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2024年10月の記事一覧

19世紀イギリスの平安貴族たち【名詞】monosyllable(ジェーン・オースティン『高慢と偏見』)

19世紀イギリスの平安貴族たち【名詞】monosyllable(ジェーン・オースティン『高慢と偏見』)

高慢なダーシーの妹と初対面した主人公エリザベス。妹も傲慢だと聞いていたが、実際はとんでもなく内気で控えめな女性だった。

ここで気になったのは monosyllable. 単音節語のことで、英語の学習書や文法書くらいでしか見かけたことがなかったので、めんくらった。こんな使い方ができるとは。

直訳すると、「ダーシー嬢から単音節語よりも長い単語を引き出すことさえ、エリザベスは難しいと感じた」というこ

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プライドは重力に支配されている(Jane Austen / Pride and Prejudice )

プライドは重力に支配されている(Jane Austen / Pride and Prejudice )

感じの悪い紳士ダーシーに対するベネット家の読書家メアリーの評である。Pride と Vanity の違いを論じている。

すべて「自尊心」と「虚栄心」などで統一して訳すべきなのかもしれないが、日本語ではなんとなくうるさく感じるので、全部変えてみた。それはそれで分かりにくいか。

こうして並べてみると、自尊心と気位とプライドは「高さ」で程度を表現できるが、虚栄心と飾り気と見栄はできないようだ。

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【英語】【ドイツ語】シューメーカーとシューマッハ

【英語】【ドイツ語】シューメーカーとシューマッハ

シューメーカーという姓について調べていて、驚愕の事実が判明した。

シューマッハって、靴屋だったのか!

シューマッハといえばF1レーサーのミハイル・シューマッハだが、無意識下では「シュー」(物体が高スピードで移動する擬態語)+「マッハ」(超音速)だと思っていた。

もちろん外国語だからそんな訳はないことはわかっているが、「名は体を表す」「まさに天職」の超自然的表象(?)の一種だと思っていたのだ。

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百人隊長の夜明け【名詞】centurion (Hariot / Dawn of the Centurion)

百人隊長の夜明け【名詞】centurion (Hariot / Dawn of the Centurion)

知らなかった。というか、うっかりしてた。

century とか centimeter とか centipede (百足)とか、高校の頃にcent- を使って派生語を覚えたものだが、centurion(百人隊長)は抜けていた。

豹騎将軍とか虎威将軍とか、派手な役職?は子どもならすぐ覚えるが、百人隊長って地味だし「数字だけかよ」と、見向きもしなかったのだろう。

こういうプラクティカルな言葉って、

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無自覚なポリコレの浸透 VS テクノロジーに頼らない意図的な自主規制【形容詞】insane (『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』)

無自覚なポリコレの浸透 VS テクノロジーに頼らない意図的な自主規制【形容詞】insane (『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』)

ドラクエ3のリメイク(注1)でキャラクターの性別を選ぶ仕様がなくなり、「ルックスA」「ルックスB」から選ぶようになったことについて、イーロン・マスク氏が Xで「非常識だ」と批判したそうだ。

ポリコレがらみの話ようだが、これって「非常識」なのだろうか。

時代に合わせて仕様が変更されること自体は、むしろ常識だ。

ヘンだなと思って記事を読んでみると、マスク氏の発言は「This is insane(

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