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本質観取をはじめるには?家でも学校でも【読書のキロク】

こんばんは、“もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

今回は【読書のキロク】です。
現職の先生にご紹介いただき、読んだ本についてキロクします。

◯今回読んだ本:『親子で哲学対話 10分からはじめる「本質を考える」レッスン』 著者:苫野一徳 大和書房

本質的なところを紹介しつつも、雑誌連載がもととなっていることもあり、エッセイ感のある楽しい本です。

サクッと読める【サクッと本】だと思います!

◯概要

\待望の哲学対話の入門書/
アカデミックだけでなく、
世界中のエリート企業、教育現場で取り入れられている
「哲学対話」をご存知ですか?
AI時代の今こそ「本質を考える力」が必要とされています。
教育界牽引する哲学者が
自らの経験をもとに届ける「親子で哲学対話」。
きっかけは小4の娘の一言「わたし、学校やめる」。
親として哲学者として、そして教育学者として、
人生に悩む9歳の娘と向き合った時間を振り返りながら
「本質を考える」哲学対話の真髄を伝えます。
たった10分、子どもとの対話で
一生使える「思考力」が鍛えられます。
家庭でしかできないこと、
親にしかできない最高の教育です。

\親子でこの問いに答えてみる/
□仕返しは悪いこと?
□勉強するのはなんのため?
□よい社会とは?
□優しさって?
□神様の神様はだれ?
□友達ってなに?
□恥ずかしさとは?
子どもは親が思う以上に、悩んでいます。考えています。

\哲学対話で何が得られる?/
「哲学対話」とは対話によって
「共通了解」を探すトレーニング。
ほかにもさまざまなメリットを実感できます。
□民主主義を経験できる
□自分を深く知ることができる
□コミュニケーション能力が高まる
□思考力が鍛えられる
□言語力が身につく
□本質を見抜く力がつく
たった10分、我が子に一生使える人生のスキルを贈りませんか?

上記ホームページ内容紹介を引用

哲学者と娘の日々のやりとりから、哲学対話を紹介するものになります。

哲学的な“対話”を通して、本質的なものを洞察していく「本質観取」を行っていくやりとりを紹介しています。


◯本質観取のやり方

本書では「本質観取」ということについて、そのやり方や具体例をもとに紹介しています。

同著者が取り上げられている特集記事でも同様のことが述べられています。

そこでも、本質観取のやり方として、以下のように書かれています。

【本質観取の手順】
1.ルールの共有
2.各自の問題意識の共有
3.事例を出し合う
4.共通のキーワードを見つける
5.「これだけは欠かせない」契機を言葉にする
6.当初の問題意識に答えるものになっているか点検

上記ホームページから引用

本書でもほぼ同様のことが書かれていました。

この手順に従いながら、その日の“テーマ”について、より本質に迫っていく、というのが本質観取のようです。

本書では、
対話を通した合意形成
とも表現していました。
その合意の落ち着く先が、より本質的なものになる、ということでしょう。
とても興味深いものです。


◯読んでみると、面白そうでやってみたくなる

本書を読んでみると、まずは実際にやってみたくなります!
本書では哲学者の著者と小学生の娘とのやりとりが描かれています。

それが非常に面白い!
とても小学生とは思えないような語り口の娘さん。

何度も繰り返しやっているうちに、それができるようになってきた。
ということだと思います。

「本質観取」それ自体の面白さに加えて、
重ねるごとに熟達していく、さらに面白みが増していく

というところがとても魅力的です。

著者は寝る前にベッドに入ったところからこの対話を始めていた模様。
そのくらいの短い時間からであればやれそうな気もします。

あまり難しく考えずにやってみてもよいのかもしれません。
たぶん最初は、全然本書のようにはいかないように思いますが。
楽しくなってきたら、どんどん先に進みそうな気もします。


◯学校現場では、道徳か!?

学校でやっても面白いと思いました!

対話の人数や構成等はもちろん考えなければいけないことかと思います。

でも、特に「道徳」では実施してみたい!
むしろ道徳の時間に目指しているところの一つには「本質観取」があるような気がしています。

自分がやってきた道徳を振り返ってみると、
なんとなく“判断力”とか“実践力”のあたりにフォーカスしがちだったようにも思います。

こうして、対話を通して本質を探っていく時間というのは、とてもやってみたいことです。

もう少し事例を調べながら実践していきたいと思います。


◯授業でやる勇気がほしい

とはいえ、正直、授業でやる勇気はまだないです。
家とかで娘相手に試しにやってみないと。

著者はおそらく“哲学対話のハードルを下げる”ところを目指している感じがしますが、
私みたいなのがこの本を読むと、逆に“ハードルが上がった”感じがします。

やり方の大筋自体は本当に上で挙げた通りなのですが、

その実際のやり取りはかなり複雑なように思います。

相手から繰り出される予想外のワード。
それを受け止める、あるいは言い換えたりする話術。
相手の考えに対して提示する、自分の考えの引き出しの数々…。

読んでいる私には、
もはや著者自身は“ソクラテス”であり、
娘さんはもはや“プラトン”のようでした。

できたらいいけど、敷居がかえって高くなっている感があります。


◯大事なのはファシリテーション

いずれにせよ、スタンスとしては、ファシリテーションを大事にする、ということかと思います。

まぁ対話を通した“合意形成”と捉えれば当然かもしれません。

ファシリテーションに関しては、これまでもかなり考えてきたことではあります。

いろいろ論文にもあたっていますが、なかなか難しいです。

本書の親子のように一対一の本質観取でもその力が必要かな、と感じました。
そう考えると、例えば教室で30人以上を相手にやるということは可能なのでしょうか。
子どもたち自身がファシリテーションしていくことも可能になるのか!?

なんていろいろ考えていたら、さらに実施のハードルが上がってきた感じもしています。

やはり、事例にあたってみたいと思いました。


◯この本自体が面白い!

いろいろ考えましたが、この本は本自体が面白いです!

自分でやってみるとか、そういったことを考えないで読んでみても良いかもしれません。

親子のやりとりとかをみていると、本当にエッセイ的な感覚で読めるのではないかと思います。

おすすめの本です。
私も他の人にもお勧めしてみたいと思います。


そんなことを考えた1冊でした!

なんとなく、久しぶりの【読書のキロク】です。
意識して読書の時間も確保していかないと!

自己紹介はこちらから。


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