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複業フリーランスの2024年翻訳・執筆お仕事まとめ。たくさん訳してたくさん書いて、ちょっと疲れて一休み。
みなさま2024年もお世話になりました。
今年は悩みや迷いに呑まれそうになっては、えいっと思い切って前へ進んでみることの繰り返しでした。勇気を持って一歩踏み出してみると、開けた景色が見えるものですね。
さて、この記事では今年のお仕事をざっと振り返ってみます(翻訳と執筆の話に絞りましたが、ざっ、のつもりが結構多くて、ざざざっ、になりました)。おすすめ記事もいくつかご紹介していますので、年末年始にのんびり眺めていただけたら嬉しいです。
【翻訳】今年刊行されたのは1作。実際に訳した(訳している)のは4作
『アレルギー 私たちの体は世界の激変についていけない』(テリーサ・マクフェイル著、東洋経済新報社)
今年出していただいた訳書は『アレルギー私たちの体は世界の激変についていけない』(テリーサ・マクフェイル著、坪子理美訳、東洋経済新報社)。けっこう厚みのある本で(訳し終わってから気づきました)、時間をかけて読んでくださっている方も多いかと思います。
この本は、医療人類学者である著者の個人的なエピソードから始まります。
この本を書くための下調べをしている間に私は47歳になった。父が亡くなったのと同じ歳だ。そして、米国各地の専門家にアレルギーの謎について相談する中で、自分が父の変わった死について考えていることをしばしば自覚した。
(中略)
1996年8月25日、ニューハンプシャー州の小さな町に暮らす私の父は、町の本通りであるメイン・ストリートを車で移動していた。平日は営業に使っている四角四面の4ドアセダンを、この日はゆったりと走らせる。父と、長年の交際相手であるパトリシアは、昼の時間を波打ち際で楽しむために浜辺へ向かっていた。時刻は午前11時20分、太陽が南中に差し掛かるにつれて気温も少しずつ上がった。手回しハンドルで開閉する車の窓は開け放たれていた。窓を開けておくのはいかにも父らしかった。彼はマールボロ・ライトを熱心に吸い続ける愛煙家であり、焼けつくほどの暑さにならない限りはエアコンの使用を控える人物でもあった。何しろ私たちは、極めて悲惨な天候でもなければ耐え抜いて当然とされるニューイングランド人だったのだ。
テリーサ・マクフェイル著、坪子理美訳(東洋経済新報社)
研究が進むほどに発見も謎も増えていくアレルギー。身近でありながら軽視されがちな問題の重要性を、オンライン記事、YouTube、雑誌、新聞などでご紹介いただいています。
【予告】来年刊行見込みの訳書をチラッとご紹介
今年翻訳した(している)本は他にもありまして、それぞれ個性的で読み応えがあります。
詳細はまだお伝えできませんが、訳者の推しポイントをチラリとご紹介。気になるものがありましたらコメント等でお知らせください(励みになります)。
・創作欲を刺激されまくり…! 科学史×文化史本
現役医師が人体の「あるパーツ」に関する科学史と文化史を広く深く掘り下げていく面白本。
ワクワクしたりゾッとしたり、思わず考えさせられたり。
創作を行う方にはキャラクターデザインやエピソード作成が捗る知識も満載。翻訳者の私としては、文学作品や慣用句の解説も興味津々で読み(訳し)ました。
2025年春ごろの刊行予定です。お楽しみに!
・生命科学×フェミニズム の本
いま翻訳真っ最中です!
エキサイティングでダイナミックな身体の科学と、それを取り巻く科学界・社会のげんなりするような現実。それをまとめて1つの本で語ったらどうなる? という意欲作。原書は読書サイト・通販サイトでのレビューもたくさん寄せられていて高評価です。
実は私の過去の訳書たちともリンクする内容が多く、科学のあり方や心身の不思議を新たな視点でとらえるきっかけになる本です。
最先端の研究が知りたい方にも、自分の体に向き合いたい方にも、忘れられた科学史に興味のある方にも。
・味わいのある絵が魅力的! 医学研究者の伝記絵本
こちらも現在翻訳中。
主人公がちょくちょく大人に叱られているのですが、その時の表情がなんとも言えない切なさで、大人に理解されない時の子供の顔をよくとらえているな…と感じながら訳しています。
【執筆】アレルギー&子どもに関する記事いろいろ
訳書『アレルギー』に関連して、私自身もいろいろな発見がありました。
◎子供のアレルギー対策が「乾燥」から「保湿」へとシフトしている
◎命名者の定義を離れた「アレルギー」という用語
◎こんな症状もアレルギー?
音楽関係の記事もいくつか
◎世界の子守唄を集めたアルバム
◎子守唄の作曲を個人でオーダーしてみた
【教育&執筆】教科書執筆中!
現在、科学英語に関する教科書を執筆中。いつかご一緒したいと思っていた出版社さんとご縁があって嬉しいです。
【お声掛けください】講演・ワークショップなどできたら嬉しいです
自分で振り返ってみて思ったのですが、今年はちょっと頑張りすぎたかもしれません(私は翻訳が速いほうではないので…)。
来年はいま翻訳・執筆している本を無事に送り出す準備をしながら、インプットや充電の時間もとっていきます。
最近はイベント登壇から遠ざかっておりましたが、また講演やワークショップなどできたらいいなと思っています。
(プレゼンテーションワークショップ、複合キャリア、遺伝学入門など)
▼気になるテーマがありましたらご相談ください▼
それでは…
みなさまお身体と心を少しゆるめて、よいお年をお迎えください。
坪子理美
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![坪子理美|視点を「つなぐ」サイエンティスト|TSUBOKO Satomi, PhD](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142321288/profile_35195c08077643dcfb61e314ec8df7f9.jpg?width=600&crop=1:1,smart)