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薔薇のマカロン「イスパハン」が好きすぎるので。#作ってみた


世界のパティスリー界の頂点を極めたパティシエ、ピエール・エルメの代表作といえば、薔薇の味のマカロン「イスパハン」だ。

その姿は、まさに食べる芸術。
1つ1000円を超える


バラ風味のマカロンに、バラ風味のバタークリーム、中身にラズベリーのジュレとライチが入っていて、外側にラズベリーがならんでいる。


なんともエレガントで、可愛らしいお姿。


母とわたしは、この超高級マカロンを愛してやまない。だが残念なことに、我々が住んでる地方都市では食べられないシロモノだった。


GWに母と東京に遊びに行った。
目的は青山にあるピエールエルメのカフェで、イスパハンを食べること。

青山のピエールエルメカフェ
宝石のようなケーキたち

崩れそうで持ち帰りができない。
ていうか、そもそも値段もめっちゃ高い。

        ♢   ♢   ♢


「無限に食べたいね。」
と帰りの新幹線で、母がつぶやいた。


「イスパハン貯金して、次行くときは1人2つ食べよっか」とわたし。


「いや.......作ろう。イスパハン。」
と母。


...え?!?!
その発想はなかった。





菓子作りが得意で、凝り性な母なら、なんとかなる気がした。



帰ってレシピを調べてみる。
あった。でも工程がべらぼうに多いのが気になる。

こちらを参考にしました。
なんとつくレポ0件…!
「0件」が、作るのが大変そうすぎるのを物語る。


マカロン作りは初めてだったので、ネコノメさんの動画も見てみた。
30分の動画で長い。
料理系の動画って1分で終わるときもあるのに、この長さはヤバい。



というワケで、GWに「イスパハン」を再現してみたレポのはじまりです。

軽い気持ちでnoteにしたら、工程が多すぎて、大作になってしまいました。
読んでもらえると、とても嬉しいです。

材料


イタリアンメレンゲ用

グラニュー糖  140g
水       40cc
グラニュー糖  10g
卵白      60g
(卵白は卵1つで30g)

「イタリアンメレンゲ」?聞いたことない単語。
マカロン、バタークリームの両方に使うから
最初に作る。

◾️マカロンの生地用

アーモンドプードル 125g
粉糖        125g
卵白         48g
食用色素(赤)と(ピンク)
イタリアンメレンゲ  作った量の5/6

マカロンは乾燥・焼き時間・冷ます時間が
必要だから、2番目に作る

◾️ローズ風味バタークリーム

無塩バター  100g
卵黄     1つ分
グラニュー糖  15g
牛乳      20cc
ローズシロップ 10g
ローズエッセンス 2g
イタリアンメレンゲ 作った量の1/6

工程が多すぎて、こわい。


さすが、高級マカロン。
材料もハンパないぞ。

ローズエッセンス、ローズシロップなんて、初めて買った。


どんなニッチな製菓材料でも置いてある、「富澤商店」に置いてありました。
わたし以外ほかに誰が買うの?みたいなものも、なんでもあるのすごい。

特別な道具


菓子作りに必要な、ボール、ゴムベラ、泡立て器、振るいなどに加えて、特別に必要な道具はこちら。


◾️温度計

イタリアンメレンゲは、温度を測る工程があるので必要。

◾️絞り袋(2つ)と金口(丸)

マカロンはマカロン生地を絞って、あの形にします。薔薇のクリームも絞り出しで使います。

袋と金口


製菓材料や道具は「富澤商店」の店舗で買う。ここにない場合は、アマゾンで買う。


下準備


菓子作りは準備とレシピの読み込みが命だ。
始まってしまうと「待った無し」の作業が多い。

たとえば、マカロンはすぐに焼かないと、生地が溶けてくる。オーブンで焼いたら、すぐに出さないと色が退色してしまう。

なので菓子を作る前はレシピを必ず確認して、
準備できる作業や量るものは、はじめにすべてやっておくのが、失敗しないコツ。

下準備にやったこと

①粉糖とアーモンドプードルの粉振るい
②卵白を卵黄の分けておく
③卵白は必要な分を測っておく
④測れるものは、すべて測っておく。
④絞り袋の準備

①粉糖とアーモンドプードルの粉振るい
④の説明をしていく。
こんなかんじで袋と金口を合体
先を切って、金口が出るように
金口はたくさんの種類がある。
このくらいの大きさの丸形がおすすめ

※今回はラズベリーがなかったので、マカロンケーキではなく、マカロンのイスパハン作りに変更しました。
それに伴い、レシピの中のラズベリージュレは使わないので、省略しました。


こちらに変更。ケーキとの違いは、ジュレと生ラズベリーがあるかどうか。

画像は公式サイトのもの。
お店で1つ400円で買える


イタリアンメレンゲを作る


1 グラニュー糖140gと水40gを鍋に入れ火にかける。
ボウルに卵白とグラニュー糖を入れ泡立てる。

はじまるよ〜〜!

2 鍋のシロップが117度になったら火を止める。この時卵白は、ちょい角が立つくらいに泡立てておく。

砂糖は100度以上になって、めっちゃ危険⚠️
もし腕にかかったら、救急車を躊躇無く呼んで
「角が立つ」って生クリームがツンと上を向くような、これくらい。

3 シロップを糸のように垂らしながら、電動ミキサーでしっかりまぜる。ツヤが出てボウルの底が触れるようになるまで泡立て続ける。→ 完成

「糸のように垂らす」の意味が
わからなかった。
母曰く、この写真のかんじらしい。



ふぅ〜!イタリアンメレンゲの完成!

普通のメレンゲは卵白を砂糖を入れて泡立たせて終わり。
でもこのマカロンはシロップにした砂糖と卵白を混ぜた「イタリアンメレンゲ」を使うことがポイント。

「イタリアンメレンゲ」ってこんなにめんどくさいのね.......
このマカロンが高級なのもわかる気がしてきた。


次はマカロンを作っていく。

マカロン生地を作る


4 ふるったアーモンドプードルと粉砂糖に卵白と食用色素を入れ馴染ませるように混ぜる。

生地が固すぎて、不安になる。
色素を入れると、
一気にイスパハンらしくなる。
ショッキングピンクを出すために、色素は「赤」と「ピンク」を用意。

5 作ったイタリアンメレンゲ5/6量(140g)を、3回にわけて混ぜる。

6  全体が混ざったら、生地を側面に擦り付けるようにマカロナージュする。

「マカロナージュ」ってなに?🤨
イスパハン作り、聞いたことない単語が多い。すごい。

生地とメレンゲの泡をつぶしながら混ぜ合わせて、生地の固さ調整をすること。
焼いたときにマカロン特有のつるっとした質感を作る。


マカロナージュがちゃんとできてるか、
よくわからない。

7  ツヤが出て、持ち上げた時に折り重なるように落ちればOK。やり過ぎは失敗するので注意。
やり過ぎより足りない方が良いかも。

これが「折り重なる」という状態のクリーム
なんでも知ってる母すごい。

8 絞り袋に入れて、オーブンペーパーの上に絞る

セッティング完了
袋は口金のとこで折っておくと、液が垂れない
マカロンを絞る印を鉛筆で、オーブンシートの裏に書いた
うわぁ〜〜!もう可愛い!!
気泡をつまようじで潰すと、焼きあがりがキレイなんだって

9  冷蔵庫で15分ほど乾燥させる


ピエールエルメ公式レシピは常温で30分放置だった。フランスは乾燥してるからこそ、できる技では?と思い、冷蔵庫で乾燥させてみた。

10  200度になったらマカロンをオーブンに入れ、130度に下げて15分〜18分焼く。

実はここで、生焼けになったような。(?)

あとでマカロン生地だけ作り直した様子を、記事のさいごの「補足」で書きました。

11  焼き上がりを触ってむにむにと横に動いたらまだ加熱不足。1分ずつ焼き時間を伸ばす。焼けたら網に載せて冷ます → 完成

かわいい。
並んでいると、さらにかわいい。


マカロンができた!!
最後にクリーム行くよ〜。

ローズ風味のバタークリームを作る


12  無塩バターをマヨネーズくらいの硬さになるまで柔らかくし、練っておく。

バターを5センチずつ切って、レンジで10〜20秒ほどチン。
バターは瞬く間に溶けるので、注意⚠️

13  卵黄にグラニュー糖を混ぜ、少し白っぽくなるまで混ぜ、牛乳を加えてよく混ぜる。

14  鍋に入れ、弱火にかける。とろみがついてきたら火からおろし、鍋底に濡れ布巾などを当て冷ます。

泡立て器で混ぜたときに、モーセのようにクリームが2つに分かれて鍋の底が見えれば、「とろみ」の状態らしい。
母のたとえは独特。

15  常温くらいになったら、ローズシロップとローズエッセンスを加えて混ぜ、バターに2〜3回にわけて混ぜる。

「バターに加えるとき」は混ざりにくいらしいから、すばやく混ぜ合わせることがコツ。

16  イタリアンメレンゲの1/6量(28g)を2回くらいに分けて混ぜこむ。口金をした絞り袋に入れ、少し涼しいところにおいておく。→完成

この状態にして、出番が来るまで冷蔵庫へ。

組み合わせる


いよいよ組み立てる。
ここまでで、母と2人で作業して、2時間くらい。1人だったらマジでヤバい。

生焼け?なのか、紙から剥がれない 
大ピンチ。
はさみでオーブンシートをマカロンごとに切って、
一枚ずつ剥がすと、なぜか綺麗に剥がせた。


ふう。一安心。
なんだかペチャっとしてきたマカロンたち。
もう気にしないことにする。

中にローズクリームを挟むと.....



完 成 !!

紙ナプキンはフランスで買ったもの


見かけも味も、ちゃんと「イスパハン」で、感動。
家で食べてもエレガントさは変わらない。

手をかけただけありました!!!!



乾燥などの待ち時間も含めて、2時間30分かかりました。おつかれさまでした。
無事、全工程をやり遂げました。


「イスパハン」もう一生分食べた。
大満足。

おわりに



マカロンケーキ「イスパハン」 1,188円。

(今回作ったのは薔薇のマカロンで、ケーキじゃないけど)自分で作ってみてわかったことがある。

この値段、もはや安い。

▼そう思った理由

・ローズエッセンスやローズシロップなど、特別で高価な材料を使っている。

・ケーキのデコレーションに使うラズベリーも、生ラズベリーを使っている。(冷凍ラズベリーだと、ケーキが長時間保たない。)

・多すぎる作業工程

・確かな技術で作られた美しい外観。


「高くなる」には理由があった。



ちなみに、フランスに行くと、「イスパハン」のような薔薇のマカロンはどこのケーキ屋にも置いてある。

日本でもピエールエルメ以外で、薔薇マカロン出ないかな。
それかピエールエルメのイスパハン、地方都市でも買えるようにしてください🫶


補足


やっぱり生焼けっぽかったので、マカロンだけ作り直してみたら、超イイカンジに。
今回はイタリアンメレンゲなし。十分美味しい。

◾️気をつけた点

前回より硬めの生地を目指して、生地の様子を見ながら、卵白の量を減らしてみた。


最初の予定どおり、マカロンケーキを作るなら、こんなに膨らみはいらないけど、マカロンケーキのレシピでマカロンを作ったから、不完全燃焼に。
作り直して、母は満足そうでした。

ぷっくりマカロンちゃんになりました


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