満場一致不合格の香味野菜とポルペッティに癒された11月30日
今日は久しぶりに青空を見た気がした。
それなのに私は、どんよりと重たかった。ここ三日間の福岡の空みたいに、暗雲が垂れ込めている。
胃に。
昨日の夜、久しぶりに外に飲みに繰り出したおかげだろう。
ジョッキで飲むビールは、美味しかった。
私はメニューの中に、シャリキン(キンミヤ焼酎を凍らしたもの)のホッピーを見つけて、興奮してしまった。そんなにお酒が強くないのに、中(焼酎)をおかわりしてしまった。飲み放題ってよくない。調子に乗って、酎ハイも飲んでいたら、店員さんに声をかけられた。
「これで、ラストオーダーです」
このセリフは、私にとっては悪魔の囁きだ。すでに目が座っていたのにも関わらず、腰をすっかり据えてしまった私は、ビールをおかわりしていた。
多分、楽しい夜だった。
きっと、美味しい夜だった。
二軒目には行かずに、まっすぐ帰ってきたのにも関わらず、一軒目で十分に酔っ払っていた私は、帰宅後、風呂に入った後にご機嫌で「お風呂に入ってこよ〜っと」と服を脱ぎ出して、小学生の息子に「お母さん、さっき風呂入っとったよ」と止められたことを覚えている。
やっぱり、楽しい夜だった。
もちろん朝起きたら、頭が痛かった。予想どおりだ。
もちろん、胃も重かった。仕方がない。
昼には胃を労って、雑炊を食べた。
私は、夜も胃を労ることにした。
夕飯の食材を買いに行くついでに、ふらりと無印良品に寄った。食品を見ていたら、小さなポスターが貼ってあって、今日のジョブチューンで無印良品の商品がジャッジされると知った。私は無印良品の食料品がすごく好きなので、絶対に見ようと思った。結果を知ってから商品を購入しようかと思ったけれど、せっかくなので超一流料理人と一緒に食べながら、私もジャッジすることにした。
今日の私は、胃の調子がよくなかったので、胃に良さそうな「香味野菜とポルペッティ」を選択。
パスタを加えて鍋で煮込むスープパスタ。香味野菜と肉団子を楽しむスープ。
私は裏のレシピを見ながら、鍋にスープを入れた。ショートパスタはコンキリエがオススメとなっていたが、家にあったチェレンターニを使用。
作り方を確認すると、野菜を追加するのがオススメされていた。私は冷蔵庫を覗く。野菜室にキャベツと大根があった。キャベツは手でちぎり、大根は火が通りやすいように小さめの短冊切りにした。大根の葉があったので、シャキシャキした食感も欲しいなと、大根の葉も入れた。
野菜をたっぷり食べたかったので、多めに野菜を入れた。パスタは少なめにして、胃に負担がかからないように、長めにくつくつ煮た。
スープは加熱が長かったせいで少なくなったかな、と思ったけれど、特に気にならなかった。スプーンでスープをすくい口に運ぶと、鼻から香味野菜の爽やかな香りが鼻から抜ける。ジョブチューンでは、塩辛いとの評価を受けていたが、野菜をたっぷり入れたからか、昨日飲みすぎで抜けた塩分が補給されたからか、ちょうどよく感じた。パスタもくたくたに煮たおかげで、柔らかくて食べやすかった。
暖かいスープと柔らかい旨みが、疲れた胃にちょうどいい。ポルペッティ(肉団子)もほんわりとした柔らかさで、優しいってこういうことなのよと、嬉しくなった。
一皿食べると、私の胃はすっかり満足していた。優しさに癒されて回復したのか、おなかがぐうと鳴った。
ジョブチューンで評価されていたように、私にはこの料理の正解がよくわからない。けれど、正解がなくてもいい料理なのではないかと、私は思った。もちろんパウチされた料理で、温めれば完成品というのが、レトルト食品の理想なのかもしれない。
けれど私は、この不完全な「香味野菜とポルペッティ」が、好きだなと思った。寒い日には生姜の千切りを入れてみたいと思ったし、ご飯を入れてリゾットにしてもいいかもしれない。次はどんな野菜を入れてみようかな。