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黄金の荒野を拓く@宇宙ビジョン作家人響三九楽(ヒビキサクラ)
2021年4月7日 22:13
あなたは今自分がいる場所より、よりよい未来に進みたいと望む?だったらそのために、どうしたらいいと思う?それは今、あなたがやりたいけどできない、無理だ、と思っていることにチャンレジしてみることだ。恐るおそるでも、少しずつでもいい。自分の制限を外し、思い切って行動することで未来は開く。今のあなたは過去の自分が望んだ姿だ。望むと望まざるに関わらず、それが現実だ。もし今の現実が不本意なら、今すぐ
2021年4月6日 22:32
ねぇ、あなた。今、あなたが今いる世は、わたし達が生きていた世よりかなり自由だろう。結婚もすきな男とできるだろうし、恋愛も楽しめるだろう。仕事をして、自分でお金を自由に動かすこともできるだろう。結婚してもいいし、ずっと一人で生きていくことも選べるだろう。私のように、結婚しても子を持つことなく生きる女もいるだろう。一方、子が欲しくてたまらない女もいるだろう。思うように生きられない女もいる
2021年4月4日 23:49
勝の大きな手が、彼の肩にもたせかけた私の頭を優しく撫でる。幼い頃、父上に頭を撫でてもらったことを思い出す。それ以来からしれない。酔った客の一人が「いい塩梅じゃねえか」と軽口を叩き、ひゅう、と口笛を鳴らす。この男に私の本当の正体をばらしたら、腰を抜かすかもしれない、と思うとおかしくなり、くすっ、と笑う「あなたはもう、十分頑張った。これ以上、頑張らなくてもいいですよ」私の考えがわかったのか、勝は私
2021年4月2日 23:00
そして思い出した。私がまだ女だったことを・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」㉗薄桃色の桜吹雪に見送られ江戸城を出た私は、三十二歳だった。二十歳で大奥に入り、女が最も美しく輝いた十二年間を大奥で費やした。けれど後悔などない。そう思い大奥のあった江戸城本丸を一歩出た時だった。誰かに襟を引っ張られた気がして、足が止まった。胸から上半身を後ろにひねる。真後ろで家定様が笑っていた。嘘ではない。袴に包
2020年11月28日 22:02
信じることは、愛につながる 大阪城の慶喜は、どうにか自分が新政府の中に入り込めるよう根回しをしていた。その頃、江戸にいた西郷は、浪士達を集め江戸でテロを起こした。罪のない人達を巻き込み、強盗や殺人、暴行などの無差別テロは江戸中を震撼させた。勢いに乗った彼らは、私のいる江戸城二の丸を含め、江戸城にも火をつけた。江戸の人々は震えあがり、いつ自分のところに災難が降り注ぐかわからない恐怖に襲われた。
2020年11月26日 22:10
自分を最後まで信じ切れますか? 一八六七年の十月、慶喜はこれまで徳川幕府が握っていた政権を朝廷に戻す「大政奉還」を申し入れた。これにより、265年政治の実権を握っていた江戸幕府は終わった。慶喜の狙いは、倒幕を目指していた薩摩と長州に対して、朝廷に政権を返し「倒幕」という大義名分をなくすことだった。その上で、徳川の力を次の新しい朝廷に組み入れる事だった。慶喜は朝廷という大樹の元で、武家が議会を
2020年11月21日 17:43
大きく変わる未来のために家茂様はご自分の死期が近いことを悟り、次期将軍として田安亀之助を名指した。それが家茂様からの遺言だった。私達大奥の人間も、家定様の従弟である彼を後継者にすることを強く望んだ。しかし、それは実現することはなかった。彼があまりにも幼く、わずか四歳だったからだ。もし、彼がもっと年を重ねていたら もし、家茂様が長く生きていたらもし、家茂様と和宮様にお子が生まれていた
2020年11月7日 10:56
愛されていることに、自信がありますか?家茂様は二十一歳だった。和宮様も同じ年で、そして愛する人を失った。私が家定様を失った年に近い。愛する人を失った和宮様の気持ちが、心に染みわたるほどよくわかる。そんな時、心にぽっかりとブラックホールが生まれるのだ。ブラックホールは、どこまでも深くて暗い。愛する人を失った悲しみと辛さを吸い取り、ブラックホールはどんどん肥大する。和宮様は生きる気力
2020年11月4日 18:35
今、いる場所で私ができることは何だろう?1865年、和宮様との結婚の三年後、イギリスとフランス、オランダが兵庫の開港を要請してきた。「兵庫開港が認められなければ、幕府と交渉は止め、京都御所にいる天皇と直接交渉する」これらの国は、そう脅しをかけてきた。兵庫開港拒否は、彼らに攻撃を受けるチャンスを与えると考えた幕府は、天皇に許可を得ないまま兵庫開港を決めてしまった。しかし一橋慶喜は天皇からの
2020年10月30日 16:56
私がここにいる意味は、きっときっとある和宮様の兄上に当たる孝明天皇は、攘夷派で外国からの進出を阻止しこの国を守る意思がお強い方だった。その思いから、ご自身がお決めになった妹の和宮様の婚約を破棄してまで、家茂様に嫁がせたのは、徳川幕府を倒すためではなく幕府と力を合わせ、外国から日本を守るためだった。「兄上はご自分の意見をしっかり持った方ですが、とても穏やかでやさしい方です」和宮様は、私
2020年10月23日 22:13
小我を手放した時、大我はその姿を現す和宮様は、御所風のやり方を大奥で通せるように私をコントロールしようとし、私はこれまでの大奥でのしきたりややり方を通せるよう和宮をコントロールしたかった。私達はお互いをコントロールしようとしていた。何年も後に「あの時は私達、火花バチバチですごかったわよね~!」と笑い合っていたけど、当時はそんな余裕なんてなかった。どちらも自分がマウントを取りたかった。
2020年10月22日 17:19
嫁と姑のひそやかな戦い初めて嫁となる和宮様を見た私の印象は・・・「お雛様か!!」だ。和宮様は、まるでお雛様のように絵巻物から現れたお姫様だった。雅なお顔立ちに、小さなお身体。精巧に作られた手の込んだアンティークドールのようだった。私達武家の女とは、まったくちがうイキモノ。瞬きもせず、無表情だった。家茂様も初めて顔を合わせた時、一瞬驚いていた。が、家茂様はやさしく彼女に微笑んだ。
2020年10月20日 19:12
生まれ育った環境が創るものやがて江戸城に慶福様が入ってこられた。私と家定様の養子、という形で、名前も徳川家茂に改められた。「お義母上様、家茂でございます」そう言いながら、彼は頭を下げた。息子、というけれど彼は十三歳で、私は二十二歳。息子、よりも弟、という感じだった。聡明で年齢よりも落ち着いて見えた。今後私は彼を支え徳川家を守っていくのだ、と背筋を伸ばした。家定様亡き後、私は落飾し
2020年10月16日 21:54
あなたは本物のソウルメイトです私と家定様が一緒に過ごした時間は、両手からサラサラと流れていく砂のように儚い夢のような時間だった。わずか二年足らずの結婚生活。けれどこの二年間が私を強くし、私を変えた。「もし私がこの世を去り、今度菓子職人として生まれ変わっても、私の妻でいることを。私の作った菓子を食べ、笑っていることを。いつまでもずっと私のそばにいることを」そう家定様と私は約束をした