マガジンのカバー画像

ガン患者の家族の闘病記

35
運営しているクリエイター

#食道がん

夫退院して半年

夫退院して半年

夫は退院後半年しても、喉が痛いと言っている。

もう激痛だ。

それで、再度、食道ガン手術を受けた大学病院の耳鼻咽喉科で検査を受けた。

しかし、何もないと言われた。

では、どうして激痛なのか、私たち夫婦には訳がわからなかった。

いま、悔やまれるとしたら、他の病院にも行って、検査すべきだったのかも知れない。

退院後一年間は、夫にとっては大変だったのかも知れないが、

夫が会社から帰ってくれば

もっとみる
夫の退院

夫の退院

夫は仕事が好きだった。手術のために2週間くらい休むつもりが、

すでに、2ヶ月半も休職していた。

「有給がなくなっちゃう」と心配していた。

夫は職場に恵まれて、入院中もお給料は出ていたし、本当にありがたかった。

夫は心苦しかったのだと思う。

「一刻も早く会社に行きたい」

「ここにいたら、食事も食べたくないし、早く家に帰りたい」と言って

医師や看護師に退院を急かしていた。

担当の看護師

もっとみる
夫の快復、そして‥

夫の快復、そして‥

手術後、夫は順調に快復した。

毎日面会に行くたびに、薬や排液の管が減っていくので、私は嬉しかった。

そして、一般病棟に移ることになった。

一般病室は、他の患者さんも一緒なのに、各々のベッドはカーテンで仕切られていたし、

看護師も頻繁に来なくなったので、昼でも、暗い感じがした。

食事も出るようになったが、
夫は「抗がん剤治療を思い出す」と言って、まったく手をつけなかった。

そして、喉を指

もっとみる
夫の二度目の手術

夫の二度目の手術

夫は腹膜炎の洗浄のため、開腹手術をした。

食道ガンの手術と違って、6時間程度で終わったが、何があるかわからないので、義母も呼んだ。

手術後、医師に呼ばれて説明を受ける。すぐ夫は部屋に戻ってきた。

時間がかかったのは、麻酔がなかなか効かなかったからだと言うが、

途中で経過を報告してくれるわけではないので、

こちらとしては、なにかあったんじゃないかと気を揉んでしまう。

手術後30分くらいは

もっとみる
手術当日

手術当日

夫は、抗がん剤と放射線治療を受けて喉の痛みがおさまっていた。

だから、私が無理にすすめなくても、良く食べた。

手術する前日に、医師から説明を受ける。

無口な先生だから

「食道を切って、胃を上に持ち上げて食道の代わりにします。何か質問は?」

で終わってしまった。

あとは、サインして終了。

埼玉から足を運んでくれた義兄は、拍子抜けしていた。

そして、手術の当日。

夫は、軽い足どりで手

もっとみる
夫の放射線治療

夫の放射線治療

こうして、夫の食道ガンの
放射線治療がはじまった。

5週目で終わった途端。

夫は、私の心配をよそに
「うすめたお酒なら大丈夫でしょ?」

「いや、いや〜ダメでしょ」と私。

「飲んじゃお〜」と夫。

「看護師さんが言ってたじゃないの!やけど状態の粘膜にアルコールが流れていくと‥」

見ると、すでに夫は焼酎を水でうすめて飲んでいた。

禁酒は5週間でやぶられたが、

嬉しそうに飲んでいる夫を見る

もっとみる
喉の痛みの原因がわからない

喉の痛みの原因がわからない

前回の続きです。

夫の喉の痛みは、私には隠していたが、極限に達しているようだった。

二年が過ぎた春。

みずから「今度は大学病院に行って検査してくるよ」と夫。

一ヶ月後

「ねー、ね、喉には何にも出来てないって。でもさ、」

「うん」と私

「食道ガンらしい」

「ええーーー!!」

そのあとは怒涛の日々でした。

一緒に医師から治療方針をきく。

すぐに抗がん剤治療がはじまる。
最初夫は、

もっとみる