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詩作、過去作品 公開保存用

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#投稿

姪と少尉

川の淵の時計のように揺れるところだけ柔らかく触れ、姪は少尉のことを筆記体で綴ろうとした。荷物を持たない姪の手は倫理の外にあり、液体の郵便を待っている。日光を透過させる耳。ホウセンカの種子を指でこすったことがあっただろうか。毛糸の小鳥が飛び出す仕掛け絵本に触れたとき姪は、犯罪をそっと皮膚でおこなう青年に懸想して、夏野菜を皿のすみに残した。シメスヘンという部首を何度も練習する直後になると思うから、潤沢

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失業保険

。ん、ああ、、そう潮干狩りのような午後。遠近法の風が流れて、そうめんつゆが古い木のテーブルに染み込もうとしており、それは、ストレートタイプだった。あなたのゴシック体が嫌いです、と偏西風のように囁かれても他の書体を知らず、いま思いつく字というと、タイプライター。阿倍仲麻呂。音を立てずに、花言葉を調べなければならなかった。そんな時、打楽器で癖になったささやかな腱鞘炎が蘇って、洋梨の、果肉の病気を間近で

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羊歯植物記

兄妹

妹の、遺骨を目指していた。かつて戦争を望み追放された兄は朽ち果てたのち、純粋な精神にまで分解されながらも、羊歯植物をとおして、その茎を伸ばした。読書をする妹のための、指の骨を探しながら植物の、地下でもおこなわれる呼気。殺人を犯そうとするものの側でも食事をとり、無関心に喪失した主格で、死に続ける喜びを、生きたまま知ることができるかわからなかった。もはや、幻想の妹よ。妹が亡びていたとしても兄は

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