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都会の森林浴ウィスキング体験記。ウィスキング、それはサウナのその先にあるもの。


わたしは体験にお金をかけるタイプだ。



今までスカイダイビング、チーズ作り、鹿の皮を剥ぐジビエ体験、キックボクシング、漢方教室.........などなど、好奇心のおもむくままにいろいろとやってきた。



でもさすがに全裸で植物に包まれるのは、はじめてだった。





わたしは、「ウィスキング」というサウナトリートメントを受けるために、名古屋のサウナーの聖地「ウェルビー栄」を訪れた。



ウィスキングとは、シラカバ、ユーカリ、オークなどの枝葉を束ねた「ウィスク」を使ったリラクゼーションのことだ。

施術は高温のサウナ室で「ウィスキングマイスター」と呼ばれる専門家によって行われる。

五感を研ぎ澄ます森林浴体験….らしい。
画像はウェルビー栄のHPから




このウィスキング。
以前行ったフィンランドサウナ「サウナラボ」で読んだこの本で存在を知り、受けたくて受けたくてたまらなかった。




そしてようやく迎えた体験当日。


気になるウィスキングの料金は、
ウェルビー栄の入場料込みで15,000円。

ウェルビー栄自体の入場料が2時間2,000円。
延長料金は1時間ごとに500円かかる。
1日いると平日は最大でも4,000円、
休日なら4,500円だ。


今回のウィスキングプログラムでは、
18時30分からサウナに入場できる。
施術は20時から1時間15分。
終了後は営業終了の23時まで滞在可能だ。
そう考えるとウィスキング自体は11,000円というお値段になる。



この金額が高いのかどうかは人によると思う。

男性はいろんなところでウィスキングの体験はできるけど、女性でウィスキングを体験できるのは、ここウェルビー栄とサウナラボだけ。






ウィスキングは、汗をすごいかくのでメイクを落とした方がいいと言われた。
わたしのようにすっぴんで帰りたくない人は、メイク道具をどうか忘れないでほしい。


シャンプー、コンディショナー、ヘアミルク、クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液、リファのドライヤー、コテ(メーカーは不明)が自由に使えるのが地味にありがたい。

多少値段がしても、個人的には手ぶらで行けるサウナが最強だ。




🌱🌱🌱

では、いざウィスキングへ!


施術用のサウナ室に入ると、
ウィスキングマイスター(※)のおねえさまがはちみつレモンを出してくれた。
甘さにほっとする。



「無理は禁物なので、熱すぎると感じたらすぐに言ってください。飲み物はいつでも飲んでくださいね。」



施術中に貧血とかで倒れたらどうしようと、正直多少の不安があった。
言葉に出さずとも不安を感じ取ってくれたマイスター。この言葉が、はちみつレモンのように優しく染み渡る。


これが......ウィスキングマイスターか...!※

※ウィスキングを行う専門の施術師のことをウィスキングマイスターと呼ぶ。


マイスターには、サウナやウィスキングの知識や技術だけでなく、設計建築・空間演出、物理学・心理学、東洋・西洋医学、アロマテラピー、サウンドセラピー、トリートメント技術、植物、文化歴史教養、コミュニケーション能力、人間的包容力という資質が求められる。


ラトビアでは、ウィスキングの施術者であるウィスキングマイスターは国家資格らしい。

ウィスキングマイスター、スーパーサイヤ人感ある




◾️はじまりの儀式

まずは座って、1回目のロウリュをする。

ロウリュとは、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるフィンランドサウナの入浴方法だ。ロウリュをかけるとサウナの温度が上がる。


はじめてのロウリュをするときは、願いごとするものです。頭に願いごとを浮かべてください。」
マイスターは言う。


ぐっとウィスキングのムードが高まる。
こういうの、だいすきだ。


ウィスクが体をサワサワサワ━━━
と撫で、熱気を運んでくる。


ウィスクは、ウィスキング発祥の地であるバルト諸国から輸入してるらしい。
ああ、本場のウィスキングを受けるためだけに、リトアニアに行きたくなっている自分がいる。



◾️スクラブ


冷やしたウィスクを枕にして寝転ぶ。頭の上にも冷えたウィスクを被せられる。
もしゃっとして、ひやっとして、なんとみずみずしいの。熱中症を防止するものなんだろう。
熱いサウナ室では、まさにみどりのオアシスだ。



スクラブをはちみつで馴染ませながら、マッサージをしてくれる。今日のスクラブは塩と金木犀だ。一足早い金木犀の香りに胸が高鳴る。
ほかほかしたサウナ室内でのスクラブで、体内の嫌なものが排出される。


サウナ×スクラブはだいすきな組み合わせだ。
持ち込み可能のサウナのときは、マイ塩を持っていく。



◾️ウィスキング

ぬるくなった枕のウィスクを冷たいものに取り替えてくれた。
目元にもひんやりタオルを乗せられて気持ちがいい。


ここからが真のウィスキングだ。


仰向け、うつ伏せの2回に分けてウィスキングは進む。


目を閉じているから、ウィスキングが体をやわらかく叩く音がやたらと大きく感じる。

バサバサバサバサ…

ウィスクの雫がそこかしらに飛び散る。
顔にもしたたり落ちる。

まさにこんな状態。
ウェルビー栄は撮影NGなので、公式HPからの写真です。



魂が雨が降っているフィンランドの森に飛んでいく。

サウナ室内で仰ぐことで高温にしたウィスクで、手・足・上半身・下半身をぎゅっぎゅっと温圧される。
身体に葉のぎゅっとした感触を感じるのはいつ振りだろう。

ちなみに、ウィスキング中は大事な部分をウィスクで覆われる。
ウィスクパンツだ。
はからずとも、人間の始祖であるイヴの気分を味わうことができる。
イヴはイチジクの葉で、わたしはユーカリだ。



マイスターが温度が少しずつ上げていく。
もう通常のサウナでは、自分ひとりでは、
到達できないような高温域だ。

ウィスクから送り込まれる熱気に溶けそうになる。このまま溶けてしまいたい。


ウィスクの音に耳を澄まし、呼吸するたびに鼻や口いっぱいに広がる葉の匂い。




森に生まれ、森とともに生き、森で死ぬ。


そんな生き方をしたいと思った。


◾️水風呂(シャワーも可能)

ウィスキングで上げた体温を冷やしていく。


ウェルビー栄の女性専用エリアは水風呂が1つだ。ハーブのミストが出ている個室の中に水風呂があり、ちょっと変わっている。


これがもう、良くない。

気持ちが良すぎて、良くない。
ちなみに水風呂は18度。


水風呂におそるおそる入る。
水風呂に入る時は、呼吸が止まらないようにゆっくり深く呼吸するのを忘れないことがコツだと思っている。
血液がぷつぷつと踊りだし、肌に薄い膜が作られるのを感じる。


水風呂から出ると、体中の血液がびくんびくんと荒々しく循環する。ビリビリした甘い痺れが体中を巡る。
今年初の整い━━━━━⭐︎




◾️おくるみで包まれながらの整いタイム

さいごにおくるみに包んでもらい、整いタイムに入る。ランタンだけの淡い間接照明の中、秋風がそよそよと気持ちがいい。



丸裸でおくるみなんて、童心通り越して赤ちゃん気分だ。なんていうかすごく無防備な気分になる。そりゃそうか、【装備:おくるみ】なんだもん。


コットンのガーゼのような素材で肌触りがよくて、やけに眠かった。
眠り込みそうな瞬間にマイスターが現れた。


マイスターのおねえさまとのサウナ話


さすがウィスキングマイスターのおねえさま。サウナ話に花が咲いた。

岐阜にあるサウナ「天光の湯」・「恵みの湯」・「三峰」というサウナには行ったほうがいいという結論になった。


さあ、けえーるか、
とさっそうと帰り支度をしようとしたら、
おねえさまが一言。



「あ、アウフグースは見てったほうがいいよ、あと15分で始まるから急がないと!」


実はおねえさまがアウフグースについて言及するのは3回目だ。施術中に何回か「アウフグースは見ないとね」と何度も聞かされた。



そんなに言うんなら、一応見てくか…、せっかく1万5000円払ってるもんね。



結論から言うと、あのまま帰っていたら自分の尻を蹴りたいくらい、よかった。
アウフグースを見るためだけに、ウェルビー栄は訪れる価値がある。


次回【アウフグース編】に続きます。


▼フィンランドサウナが楽しめるサウナラボの記事はこちらからどうぞ。


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