身体性認知について考える【読書のキロク】
こんばんは、"もっちゃん"です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
だんだん、教職大学院における研究の内容も焦点化されてきて、少しずつ書籍を読むばかりでなく、時間を各論文に割くことが多くなりました。
ちびちびと読書も継続してはいますが、どんどん積読が増えるばかりです。
もうすぐ1メートルに達するのではないでしょうか。(言い過ぎか?)
そんな中、やっとこ読み終えた本のキロクです。
◯今回読んだ本:『身体と魂の思想史 「大きな理性」の行方』 著者:田中彰吾 講談社選書メチエ
書店でタイトル買いしたものになります。
ずっと読もう読もうと思っていたのですが、なかなか手がつけられず今になってしまいました。
◯概要
哲学的な系譜から、認知科学に至るまでの流れ、そして脳神経科学も含めた広がりまで書いています。
◯雑感
正直、けっこう難しかったところもあり、自分の理解が至っていないところが多々あります。
ですが、思想史というだけあって、その現在に至るまでの考え方の流れは丁寧に書かれており、なんとなくわかったように思います。
ただ、まだ半わかりの状態な部分も多く、下手げに公開する記事は書けないので、少し薄っぺらい記事になってしまいます。
◯身体性認知という視点
自分が興味のあるところだけでも。
本書の中で「身体性認知」という言葉が出てきます。
本書に出てきた表現で、一番簡単に言うと、
認知が主体の身体性に依存する
ということです。
シンプルな例で言えば、
ヒトとウマでは、顔の形状など身体構造が大きく異なる。
そしたら認知できる世界のあり方も大きく異なる。
ということです。
(この例も本書にありました)
同じヒトの中でも、個に関してはひとりひとり異なるものです。
それぞれが認知できる世界は異なり、それは身体に依存している
ということかと思います。
それはそうかな!と私は思います。
本書では、それが拡大された4E認知というものにも触れていたりします。
ここまではまぁなんとなくわかっていますが、そこから「心」について検討しているのが面白いと思いました。
◯身体と環境の「あいだ」に拡がる心
上記を踏まえて考えると、
心を身体と環境の「あいだ」に拡がるものとしてとらえる
ということにつながってくるようです。
以前、認知科学における「プロジェクション」という捉え方を記事にしました。
この考え方につながってくるものと思います。
また以前、デューイについても記事に書いたことがあります。
なんか、みんな行き着くところはここなのだろうか…。
「あいだにある」という考えは、とてもしっくりくるものだと思います。
これから研究を進めていくにあたっても、大切にしておきたい視点だと思います。
ちなみに、本書においては、そのもう少し先の考え方まで書かれています。
ただ、私はまだそこまで至ることができていない、という感じです。
◯たくさん参照したい本
本書では、今回取り上げた「身体性認知」も含めた、身体と精神ということへの思想を、
その流れがわかるように書かれています。
少し難しいところではありますが、現在主流の考え方のベースを探る際にはとても助かる本だと思います。
私も今後また読み返しながら、自分の中で解釈を深めていきたいと思います。
そんなことを考えた1冊でした!
読みやすい本ばかり最近は手を出していたように思います。
がっちり考えを深められるよう、しっかり読み込んでいきたいです。
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