手術当日
夫は、抗がん剤と放射線治療を受けて喉の痛みがおさまっていた。
だから、私が無理にすすめなくても、良く食べた。
手術する前日に、医師から説明を受ける。
無口な先生だから
「食道を切って、胃を上に持ち上げて食道の代わりにします。何か質問は?」
で終わってしまった。
あとは、サインして終了。
埼玉から足を運んでくれた義兄は、拍子抜けしていた。
そして、手術の当日。
夫は、軽い足どりで手術室の中に入って行った。
私は、手術に対して当初から反対だったが、夫には迷いがなかった。
家族は、朝から控え室で待ち、
20時に呼ばれて、手術の経過をきく。
先生は、切除した食道を持ってきた。ガンの痕跡はあったが、きれいに治っていた。
医師から説明を聞いて、少しホッとしたら、お腹が空いてきた。
お昼は、交代で食べに行ったが、夕飯を食べるチャンスがなかった。
そこに、小さないなり寿司を持ってきてくれた友達。
すごくありがたくて涙が出た。
つづく