夫の快復、そして‥
手術後、夫は順調に快復した。
毎日面会に行くたびに、薬や排液の管が減っていくので、私は嬉しかった。
そして、一般病棟に移ることになった。
一般病室は、他の患者さんも一緒なのに、各々のベッドはカーテンで仕切られていたし、
看護師も頻繁に来なくなったので、昼でも、暗い感じがした。
食事も出るようになったが、
夫は「抗がん剤治療を思い出す」と言って、まったく手をつけなかった。
そして、喉を指さして「痛い、痛い」と言った。
食道ガンの手術をした時に切った首のところが、痛いのだと思っていたが、
毎日「痛い、痛い」と言うようになった。
もちろん、病院にいるのだから、医師にも、看護師にも相談して、検査もしたようだが、
どうして痛いのか、原因が分からなかった。のちにこれが、夫の命を縮める原因になった。
夫は「仕事したいから一刻も早く退院させて欲しい」と
懇願するようになった。
つづきます。