。緑色の部分が発光器官です。発光する部位や発光器官のサイズは、種類によって様々です。
ヒカリキンメダイの液浸標本。頭部に発光器官があるのはオシャレですね!
深海生物のジオラマ模型展示。チョウチンアンコウは、発光によって獲物となる深海魚を誘き寄せます。

水中のみならず、陸上にも発光生物はたくさんいます。本館の展示によって、意外な種類の発光生物がいる事実を知り、誰もが驚くことでしょう。地球上には、生き物たちのイルミネーションが壮大に広がっているのです。

発光するミミズ類の液浸標本。陸棲種だけでなく、水棲のミミズにも光る種類がいます。
八丈島に生息する発光性のキノコ類。シイの木に群生する性質があります。
陸上の発光生物と言えばホタル類。本館では、国内外の多数のホタルたちを昆虫標本で拝むことができます。
ホタルの生態や発光に関する解説パネル。種類ごとに形態や発光パターンが異なっていて、とっても興味深いです。

ナウマンゾウ発見の聖地・横須賀

1階の展示室で現代の自然の神秘を学んだら、2階へと上がっていきましょう。そこで待ち受けるのは、太古の横須賀を統べていた生命です。
特に注目していただきたいのはナウマンゾウです。なんと、世界初のナウマンゾウ化石は横須賀産の個体なのです。この事実を踏まえたうえで、新生代の古生物学習を進めていきましょう。

2階展示エリア。ハロウィンの時期に来館したので、ナウマンゾウの骨格には装飾が施されています。ということは、もしかしてクリスマスには……。
ナウマンゾウの復元模型。世界初のナウマンゾウ化石は、1867年に横須賀で発見された個体なのです。
通路の床面に貼られているのは、ナウマンゾウの足跡化石の写真。実物化石は、横浜市の保土ヶ谷区にて発見されました。

ナウマンゾウの聖地ということで、本館の標本展示は超充実。横須賀で発見された骨格の数々を拝めるうえに、濃密な解説資料でナウマンゾウの形態的な特徴や進化を学べます。ナウマンゾウ探究を極めるならば、ぜひ横須賀を訪れておきたいですね!

横須賀にて産出したナウマンゾウの上腕骨。地層の年代は約40万年前と推定されており、日本産のナウマンゾウとしては最古クラスとなります。
横須賀産ナウマンゾウの下顎化石のレプリカ。横須賀では、重要なナウマンゾウ化石の発見が連発しています。
ナウマンゾウの足跡。彼らは日本の広範囲に分布しており、全国的に様々な化石が見つかっています。
ナウマンゾウとマンモスの臼歯の比較。ゾウ類は種類ごとに歯の形態が異なっているので、同定の際の指標となります。
ヤベオオツノジカの角化石のレプリカ。ナウマンゾウと同時期に生きていた大型のシカ類です。

お次は、ナウマンゾウの時代を含めた環境史の総合学習。化石の発掘調査と研究により、太古の三浦半島にはとても豊かな生態系があったのだと判明しています。三浦半島の自然環境がいかにして形成され、どんな生き物たちが栄えていたのか、想像するだけで好奇心が沸き上がります。

三浦半島の大地の成り立ち。横須賀産の多数の化石標本が展示されています。
ビジュアル満載の資料で詳しく三浦半島の環境史を解説。約500万年前の三浦半島周辺には、壮大な海原が広がっていました。
横須賀で発見されたダイオウキヌタレガイの化石のレプリカ。「化学合成生物群集」と呼ばれる特殊な環境に棲む生物であり、海底から湧き出すメタンなどを活用して生きていたと思われます。
古代の貝類ミウラニシキの化石。本種が発見された三崎層(約1200万~約440万年前)をはじめ、新生代の地層が豊富に存在する点も三浦半島の魅力です。
約40万年前の地層から出土したホホジロザメ類の歯。ナウマンゾウが陸地を歩いていた頃、海では強大なサメが君臨していたのです。

2階フロアが展示のゴールではありません。ナウマンゾウに別れを告げたら、階段の踊場へ向かってください。すると、巨大なオオスズメバチと目が合うはずです。
昆虫関係の展示を目の当たりにし、筆者のテンションはさらに爆熱。探究心が燃え上がりますね。

階段の踊場にて、オオスズメバチの頭部の拡大模型が出現。この大顎で他の生き物を仕留め、獲物の肉を巣の中の幼虫へと与えるのです。
こちらは翅の拡大写真。翅脈はルーペや顕微鏡を使わないとなかなか確認できませんが、本展示ではくっきりと見えますね!
本館の偉大なる業績! 新種の昆虫カマクラキクイムシを命名。極めて興味深い解説資料に、昆虫マニアの目は釘づけです。

そのまま階段を登っていくと、超レアな海洋生物展示が待っています! サケガシラやアカナマダをはじめ、深海魚の液浸標本が数多くの並んでいます。未知なるフロンティア・深海に不思議な生命が泳ぎ回っていると想像すれば、神秘の海洋へのロマンを強烈に感じます。

階段を登りきった先にも展示コーナーがあります。どの博物館でも同じですが、展示を見逃さないように、必ず全てのエリアを歩いて通るようにしましょう
巨大な深海魚サケガシラの液浸標本。三浦半島南端の海域にて捕獲された個体です。
リュウグウノツカイをはじめ、珍しい深海魚の液浸標本がいっぱい! 日本の海の底にも、未知なるフロンティアが果てしなく広がっているのです。
人間の子供ほどの大きさがあるソデイカ。世界中の暖海に棲む大型のイカです。
ハリイバラガニの標本。相模湾には多様な深海性のカニが生息しています。

横須賀地域の太古と現代の自然。そして、超専門特化型の発光生物展示。本館だけで得られる知識がたくさんあり、観覧後も筆者の心は燃え盛っております。この学びの尊さを理解するには、現地で体験するのが一番です。
横須賀のスーパー学術施設として、筆者は本館を強く推します! もちろん軍港都市の歴史スポット巡りも横須賀の醍醐味ですが、ぜひ多くの方々に自然博物館で最高の学習を経験していただきたいと思います。

平和中央公園の生き物の生息状況については、本館のスタッフさんが月次的に調査されています。観察イベントは定期的に開催されていますので、ぜひ参加して学芸員さんから知識を授けてもらいましょう!

横須賀市自然・人文博物館 総合レビュー

所在地:神奈川県横須賀市深田台95

強み:三浦半島を含めた横須賀地域の膨大な生物・化石標本、多種多様な分類群を対象とする超ハイクオリティな発光生物の専門展示、ナウマンゾウをはじめとする学術的に極めて重要な三浦半島産の化石標本

アクセス面:横須賀の市街地にあるので、アクセス環境は良好です。自家用車・公共交通機関、どちらもオススメします。車で来訪する場合は、お隣の横須賀市文化会館の有料駐車場を利用しましょう。公共交通機関をご利用されるなら、京急電鉄の横須賀中央駅の西口から歩いて向かうのが最短コースです。ただ、他県の方が京急線で東京都心を経由する場合は、平日の朝なら間違いなく横浜エリアまで通勤ラッシュに巻き込まれます。思いきってリスクを許容して満員電車に乗るか、時間をずらして遅めに出発するか、そのときの状況に合わせて判断していただきたいと思います。

「これほど素晴らしい博物館に無料で入っていいんですか!」と叫びたくなるほど濃密な学びに満ちた学術展示施設。横須賀地域の現代の自然環境、ナウマンゾウが闊歩していた頃の新生代の生態系について、究極的に掘り下げて学習できます。三浦半島のフィールドワークと合わせて本館で学べば、現地の自然学習の楽しみと成果が倍増します。
そして驚くべきことに、クオリティも資料数も段違いの発光生物に関する大規模特化型展示を拝めます。生き物の発光について、これほど網羅的・専門的に学べる博物館は少ないです。生命の神秘を理論的に感じられる、本館だけの素晴らしい強みだと思います。
超濃密で貴重な学術体験。改めて言いますが、無料で観覧するのが申し訳ない気持ちになれます。筆者の中で、本館は横須賀の最強推しスポットになりました!

横須賀の海でも、プラスチックごみによる汚染は深刻な問題です。三浦半島を含めた横須賀地域に棲む生命の保全のため、1人1人の意識が重要となっています。

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